
汗で失った水分とエネルギーをチャージして!
梅雨寒から一転、各地で猛暑になっていますが、熱中症、夏バテ対策は万全ですか?
中医学では、汗をかくと水分だけでなく気(エネルギー)も一緒に流れ出てしまうと考えるので、夏バテ対策には水分補給とともに気を補うことが必要です。また最近では、冷房による冷えで体調を崩すひとも多く、こちらも深刻ではありますが、基本はやはり暑さを冷ますものを摂って、冷たいものの飲みすぎなどで弱った胃腸をケアすることが大切です。
そこで今回は必要な働きを満たし、さらに暑い日にも火を使わずに済むレシピをご紹介します。
夏野菜にはからだの熱を冷まし水分を補給するものが多いのですが、今回はその一つ、トマトを使います。旬のトマトは味も濃くて本当においしいですよね。私はミニトマトを除いて、この時期しかトマトは買いません。トマトは水分補給、熱さまし、胃腸ケアの働きがあって、この時期の万能野菜です。また暑さによるイライラにもおすすめです。

マグロは気や血を補い、温め食材でもあるので、生で食べてもそれほどからだを冷やしません。
サブ食材の赤タマネギ、みょうが、パクチーもすべて温め食材。大量に使っているわけではありませんが、レシピ全体としてからだを冷やしすぎることを防ぎます。梅雨時にお話しましたが、みょうがやパクチーは蒸し暑い日本の夏の湿度対策にも良い食材なので、いわゆる薬味といわれる食材をぜひうまく取り入れてください。
ちなみにパクチーが苦手な方は大葉や万能ネギに変えても、同じ効果でおいしくいただけます。

さて、ここで少し冷房による冷えで体調を崩している方へのお話。
室内で冷えても外に出ると酷暑なので、食材としては基本の養生と同じ食材が必要です。そこでやっていただきたいのが、調理法を工夫すること。カラダを冷やすキュウリやトマト、なすなどは、「温かい料理に仕上げる」「お汁が多めの仕上げやスープ仕立てにする」「薬味といわれるものやスパイスを活用する」などの工夫を。特に今回のレシピではご紹介しませんでしたが、私はこの時期生姜やカレー粉を様々な料理に取り入れます。巡りをよくし、温め効果や胃腸ケアにもよいのでオススメです。
また、夏は暑さで心拍数もあがり、「心」を傷めがちです。寝苦しいのは熱帯夜のせいだけではなく、「心」を傷めてしまうことによる不眠かも。そんなときには、小麦、ココナッツ、カカオ、黄ニラなどが良いといわれています。そして室内、外気温との温度差で自律神経を失調している場合には「肝」をケアしたいので、「肝」に良いトマト、ししとう、ピーマン、パプリカなどの夏野菜を食べるようにしましょう。
参考までに、文中でご紹介したもの以外には枝豆、オクラ、ゴーヤ、ズッキーニ、冬瓜、もやし、梅、スイカ、パイナップル、レモン、いわし、豚肉、牛肉、豆腐、ヨーグルトなどが、夏に必要な効能を複数併せ持つ食材です。
【8月のからだケアレシピ】トマトとマグロのポキ風サラダ

材料(2人分)
・トマト……中1個
・マグロ(赤身)……100g
・赤タマネギ……1/8個
・みょうが……1個
・パクチー……1株
【A】
・柚子胡椒……小さじ1/2
・きび砂糖……小さじ1
・米酢……大さじ1
・しょうゆ……大さじ1
・太白ごま油……大さじ1
・白いりごま……小さじ1


作り方
1. トマトは小さめ一口大の乱切り、マグロはトマトと同じくらいの大きさに切る。赤タマネギはスライスし、みょうがはスライスして水にさらし、ペーパーでしっかりと水分をきる。パクチーはざく切りにし、飾り用に少し分けておく。
2. ドレッシングを作る。ボウルにAを入れてよく混ぜ合わせる。

3. 1を2のドレッシングで和えて器に盛り、飾り用のパクチーを添える。

今回は、火を使わないサラダレシピとしてご紹介しましたが、さっと素麺を茹でて、素麺の上にかけるぶっかけスタイルにして食べてもおいしいですよ!
夏を制する者は冬を制す!
漢方では、冬の養生のために夏のうちからカラダを整え始めるので、夏の養生次第で冬の寒さを元気にのりきることができると言われています。日焼け後のお肌の回復(ターンオーバー)にも関わるんですよ。
食欲が落ちがちなシーズンではありますが、この時期こそしっかりとバランスよい食事を心がけましょう!