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初心者でも料理を楽しめるコツとは?/栗原心平さんインタビュー・前編

「#おうちごはんはじめ」企画第5弾はプロの料理家さんへのインタビュー。今回は人気料理番組『男子ごはん』でもおなじみの栗原心平さんにお話を伺いました。1児のパパでもあり経営者でもある栗原さんに、初心者でも料理を楽しむコツなどを教えていただきました。インタビューの前編、ぜひご覧ください。

2017年1月より、おうちごはん編集部では「#おうちごはんはじめ」をキーワードに、いつもの“おうちごはん”がちょっとしたきっかけでもっと楽しく・美味しくなるような、食卓の提案をしてまいりました。

「#おうちごはんはじめ」とは?

ワークショップやオリジナル宅配キットのプレゼントキャンペーンなどを実施してきましたが、今回はおうちごはん初!プロの料理家さんへのインタビューをお届けします。
お話を伺ったのは、料理家・栗原はるみさんの長男であり、テレビ東京の人気料理番組『男子ごはん』に出演中の栗原心平さん。
前編では、栗原さんの日々の食卓のことや家族のために料理する際に心がけていることについてお聞きしました。

会社経営に携わりながら料理家の道へ

――はじめまして。今日はよろしくお願いします。まずはじめに栗原さんが料理家になられたきっかけを教えてください。

栗原心平さん(以下、栗原):僕が学生の頃、母が自宅で仕事をしていて、当時母と仕事をしていた出版関係の方に「よかったら夕飯食べていきませんか?」と僕が食事を作って振る舞っていたことがありました。大学を卒業してからは母の会社で働いていたのですが、ある日、昔のことを記憶されていたある会社の編集長に「ちょっと料理の仕事をしてみない?」と声をかけていただいたのがきっかけで料理の仕事を始めました。23歳くらいの時のことです。

――会社の経営にも携わりながら、料理家としてもスタートされたのですね。

栗原:そうですね。最初は連載からスタートして、スポットで料理の仕事をやるようになりました。自分が料理家になるとは思っていませんでしたね。なるつもりもなかったんですけど(笑)。

――でもちゃんと今でも続けられています(笑)。現在は料理番組『男子ごはん』にも出演されていて、おうちごはん編集部でも見ているメンバーが多いんですよ。普段は、ご自宅ではどんなごはんを作られているのでしょうか?

栗原:割と普通ですよ。スーパーで食材を見て、できるだけ旬の食材を使って作りたいと思っているくらいです。山菜が出てきたら天ぷらにしたり、脂がのった鯖が手に入ったら鯖の味噌煮にしたり。子どもにも「今の季節はこういうものがとれるんだ」ということが伝わりますしね。

――普段は、家でも栗原さんがメインでごはんを作られるのでしょうか?

栗原:僕が家にいるときは確実に僕がキッチンに立っています。平日の夜は買い物して帰ってきて作りますし、休日は家にいたら間違いなく僕ですね。

――毎日の家族のごはん作りも栗原さんが担当されているということですが、心がけていらっしゃることは何でしょうか?

栗原:まだ子どもが小さいので辛さには気を使っています。あとは全体のバランスをよく、ですね。カレーがメインであってもサラダを必ず添えるというように、何かひとつで終わらないようにしています。メインの主菜があったら、必ずそれに合わせてバランスよく食べられる野菜の副菜を添える、という考え方をしています。

シンプルな味付けパターンとストックおかずで毎日をラクに乗り切る

――「一汁三菜」を意識されているのでしょうか?

栗原:一汁三菜どころか、半端じゃないおかずの量なんです。とにかくおかずが多いんです(笑)。最近ちょっと残すので減らし始めましたけど、多いと主菜と副菜合わせて7~8品あるんじゃないですかね。

――それは多いですね!7~8品も一気に作るのでしょうか?作り置きをされているとか。

栗原:常備菜みたいなものもあったりするので、そういうものは必ず出すんですけど、それ以外はなんとなく食べたいものを合わせていったら、あるときそれだけ増えていた、という感じですかね。
僕は夜にお酒を飲むので、おつまみも兼ねて副菜が多くなってしまうというのもありますね。

↑お酒もお好きだという栗原さん。ごはんのお供にも、おつまみにもぴったりなおかずがついつい増えてしまうそう。

――多い品数を作るコツはあるのでしょうか?

栗原:でもうち、ちょっと異常ですからね(笑)。普段は2~3品が多いですが、うちの社員の家の話とか聞いていると、1品で済ませちゃっているご家庭も多いみたいです。
ただきっと、子どもも感じると思うんですよね、「今日手抜きしたな」って。好きな食材だったら喜んで食べるんでしょうけど、僕はあんまりそういう気持ちにさせたくないというのがあります。

でも、わざわざそのために都度買いに行って作ることはないので食材は冷蔵庫にあるものが前提になる。そこで例えば、野菜だったら塩もみしてお醤油とお酢ぐらいで漬けておくとか、ショウガとゴマ油で和えるとか、そういう単純なパターンを何パターンか覚えておくと一品はすぐできますよね。
あと、お味噌汁や汁物にして、“いつでも食べれるものにしておく”っていうのも一つ手だと思います。うちは冷蔵庫の掃除も兼ねて定期的にお味噌汁作ったりするので、結構具沢山になるんです。汁物なんですけど、もはや煮物レベル。そうすると、食べながらちょっとお酒も飲めますしね。

――汁物というと、個人的に豚汁はたまりません。

栗原:そうです、そういうノリです。
汁物でもおかずでも、ストックを用意しておくといいと思うんです。どうしても忙しくて時間的に間に合わないから本当に簡単に済ませちゃうこともあると思います。簡単に済ますことは悪いことではなく、子どもに「手抜き」と感じさせなければいいわけなので、それこそ冷凍庫に肉みそやハンバーグのタネが入っていたりすれば気分もラクになります。

冷凍ストックしたおかずは、うちではお弁当にも使うので普段のおかずと兼用で使っています。忙しい日の夕食に奥さんが使ったり、その3日後にお弁当にも使ったり。ちゃんと消化していくので冷凍焼けすることもないですよ。

――ストックしておくおかずは、あえて多めの量で作っておくのでしょうか?

栗原:いえ、そんなことはないですよ。ハンバーグなら普通にひき肉200gぐらいで作りますね。子ども用のお弁当箱ってそんなに大きくないのでお弁当の具で入れるとしても小さめで大丈夫。小さめのハンバーグを8~9個作って一部を冷凍しておく、という感じです。

――通常の2~3倍の分量にして大量生産しておく、というわけではないのですね。

栗原:ないですね。そうすると大量生産する日を作らなきゃいけなくなって、それをわざわざ作るために気合を入れてやらなきゃいけないじゃないですか。ひき肉600gって結構多いですし......。
大量生産を考えず、ついでに作っておこう、というものが何パターンかあるといいですよね。

料理初心者の人におすすめの料理は?

――料理を始めたいんだけど何から始めればいいかわからない、という人におすすめの料理はありますか?

栗原:本当は食べたいものをチャレンジするのが一番いいのですが、きっかけがないと難しいのかもしれませんね。料理初心者の人に毎回おすすめしている料理は「餃子」ですね。特に男性におすすめです。失敗しても「何が悪かったか」がすごくわかりやすくて、次に活かしやすいんですよね。

例えば、餃子の中のタネがおいしくなかったら、中のタネの何がいけなかったのか?野菜の水出しをしてなかったら水っぽくなるので、そこに原因があるってすぐわかるんですよね。皮が開いてしまったら、どうやって包むんだろう、みたいなこととか。
包むのが苦手だったら、パタンと半分にたたんでもいいですし、肉がそのつなぎ目に溢れてしまったとしても、そのまま焼けるじゃないですか。だから餃子はすごくチャレンジしやすいと思いますよ。

――たしかに、餃子は中のタネに使う具材だったり包み方だったり、アレンジも自在ですし、次につなげやすいですね。
餃子というと、昨年はインスタグラムで「薔薇餃子」が話題になっていました。栗原さんもインスタグラムを使われていますが、インスタグラム飯をご覧になってどのように感じていらっしゃいますか?

栗原:キャラ弁みたいなものとか、しつらえがきっちりしている感じのものが多くて、本当にすごいですよね。自分にはできないなと思います。あと、一回作っちゃうともうそれじゃないといけないような気がして……(笑)。

――期待されちゃう。

栗原:危険なメニューかもしれません(笑)。料理人の方も結構インスタグラムに投稿されていますが、みなさん撮影のことまで考えて作られていて、思考がプロだなと思いますね。

栗原:先日、それこそテレビ番組の中で出た話ですが、パプリカがものすごい売れ始めたんですよね。インスタグラムの影響らしいです。生で食べられる赤色や黄色の食材はなかなかない。トマトかパプリカ……あとちょっとパッと出てこないですよね。

――パプリカは加熱しても色が変わらず鮮やかですし、生でも食べられてとても使いやすいですよね。

栗原:そうなんですよね。流通にも影響出ていて、さらに彩りのことを普段の料理で考えるということはとてもいいことだと思います。

あの形が意外に使える!既成概念にとらわれずに「鉢」を使おう

――料理の見た目というと、彩りに加えて盛り付けもポイントになってくると思います。初心者にもマネしやすい盛り付けのコツやおすすめの器はありますか?

栗原:盛り付けは料理によって全部変わってくるので難しいところですが、器でいうと「鉢」を色んな料理で使ってみてもいいんじゃないかなと思います。
平鉢や小鉢など、鉢がないご自宅って、今すごく多いんだそうです。置き場に困るし、使い道があまりないと思われるそうです。

――鉢は煮物を盛り付ける器というイメージです。正直なところ、おばあちゃんが作ってくれた煮物が入っている印象が強いです……。

栗原:それをいろんなバリエーションで使うといいと思うんですよね。ポテトサラダを盛り付けてもいいし、サラダやパスタだっていいわけです。既成概念にとらわれずに食器を使いこなすのが、盛りつけのモチベーションになると言ったらちょっとおかしいかもしれないけれど(笑)。
よい素材を持っているのに、チャレンジしないで盛りつけの幅を狭めてるってことは結構ある気がしますね。

――なるほど、既成概念にとらわれずに手持ちの器でいつもと違うものを盛り付けてみると新たな発見がありそうですね!

前編では、栗原さんの普段の食卓の様子から、毎日のごはん作りを乗り切るヒントを教えていただきました。
後編では、お弁当に関するお悩みについて質問してきました!また、栗原さんの新刊についてもたっぷりご紹介します。
ぜひお楽しみに!

栗原心平さん プロフィール

1978年生まれ。料理家・栗原はるみの長男。(株)ゆとりの空間の代表取締役専務として会社の経営に携わる一方、幼い頃から得意だった料理の腕を活かし、料理家としても活躍。全国各地のおいしい料理やお酒をヒントに、ごはんのおかずやおつまみにもなるレシピを提案している。2012年8月より料理番組『男子ごはん』(テレビ東京系列)にレギュラー出演中。

栗原心平ホームページ(ゆとりの空間オフィシャルサイト)
栗原心平 公式インスタグラム(@shimpei_kurihara)
インタビュー おうちごはんはじめ 料理家 栗原心平
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