気を補って冬の準備を始めましょう。
11月は晩秋であるはずなのに、ここへきてようやく秋らしく朝晩ひんやりとしてきました。秋の養生は乾燥対策がメインになりますが、冬にかけても太平洋側は乾燥しますし、日本海でも暖房をつけることによって乾燥は気になりますね。今回は乾燥対策とともに冬支度を始めるレシピ、旬のタラと長芋を使ったグラタンをご紹介します。
キーワードは「気」と「腎」。
「気」には様々な働きがありますが、その中にはからだを温める作用、風邪などに対するバリア機能、血などを動かす(巡らせる)作用などがあります。気が足りないとこれらの働きを十分に担うことができません。また、寒い時期はからだに余分な力が入り、気を消耗しがちです。そのため寒さが本番となる前に、今の時期からしっかりと気を補っておくことが大切です。
また、冬は寒いこともあって汗をあまりかかず、水分代謝のほとんどを腎(排尿)に頼ることになるため、酷使される腎を傷めやすい時期。腎は成長や発育、老化に関わるところなのですが、もともと冷えに弱いこともあって、傷めると腰痛や頻尿、その他エイジングが加速することに。そうならないためにも腎のケアが必要です。
今回のメイン食材であるタラは、気血を補い、腎にも良い食材。そして長芋は、気と潤いを補い、腎をケアします。長芋のほかには、生クリームやチーズも潤い対策に効果的です。
空気が冷えてくると、熱々のオーブン料理は気持ちまでほっこりと温まります。食材そのものが温め効果があるわけではないので、ぜひ熱々の焼き立てを召し上がってください。
【11月のからだケアレシピ】タラと長芋のグラタン
材料(2人分)
・タラ(すき身)……2切れ
・酒……大さじ1
・山芋……300g
【A】
・生クリーム……大さじ2
・塩……2つまみ
・こしょう……少々
・にんにく(すりおろし)……少々
【B】
・パルミジャーノチーズ(すりおろし)……大さじ4
・パン粉(細かいもの)……大さじ2
・ドライタイム……小さじ1/2
・エクストラバージンオリーブオイル……小さじ1
作り方
1. オーブンを200℃に予熱する。タラは塩少々(分量外)をふり、酒とともにフライパンに入れて火にかける。ふたをして沸いたら火を弱め、3分程蒸して(途中水分が足りないようなら湯大さじ1を足す)、適当な大きさにほぐす。骨があれば取り除く。
2. 長芋マッシュを作る。長芋は皮をむいて1~2cm角に切り、耐熱容器に入れてラップをかけ、600Wの電子レンジですっと串が通るくらいまで加熱する(6分程)。水分をキッチンペーパーでおさえてから熱いうちにマッシュし、Aを加えて混ぜ合わせる。(山芋によって水分が少なければ、お好みで生クリームを足す)
3. 2に1のタラを加えて軽く混ぜ合わせ、耐熱皿に入れる。
4. Bをボウルに入れ、ダマにならないようよく混ぜ合わせて3の上に広げ、予熱したオーブン(またはオーブントースター)できれいな焦げ目がつくまで焼く(10分程)。
1. 長芋マッシュに味付け
2. レンチンしたタラを混ぜる
3. タイムを混ぜたパルミジャーノ+パン粉をかけて焼く
という具材にほぼ火が入ったレシピなので、オーブンやオーブントースターがない場合、タラを混ぜた後冷めていれば、軽くレンチンしてからグリルで焼き色をつけても。オーブンと電子レンジが一体型の場合は、必ずタラの加熱が終わってからオーブンの予熱を始めてくださいね。
また、にんにくのすりおろしの量はお好みですが、私はいつも小指の先ほどの量にとどめています。
そのほかのポイントとしてはBを混ぜ合わせる際、オリーブオイルがダマになりやすいので、手でダマをつぶすように指先ですり合わせながら混ぜると、焼いたときに均一に焼き色がつきます。
温め食材は使っていないレシピなので、寒さが厳しくなってきたら、温めスパイスのナツメグを加えるのも良いですし、コショウを多めに使うのもおすすめです。
冷えに敏感になりましょう。
今回の内容にプラスしてお伝えしたいこと。
これから徐々に寒くなってくると、気づかずにからだが冷えて風邪をひいてしまうことがあります。風邪をひくほどではなくても、冷えは気血の巡りにも影響します。気血が滞ることによる不調もでてくるので注意が必要です。
自分では気づかないレベルの風邪のひき始めには、気温が低くなくても冷えを感じ、自分でからだを温めることができない場合もあります。ゾクッと来た時にすぐに対処できるよう、カイロをバッグに忍ばせておいてもよいですね。私はそういった体調の時には、左右の肩甲骨の間にカイロを貼ります。「この時期からカイロ?」と思うかもしれませんが、もうこの時期なら熱いとは思わないものです。熱くなってしまったら、さっと外せばよいのでおすすめですよ。