低利用魚とは?
低利用魚とは、食べられるのにあまり市場に出回らない魚のことです。
漁獲量が少なかったり、傷みやすく運びにくかったり、毒のあるトゲがあったり、サイズが小さすぎたり、傷がついていたり...そんな理由で市場にはなかなか出ない魚たちです。
低利用魚は値段を下げて販売されたり、肥料などに使われることもありますが、残念ながら捨てられてしまうことも。ほとんど利用されない魚は「未利用魚」と呼ばれることもあります。
低利用魚・未利用魚の環境を守ろう
低利用魚や未利用魚を食べることは、海の資源をムダにしないことにつながります。市場に出にくい魚を大切に食べることで、漁師さんや魚を届けてくれる人たちの仕事や暮らしも支えられます。
食べることが、環境と人を守る小さな一歩になります。
低利用魚をおいしく食べよう♪
今回のワークショップでは、ABCスタイルの先生たちが、低利用魚のおいしい食べ方を紹介しました。料理したのは、普段あまり見かけないニギスやアカエイ、そしてヒラメです。
ヒラメはよく食べられている魚ですが、網で漁をするとヨコエビに内臓などを食べられてしまい、売り物にならなくなることもあります。
そんな背景も知ったうえで、子どもたちは魚をさばいて料理する楽しさとともに、「食べることの大切さ」を体験しました。
ふんわりおいしい!ニギスのつみれ汁
小さくて細いニギスですが、実はキスの仲間じゃなく、進化の歴史が古い「ニギス目」の魚なんです。
フードプロセッサーでニギスをすり身にして、丸めて団子に。出汁の中でコトコト煮ると、ふんわりやさしい味わいのつみれ汁ができあがりました。
参加した子どもたちからは「水ギョーザのあんみたい。初めて食べる感じ。きれいに丸められてよかったです」という感想も。
初めての味にワクワクしながら、自分で作った楽しさも味わえたようです。
コリコリ食感が楽しい!アカエイのからあげ
小さく切ったアカエイを、みんなでからあげにして調理しました。
揚げたてを食べた子どもたちは「フワフワしていて、骨はコリコリ!エイってこんなにおいしいんだ」と大興奮! 普段はあまり食べない魚でも、自分で作るとぐっとおいしく感じられますね。
ふんわり香ばしい!ヒラメの和風ムニエル
ヒラメを食べやすいサイズに切り、粉をふって焼いて「和風ムニエル」にしました。
分厚いヒラメの身に挑戦した探究隊のメンバーからは「皮はかためだけど、身はやわらかく、意外と力を入れずに切れました」と笑顔で教えてくれました。
自分で切って焼いたヒラメは、やわらかい身とほどよい皮の食感が楽しく、新しいおいしさを発見できる体験になりました。
食べられる魚は限られいてる。だからこそ感謝を忘れず楽しもう!
日本で見られる魚は約4,500種類。でも、店頭や家庭で目にするのは、そのうち20~30種類くらいと言われています。
低利用魚は漁獲量が少なかったり、季節や地域が限られていたりするので、いつでも手に入るわけではありません。いつでも食べられることが当たり前ではないんですよね。
実際に先生に教わりながら魚をさばき、調理を体験した子どもたちに、さかなクンは笑顔で語りかけました。
「日本にはいろいろな魚がいて、姿や形もさまざま。小骨が多くて食べるのにひと工夫が必要な魚もいるけれど、どの魚も平等で、それぞれに魅力とおいしさがあるんだよ!」
普段、魚を食べることが当たり前になっている私たちに、「魚への感謝の気持ち」を伝えてくれました。そして、体験を通して、食の大切さや海の恵みを感じる時間となりました。
低利用魚をみんなで
いろいろな魚を食べることで、今「低利用」と呼ばれている魚も、もっとみんなに親しまれる魚になります。日本では、都道府県ごとにその季節の旬の魚を「プライドフィッシュ」として紹介していて、なんと全部で298種類!
さらに毎月3日~7日は「さかなの日」として、魚を楽しむイベントも開催されています。
環境にやさしい漁法で獲れた魚を選ぶことは、海の豊かさを守るSDGsの第一歩です。
「おいしくて地球にも優しい」魚の食べ方、あなたも今日から試してみませんか?