新連載『やさしい薬膳ごはん』はじまります!
はじめまして。
料理家・国際中医薬膳師の齋藤菜々子(@nanako.yakuzen)です。
私は大学卒業後に一般企業に就職し、忙しい毎日を送る中で日々の食事が心と体の調子を整えてくれることを実感し、料理の道へ。
料理家アシスタントとして経験を積みながら、日本中医食養学会・日本中医学院で中医学を学び、国際中医薬膳師の資格を取得しました。
「今日からできるおうち薬膳」をモットーに、身近な食材だけで作れる、毎日の食卓に取り入れやすいレシピを提案しています。
こちらの連載『やさしい薬膳ごはん』では、身近な食材を使っておうちで手軽に実践できる薬膳レシピを紹介していきます。食べることの楽しさや、心地よい暮らしにつながるヒントをお届けできたらうれしいです。どうぞお付き合いくださいね!
湿気の時季にぴったりな薬膳ごはん
記念すべき第1回目は、きたる梅雨にむけ、ぐったり重くなりやすい湿気の時季を軽やかに過ごすためのおかずをご紹介します。
5月のはじめに立夏を迎え、気温もぐんぐんと上がり始めました。これからやってくる梅雨は湿気と暑さのタブルパンチ。梅雨には食欲が落ちてしまうという方も多いのではないでしょうか。
薬膳の考えの基礎である中医学(中国伝統医学)では、余分な湿気は消化や栄養運搬をする臓の「脾(ひ)」の負担になると言われています。
水を吸ったタオルがぐっと重くなるように、水が溜まった体は重くなるもの。栄養を全身に運ぶときも、湿気がのることで栄養運搬が一苦労。それにより脾が疲れ、食欲も落ちてきてしまうのです。
なんだか重だるい、食欲がない、そんなふうに感じるときは、ぜひこのおかずを食べてみてください。水分代謝を助けるなすをたっぷり使い、みょうが、青じその薬味が食欲を助けます。酢をきかせているのでさっぱり食べられますよ。
豚肉となす、薬味の甘酢炒め
材料(2人分)
・豚こま切れ肉……150g
・なす……3本
・みょうが……3個
・青じそ……2〜3枚
・酒……小さじ2
・片栗粉……小さじ2
【A】
・しょうゆ……大さじ1と1/3
・酢、みりん、砂糖……各大さじ1
・サラダ油……大さじ1、小さじ1
作り方
1. なすはへたを落として4つ割りにし、長さをななめ半分に切る。みょうがは4つ割り、青じそは手で小さくちぎる。Aは合わせて混ぜておく。豚肉は酒、片栗粉の順にまぶす。
2. フライパンにサラダ油大さじ1をひろげ、なすの皮目を下にして並べる。中火にかけてふたをして3分、返してさらに2分加熱し、一度取り出す。
3. 2のフライパンにサラダ油小さじ1を中火で熱し、豚肉を炒める。豚肉の色が変わったらみょうが、2のなす、Aを回し入れ、照りがでるまで炒め合わせる。器に盛り、青じそを散らす。
調理のポイント
⚫︎なすは蒸し焼きにすることで少ない油でもジューシーに仕上がります。とろとろのなすは崩れやすいので、豚肉を炒める前には一度取り出しましょう。
⚫︎なすは火をつける前に並べることで、慌てずにすみ加熱ムラが防げます。
⚫︎豚肉は酒をまぶすことで臭みを抑え、ほぐれやすくなります。その後の片栗粉が表面をコーティングし、硬くなりやすいこま切れ肉もやわらかく仕上がり、調味料がよく絡みます。
薬膳のポイント
なす
水分代謝を助け、余分な湿気を排出。むくみや重だるさ、食欲不振に。消化の要である「脾」を強める。
みょうが、青じそ
豊かな香りで気(エネルギーの源)の巡りを助ける。食欲不振やイライラに。
豚肉
気を補う。疲労感ややる気が出にくいときに。
“おうち薬膳”でやさしく体を整えよう
湿気や暑さで、なんとなく体が重だるい。食欲がわかない。そんな不調を感じやすい梅雨時季は、毎日の食事でやさしく体を整えてあげることが大切です。
今回ご紹介した、なす、みょうが、青じそは、じめじめした季節にぴったりの食材。香りや酸味を上手に取り入れることで、食欲が落ちやすい時季でもさっぱりおいしく食べられます。さらに、豚肉を合わせることで、疲れた体をいたわりながら満足感もしっかり!
薬膳というと難しく感じるかもしれませんが、旬の食材をおいしく食べることも立派な“おうち薬膳”です。
これからの連載では、季節の不調に寄り添いながら、身近な食材で気軽に作れる薬膳レシピをご紹介していきます。ぜひ楽しみにしていてくださいね。
それでは、また次回お会いしましょう!