
akikoさんの「 #おにぎりならべ 」とは?
akikoさんが「 #おにぎりならべ 」を作り始めたきっかけは、2年ほど前にスキレットで焼きおにぎりを作ろうとしたときのこと。なるべく一度にたくさん焼くため、おにぎりを円状にみっちり並べたところ、その光景があまりにもかわいくて興奮してしまったのだとか。
もともと器が好きだったakikoさんはそれ以来、器にもおにぎりをぐるりと並べるようになり、「 #おにぎりならべ 」というハッシュタグが誕生しました。
「 #おにぎりならべ 」の特徴はおにぎりを円状に並べることだけで、個数や具材、味付けなどに決まりはありません。でも、akikoさんの手にかかると、「おにぎりってこんなカラフルになるんだ!」と驚かされます。まずはその一部を色別でご覧ください!
色別「#おにぎりならべ 」コレクション
春爛漫!桜色
淡いピンク色がかわいらしくて、春らしさ満点! なんだか見ているだけでウキウキしてきませんか?
おにぎりは赤飯むすび、桜ごはんと花蓮根、紅しそ塩むすびの3種類。桜ごはんの上の花蓮根も繊細な華やかさがあって素敵ですね。
なんだかんだ一番おいしい!茶色
この魅力的な茶色を作っているのは、長崎名物の島原納豆や牛蒡とお揚げの炊き込みごはんなど。akikoさんも「色味は地味だけども、間違いなしでおいしいやつ。茶色のおむすび……なんだか無限に作れそう」と太鼓判。
茶色のおかずが入った「茶弁」がおいしいように、おにぎりも茶色は鉄板のようです!
作りやすさも魅力の緑色
チンゲン菜などの色鮮やかな緑がとっても爽やか!
akikoさんいわく、茶色とこちらの緑色はとても作りやすいそう。その理由を「食材やごはんのお供など、茶色と緑色のものはたくさんあるので」と教えてくれました。
最初に挑戦するなら、茶色か緑色が良いかもしれません。
挑戦しがいあり!紫色
逆に作るのが難しかったのが、こちらの紫色。
「普段、紫色の食材をあまり買わないんです。この時はたまたまタコと(食用菊の)もって菊があったのですが、紫色はこの1回しか作っていません」とakikoさん。
紫色のおにぎりはたしかに新鮮で、タコの足やピンクペッパーがいいアクセントになっていますね。
元気をもらえる黄色
たっぷり入ったとうもろこしは、濃厚な甘さと香りが魅力のフルーツコーン。そのとうもろこしを使った2品に加え、「ナンプラー炒り卵と沢庵」もくせになる味わいなのだとか。
黄色は有彩色の中で一番明るい色だけに、見ているだけで元気をもらえそう。食べたら元気100倍になること間違いなしです。
白と黒も並べれば新鮮!
普段、見慣れているはずの白と黒のおにぎりも、こんなふうに並べてみると新鮮! 具材には山口県周防大島(すおうおおしま)の名産のひじきやいりこなどが使われています。
こういうシンプルなおにぎりが無性に食べたくなる時ってありますよね!
「 #おにぎりならべ 」の3つのギモンに答えます
色とりどりの「 #おにぎりならべ 」はどんなふうに作られているのでしょうか? akikoさんにおにぎりの握り方や具材の選び方など、3つのギモンに答えていただきました。作る際の参考にしてみてくださいね!
ギモン1:どうやって握っているの?
型は使わず、手で握っています。
型で形をきれいにそろえたおにぎりも素敵だなぁと思うのですが、ひとの手でしか出せない味があるような気がして。と、いうのが半分。もう半分は、型を使うたびに洗うのが億劫だなぁと面倒くさがっているだけです(笑)。
特別なコツはありません。少し熱いぐらいの温かいごはんだと、きれいな形に握れる気がします。
あとは、おにぎりの大きさがそろうように、まな板の上に何となくごはんが長方形になるように広げてから分割しています。これは、炊きたてのごはんを適温に冷ますためでもあります。まな板ではなく、ボウルや飯台を使っても良いと思います。
握るときは、手にはあまり力をいれずに、ぽんぽん弾ませる感じで回転させながら4〜6回握ってできあがりです。
ギモン2:具材はどうやって選んでいるの?
その時々で、家にあるものを選んで作っています。
忙しい時でも、ひょいと片手で食べられるのがおにぎりの良いところ。さらにタンパク質もお野菜もいっぺんに摂れたら言うことなしだな~と思い、お魚やお肉と野菜を混ぜ込んだり、のっけたりするようになりました。これも、楽したい〜という面倒くさがりな性分からですね(笑)。
例えば、王道の鮭も、その時々で旬のお野菜と組み合わせると、彩り・食感・香りの幅が広がります。
春には、芹や根みつば、バターと黒胡椒ちょい足しでアスパラなんかもおいしそう。夏はさっぱり胡瓜の塩もみ、秋はきのこ、冬はほっくりユリ根バターと組み合わせるのもいいなぁ……といった感じでしょうか。
ギモン3:おにぎりをきれいに並べるコツは?
3種類なら、おにぎりの色がグラデーションになるように作って、対角線上に同じおにぎりを並べるときれいです。
3種類のうち、ひとつは海苔などでごはんを覆うか、もしくは炊き込み系。もうひとつは混ぜ込み系、そしてもうひとつはのっけ系にします。そうするとごはんの白の割合がちょうどよくグラデーションになり、対角線上に同じおにぎりを並べた時にきれいです。
また、1種類のおにぎりをぐるりと並べるとどーんと迫力があって、2種類のおにぎりだったら、交互に並べるとコントラストがパキッとして楽しいと思います。
おにぎりは、少し間隔を開けて並べてからちょいちょいっと内側へずらせば、ぴたっときれいに並べられますよ。
akikoさんのお気に入り3選
ここからは、akikoさんお気に入りの「 #おにぎりならべ 」を3つご紹介。
「今思い出しても我ながらおいしいおにぎりだったなぁと思うのと、器とおにぎりの組み合わせがとても気持ちよくピタっと決まりました」とakikoさん。
おにぎりはもちろん、器の使い方にも注目です!
【1】春が旬の紅菜苔で
中国揚子江中流地帯が原産といわれる二年草・紅菜苔(こうさいたい)。旬は冬から春ですが、市場に出回るのはほんのひと時。akikoさんは近所のスーパーでたまたま見つけ、うれしくなっておにぎりにしてみたそう。
菜の花によく似た紅菜苔は、おにぎりにすると見た目が上品。鎚器銅器職人・大橋保隆さんによる重厚感のある器にもぴったりです。
【2】心躍る春色
あさりや菜花、タケノコ、桜など春の食材がたっぷり! 見ているだけで心が躍ります。
🌾春のおむすび🌾
・鯛めしおむすび、蓮根と桜でおめかし
レンチンお冷やご飯にほぐした鯛の干物と白胡麻たっぷり。
蓮根は薄くスライスして少し酢を加えたお湯でさっと茹で。
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・あさりの炊き込みおむすびに菜花
といだお米とあさりの剥き身、お塩すこし、お酒とほんのちょこっと薄口醤油とお水を合わせて通常の水分量になるように加えて炊き込み。
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・菜花の葉と少し甘い炒り卵のおむすびに筍
レンチンお冷ごはんに炒り卵とさっと茹でて刻んだ菜花の葉と軸をまぜまぜ。
筍は水煮のものをお出汁と薄口醤油でさっと煮。
ほろ苦いのとほんのり甘いののやさしいお味です。
若芽色の丸いふちどりのあるお皿も春らしくてかわいいですね。
【3】秋の味覚をたっぷりと
きのこにさつまいも、人参、ひじきの炊き込みごはんをおにぎりに。1種類でも具だくさんの炊き込みごはんにすると食べ応えがあります。
器は井上茂さんによる彫り三島。赤く焼けた色合いが茶色のおにぎりにマッチしていて、よりおいしそうに見えますね!
おにぎりを作って並べてみよう!
最後に、akikoさんにとっておにぎりとは何かと聞いてみたところ、「表現する楽しさに気づかせてくれる存在であり、お腹とこころを支えてくれる戦友みたいな存在です」との答えが。さらに、次のように話してくれました。
「子どもの頃から、おにぎりにまつわる思い出はたくさんあります。お母さんがおやつに作ってくれた味噌むすびや、お父さんの少ししょっぱい塩むすび、小学校3年生の時の担任の先生の大きな塩むすび。遊びに行くたびにおばあちゃんが作ってくれた焼きたらこのおにぎりなど。どれも、じんわりとうれしかったり、つらい時にふんばれたり。私が支えられてきたように、誰かの思い出に残るおにぎりが作れたらこれ以上うれしいことはないなと思いながら、日々、おにぎりを作っています」
おにぎりはお腹だけでなく、こころも満たしてくれるごちそう。「 #おにぎりならべ 」には、akikoさんのおにぎりへの愛と食べてくれる人への愛がギュッと詰まっています。
時間がない時やきれいな形に握る自信がない方は、「ライスボールメーカー」などの便利グッズを使うのも手。あなたも誰かの思い出に残るおにぎりを作ってみませんか?