秋は乾燥対策とメンタルケアが大切!不足しがちな潤いを補う養生レシピ

徐々に暑さも和らぎ、秋が深まってくる9月。だんだんと日が短くなり、空気も乾燥し始めるこの季節は、からだに不調を感じやすい時期。しっかりとケアして過ごしたいということで、『おいしい漢方365』の著者で漢方アドバイザーの久保奈穂実先生に、秋の乾燥対策におすすめの養生レシピを教えていただきました。

秋の養生

昼が次第に短くなって夜が長くなっていく秋の季節は、陽の気より陰の気が増えてきます。

さらに空気が乾燥し始めるので、乾燥による不調が増え始めるほか、気温も下がってきて寒さを感じるようになることでメンタルの不調も起きがちに。
なんとなくもの悲しくなったり、落ち込みやすくなったりしていませんか?

秋の養生で心掛けてほしいのは、乾燥対策とメンタルケア。

冬に向けて、しっかりとからだを整えてケアすることが大切です。

乾燥対策におすすめの養生レシピ

乾燥するからといって、単純に水分を補えばいいというわけでもないというのが難しいところ。

潤い食材を積極的に摂ることで、からだの内側からしっかりとケアしていきましょう。

※どのレシピも、分量は適量でもおいしく作れるレシピになっています。

初秋の乾燥に「梨とれんこんのハニーレモンマリネ」

薬膳的には、夏の暑さが残る秋の前半を「温燥(おんそう)」、冬の寒気が訪れる秋の後半を「涼燥(りょうそう)」と呼び、養生法を分けて考えます。

台風や秋雨前線で「湿」の影響を受けやすい9月は、体感的には「温湿」という感じなので、ベタベタしないものでさらりと潤いを補いましょう。

そんなときにおすすめなのが、「梨とれんこんのハニーレモンマリネ」です。

梨もれんこんも体の余分な熱を取り除きつつ、体を潤します。さっぱり味で、みずみずしく、シャキシャキ食感も楽しい!

肌のカサカサやコロコロ便の便秘などにも効果的です。

作り方

1. 梨とれんこんを食べやすい大きさに切ってボウルに入れる。

2. 1にはちみつ、スライスレモン、オリーブオイルを加え和える。

3. 器に盛り、あればディルをのせる。好みでディルはたくさんのせてもOK。

空咳に「梨ラッシー」

エアコンや秋の乾燥で喉がイガイガしたり、空咳が出てしまうというときには「梨ラッシー」で潤いをチャージしましょう。

肺を潤したいときには、白い食材を摂ると◎。ヨーグルトも梨も白い潤い食材です。

梨の水分でさらりと飲めて、時々シャリシャリするのがまたおいしいですよ!

作り方

梨半分とヨーグルト100g、お好みではちみつとレモン果汁を入れてミキサーにかけたら完成。

秋の乾燥には水分よりも潤い食材を

秋になって急に乾燥が進むと、口やのどの乾燥、空咳が気になって、ついつい水分を多くとってしまいがちですよね。

でも、この手の乾燥は水分をとっても改善されません。

一瞬潤っても、すぐに乾いてまた水を飲んで……これを繰り返していると、とりすぎた水分が体内に停滞してむくみ、重だるさの原因になってしまいます。

こんなときには、豆腐やフルーツ、みずみずしい野菜などの潤い食材で体を内側から潤すことが大切。そうすると、口やのどの渇きが改善されていきます。

はちみつ養生

薬膳ではちみつは、肺を潤す、咳を止める、腸を潤して便秘を改善する、皮膚を潤す、解毒、疲労回復とさまざまな効能があるとされています。

乾燥による不調が気になる場合は、甘味を砂糖ではなくはちみつに代えてみましょう。気持ちを落ち着かせる効果もあるので、ほっとリラックスしたいときにとるのもおすすめです。(ただし、舌苔べったりで体が重だるい人は控えましょう)

メンタルケアには安神食材を

急に肌寒くなって日が落ちるのが早くなる秋は、なんだかセンチメンタルな気分になりますよね。中医学でも秋は「悲」という感情と関わりが深いとされるので、秋に悲しくなるのはある意味仕方ないもの。

気分が落ち込んだり悲しくなってきたときには、精神を安定させる「安神(あんじん)」の食材をとりましょう。悲しいのは季節がそうさせているだけなので、上手に養生レシピを取り入れながら、メンタルもケアしてあげてくださいね。

安神食材
玄米・小麦・アーモンド・ちんげん菜・いわし・ゆり根・牡蠣・紅茶・ワイン など

記事監修・レシピ考案:国際中医薬膳管理師 久保奈穂実

国際中医薬膳管理師。漢方アドバイザー。成城漢方たまりで年間約2000人の漢方相談・薬膳講師を行う。女子美術大学造形科卒業。芸能・音楽活動を行い、ハードな生活で身体のバランスを崩す。漢方薬に助けられた経験から興味を持ち、イスクラ中医薬研修塾にて中医学を学ぶ。SNS にて発信するやさしい養生知識や、カンタン薬膳レシピが大人気。総フォロワー約9万人。

Twitter|@naominkubo

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