年末年始に向けて胃腸をいたわる!今から始める胃腸の養生レシピ

なにかとイベントが多く、外食や飲み会が続いて胃腸も大忙しになる年末年始。楽しく穏やかに乗り切るためにも、しっかりと養生のポイントをおさえて胃腸をケアしておきたいところですよね。そこで今回は、『おいしい漢方365』の著者で漢方アドバイザーの久保奈穂実先生に、年末年始シーズンに向けた胃腸の養生レシピを教えていただきました。

年末年始に向けて胃腸をととのえよう

クリスマスに大晦日、お正月……と、おいしいものを食べる機会が多い年末年始のシーズンは、胃腸にも大きな負担がかかり、不調を感じる方も多いですよね。

食べすぎや飲みすぎに気を付けるというのはもちろんですが、外食や飲み会が続いてもしっかりと楽しめるように今から胃腸の調子をととのえておくことも大切。

そこで今回は、胃腸の養生における5つのコツをご紹介するとともに、毎日の食卓に取り入れたい胃腸ケアの養生レシピをご紹介します。

<胃腸の養生のコツ>

・冷たいものの飲食を控える
・よく噛む
・脂っこいものは控えめに
・腹八分目
・クヨクヨ思い悩まない

穏やかな年末年始を迎えるためにも、今からしっかりと養生しましょうね。

胃腸ケアの養生レシピ

では早速、胃腸の養生におすすめのレシピをご紹介します。

どのレシピも、分量は適量でもおいしく作れるレシピになっていますので、ぜひ気軽に毎日の食卓にとり入れてみてみてくださいね。

お疲れ胃腸に「かぶの 赤じそふりかけ漬け」

胃腸に負担がかかりやすい年末年始は、食卓に大根やかぶなど、消化を助ける常備菜を一品置いておくだけで養生できます。大根は涼性、かぶは温性なので、冷えが気になるときはかぶを選びましょう。

おすすめは「かぶの赤じそふりかけ漬け」。

しそは色によって若干効能が違います。赤じそは温める力が強く、かぶと合わせるとポカポカの温めコンビに。食べすぎや消化不良のときには、これを食べるとスッキリしますよ。

作り方

1. かぶをくし切りにし、葉も刻んで一緒に軽く塩もみする。数分おくとかぶから水が出るので絞る。

2. ボウルに1と赤じそふりかけを加えて和え、密閉容器に保存。味がなじんだら完成。

しっかりと味付けしたいなら、叩いた梅を一緒に和えてもおいしいですよ。

胃の疲れに「砂肝大根」

胃腸がお疲れ気味の日にぴったりなのが「砂肝大根」。

砂肝の内側の膜は「鶏内金(けいないきん)」という消化を助ける生薬でもあります。大根にも消化を助け、胃腸を整える効果があり、しょうがも胃腸を温めて元気にしてくれます。

作り方

1. 砂肝(筋なし)をサッと下ゆでする。

2. 鍋に油を熱し、千切りのしょうがと砂肝を炒める。

3. 乱切りした大根を加え、少し炒めたら材料が浸るくらいの水を加える。

4. 酒と醤油(1:1)、みりん少々を入れて煮る。大根に味が染みたら完成。

ほっこりポカポカ「スパイシーチャイ風甘酒」

「寒い寒い」と思わず言ってしまうような日は「スパイシーチャイ風甘酒」で温まりましょう。

美容にも健康にもいい甘酒と、胃腸を温めるスパイスの組み合わせで、お腹の中からポカポカになる幸せドリンク。スイーツを食べているような気分になるので、甘い物欲が抑えられないときにもおすすめですよ。

作り方

1. 小鍋に甘酒200CCを入れ、火にかける。

2. シナモンスティック1本と、あれば八角2個、クローブ2個を入れ、弱火でコトコト。2〜3分して香りが立ったら完成。スパイシーチャイ風甘酒
※レンチンでもOK

八角、クローブは香りが強いのでお好みで調整を。
この分量だとしっかりめに香ります。

お粥は最強の養生食

お粥は胃腸薬にたとえられるほどの養生食。
「粥有十利(しょうゆうじり)」と言って、10もの効果があるとされているんです。

<お粥の効果>
1. 肌の色ツヤをよくする
2. 気力を増す
3. 寿命を延ばす
4. 食べ過ぎを防ぐ
5. 頭が冴え、言葉を滑らかにする
6. 胸やけを防ぐ
7. 風邪を防ぐ
8. 飢えを満たす
9. のどの渇きを潤す
10. 便通をよくする

薬膳では、お粥は米と水の割合で役割が変わるとされています。体調に合わせて作り分けてみてください。

体調に合わせたお粥の割合

・ 胃腸が健康な状態で、元気を補いたい場合は五分粥(米1:水5)。卵粥がおすすめ。

・ 少し胃腸が疲れ気味のときは七分粥(米1:水7)。山いも粥がおすすめ。

・ 食べ過ぎで消化不良のときは十分粥(米1:水10)。大根やかぶのお粥がおすすめ。

二日酔いにはお味噌汁

忘年会での二日酔いがつらかったら、朝食はお味噌汁にしましょう。

味噌は弱った胃腸を元気にして、お酒を解毒してくれます。二日酔いからくる倦怠感やむくみの解消にも効果的。ムカムカして気持ちが悪いときは、おろししょうがを入れましょう。

二日酔いでも、お味噌汁がおいしく感じるなら、体が欲している証拠です。

胃腸をととのえて、楽しい年末年始を。

胃腸の元気が足りないと、疲れやすくなったり、余分な湿を排出できずむくみや重だるさの原因になったりします。

楽しい年末年始を過ごすためにも、今からしっかりと胃腸の調子をととのえましょう。

記事監修・レシピ考案:国際中医薬膳管理師 久保奈穂実

国際中医薬膳管理師。漢方アドバイザー。成城漢方たまりで年間約2000人の漢方相談・薬膳講師を行う。女子美術大学造形科卒業。芸能・音楽活動を行い、ハードな生活で身体のバランスを崩す。漢方薬に助けられた経験から興味を持ち、イスクラ中医薬研修塾にて中医学を学ぶ。SNS にて発信するやさしい養生知識や、カンタン薬膳レシピが大人気。総フォロワー約9万人。

X(旧Twitter)|@naominkubo

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