
Tesshiさんに聞く!ごちそうおにぎりの作り方

写真/難波雄史
華やかな行楽弁当を作りたいけど、たくさんのおかずを作るのは大変。
そんなときにおすすめなのがInstagramのフォロワー数38万人を誇るTesshiさん(@tmytsm)考案の「ごちそうおにぎり」です。
おかずとごはんが一体となっているから、食べ応えがあって見栄えもばっちり!
お箸を使わずに手軽に食べられるのも魅力です。
Tesshiさんの最新著書『ごちそうおにぎりとまんぷくスープ 』(扶桑社)では、がっつりボリューミーなものからあっさり食べられるものまで、おにぎりとスープのレシピがたくさん紹介されています。
そこで今回は、行楽弁当におすすめのごちそうおにぎり&まんぷくスープをTesshiさんに伺いました!
まず押さえておきたい!おにぎり作りの基本

▲塩おにぎり(P74掲載)
――おにぎりはシンプルがゆえに、ごはんの炊き方や握り方によって仕上がりに違いが出ますよね。Tesshiさんはどうしていますか?
ごはんは硬めに炊いた方が良いとかあると思うのですが、我が家は朝も昼も夜も同じごはんを食べるので、そんなに気にせず、普通に炊いています。でも、どちらかというと硬めかもしれません。
ごはんは土鍋で炊いているのですが、こだわりというよりも、ただ単に炊飯器を置く場所がないからです(笑)。なので、炊飯器で炊いてもいいし、冷やごはんをレンチンして使ってもいいと思います。
ただ、熱々のごはんを握るよりも、少し冷めてから握った方が、ちょっとエアリーな感じに仕上がるような気がします。
ごはんの量はごはん茶碗多めの1杯分(180~200g)で、小さめサイズ3個を作るのが基本です。
――おにぎりって握るだけなのですが、ふっくらとおいしく握るのは意外と難しいもの。上手に握るコツはありますか?
本当に適当なんですけど(笑)、力を入れ過ぎないようにっていうのは意識しています。やっぱり、食べたときにほわっとほどける感じが理想なので、それをイメージしながら握っています。
具材が多いと、どうしてもくずれやすいんですけどね……。夫のお弁当用に作るおにぎりは、のりを巻いてからアルミホイルで包んでいます。
くずれるのが心配な方は、食べる直前まで包んでおいても良いと思います。
――ごちそうおにぎりはバリエーションが豊富ですが、具材はどんなふうに選んでいますか?

▲から揚げとクリチ―の酢飯おにぎり(P34掲載)
具材は、そのとき家にあるものや目についたものを入れているのですが、ハンバーグや生ハム、クリームチーズなどを入れるようになったのは、回転寿司がきっかけです。
回転寿司を見ていると、いろいろなものが流れてきて面白いじゃないですか。具材のヒントは全部そこからいただいています(笑)。
から揚げ&クリチ―などちょっと攻めた具材のときは、ごはんを酢飯にするとまとまります。酢飯にしたらわりとなんでもいけますよ(笑)。
がっつりも、あっさりも!毎日使える101レシピ

▲しらす入り炒り卵の酢飯おにぎり(P79掲載)
――最新著書『ごちそうおにぎりとまんぷくスープ 』では、具だくさんおにぎりとスープのレシピが101も紹介されています。行楽弁当に持っていくならどれがおすすめですか?
私は炒り卵が大好きなので、ゴリ推しは「しらす入り炒り卵の酢飯おにぎり」です。炒り卵はマヨネーズを少し入れてふわっと仕上げています。味付けは回転寿司の玉子をイメージして少し甘め。酢飯だと傷みにくいので、お弁当にもいいですよね。
傷みにくいという面では、梅干しもいいかも。「梅干し天かす青じそでおにぎり」は個人的に一番の推しです。
天かすはコク増しになるので、なんか物足りないなっていうときにもよく入れます。ちょっとめんつゆと絡めればさらにおいしいですよ。
――えびフライが大胆に飛び出した「えびフライと甘いおかかおにぎり」も遊び心があっていいですね。お弁当箱を開けた瞬間、みんなが笑顔になりそう!

▲えびフライと甘いおかかおにぎり(P46掲載)
愛知県民なので名古屋城の天守閣をイメージして、おにぎりの真ん中に市販品のえびフライを突き刺してみました。
実はこのおにぎり、お弁当屋さんで売られているような「のり弁」をイメージしているんです。お弁当屋さんの「のり弁」って、ごはんの上に甘いおかかがのっていて、のりがしいてあって、揚げ物がのっていますよね。そう、あのかたちを三角のおにぎりしただけです(笑)。
――なるほど(笑)。まだ肌寒い日もあると思うのでスープも一緒に持って行きたいのですが、おすすめはありますか?
私の推しはミルクスープなのですが、そこはもう好みや気分で選んでいただければ。レシピ本では、洋風、和風、アジア風の3種類のスープを紹介しています。
スープって結局、旨味がないとおいしくないので、私の場合は、顆粒和風だしやコンソメなどのスープの素を使います。ただ、「とうもろこしスープ」は、とうもろこしの芯が良い出汁になりました! これはぜひ、夏になったら作っていただきたいです。
あと、お湯を注ぐだけで作れる「ちくチーの洋風スープ」も意外と良いですよ。ちくわから出る旨味やプロセスチーズがくにゃっとなる感じがおいしいです。

▲ちくチーの洋風スープ(P21掲載)
――「ちくチーの洋風スープ」は、「同じ具材でおにぎりとスープどっちも!」というページに掲載されていて、「ちくチーのマヨしょうゆおにぎり」と一緒に紹介されているんですよね。ほかにも世界のおにぎり特集があるなど、内容もりだくさんですね。
ありがとうございます。食べ物ほど好みの分かれるものはないので、まんべんなく取り入れてみました。
今回、カメラマンさんが男性だったんですけど、焼きさばのおにぎりを絶賛してくださったんです。でも、若い人にはきっと、そこまで焼きさばは響かないだろうなと(笑)。
長男の友達は「ブロッコリーのスープ」をよく作ってくれているそうで、ブロッコリーは若い人にも人気だなと思いました。
いろいろなアイデアを詰め込んだので、老若男女、幅広い世代の方に見てもらえたらうれしいです。
掲載されているレシピを2品ご紹介!
本誌の中から、今回のインタビューに登場した「梅干し天かす青じそでおにぎり」と、「ブロッコリーのスープ」のレシピをご紹介します。ぜひ作ってみてくださいね。
梅干し天かす青じそでおにぎり

材料(小さめのおにぎり3個分)
・ごはん……茶碗多めの1杯分
・梅干し……2~3個
・天かす……大さじ2
・めんつゆ(4倍濃縮)……大さじ1/2~1
・青じそ……3枚
・白炒りごま……大さじ1
・のり……3枚
・白炒りごま、白すりごま(仕上げ用)……各適量
作り方
1. 梅干しは種を除いて小さく切る(仕上げ用に一部取り分ける)。天かすはめんつゆで和える。青じそは手で叩いて香りを出し、小さく切る。
2. ごはん、1、白ごまをざっくり混ぜる。ラップに1/3量ずつのせて三角形ににぎり、のりを巻き、仕上げ用の梅干しをのせ、仕上げ用の白ごまをふる。
ブロッコリーのスープ

材料(2人分)
・ブロッコリー……1/2株
・玉ねぎ……1/2個
・じゃがいも……2個(200g)
・オリーブオイル……大さじ1~
【A】
・水……200ml
・固形コンソメ……1個
・牛乳……200ml
・バター……大さじ1/2
・塩、こしょう……各少々
・オリーブオイル(仕上げ用)、トースト(お好みで)……各適量
作り方
1. ブロッコリーは粗みじん切りにする。玉ねぎは薄切りにする。じゃがいもは2cm角に切る。
2. 鍋にオリーブオイルを入れて中火で熱し、玉ねぎを炒める。しんなりしたらブロッコリー、じゃがいもを加えて炒め、油が全体になじんだらAを加える。煮立ったらふたをして弱火でじゃがいもがやわらかくなるまで煮る。
3. 火を止めて仕上げ用のブロッコリーを一部取り分ける。マッシャーなどで具材をつぶし、なめらかになったら牛乳を加える。中火にかけ、煮立つ直前でバターを加え、火を止める。塩、こしょうで味を調えて器に盛り、仕上げ用のオリーブオイルをひと回しして仕上げ用のブロッコリー、トーストを添える。
ポイント
煮立ったら弱火にし、ふたをして煮ると、具材の火の通りが早くなります。
おにぎり&スープは忙しい日にも大活躍!
「ごちそうおにぎり」が誕生したきっかけは、当時大学受験生だった息子さんの「食べる時間がないから、おにぎりだけでいい」というリクエストから。
どんなに忙しくて時間がないときでも、ごちそうおにぎりなら、作るのも食べるのもラクチンです。
具だくさんな「まんぷくスープ」も、その一皿でお腹大満足!
ごちそうおにぎりと一緒に味わうほか、パンを添えるだけでもいいですよね。スープジャーに入れれば、熱々のスープを外で楽しむこともできますよ。
毎日の朝ごはんやお昼ごはん、そしてお弁当にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

Tesshiさんプロフィール

愛知県岡崎市在住。Instagramに投稿するボリューミーで迫力満点の「#ごちそうおにぎり」やスープ、パスタなどが話題を呼び、国内外から注目を集める。本業は保育士。著者に『主役は、ごちそうおにぎり つまみにポテサラ、シメのホットサンド』、『とびきりおいしい家パスタ 食べたら疲れが吹き飛ぶよ!』(いずれもKADOKAWA)などがある。