
山菜の魅力は独特の苦味にあり!
山菜とは、山野に自生し、食用できる植物の総称。前出のタラの芽、わらび、ぜんまいのほかに、ふきのとう、山うど、よもぎ、のびる、こごみなどがあります。
野生植物である山菜はアクや苦味があるので、食べる前に下処理をします。それでもほのかに苦味が残りますが、それが滋味深さとなって、山菜ならではの魅力となっています。
では、タラの芽、わらび、ぜんまいの下処理の仕方やおいしい食べ方を見ていきましょう。
タラの芽
「山菜の王様」とも呼ばれる、タラの芽。風味が良くて旨味があり、苦味が少ないのが特徴です。収穫時期は3~4月初旬ごろ。
下処理は、はかま(根元の固い皮)をはがして汚れを洗い落とし、根元の固い部分を包丁でむきます。塩を加えた熱湯に入れ、数分間茹でたらすぐ冷水にとり、しばらく水にさらしておけば完了です。
タラの芽といえば天ぷらが定番。油との相性がいいので、炒め物やパスタもおすすめです。
ごま和え
天ぷらもいいけれど、タラの芽のおいしさをシンプルに堪能するなら、ごま和えはいかが?
タラの芽のほろ苦さとごまの香ばしさが相性抜群で、下処理をしたタラの芽にごまや調味料を和えるだけでできてしまう手軽さも魅力です。
ごまは、@yufknrさんのように白ごまを使うほか、黒ごまでも。副菜におつまみ、お弁当のおかずにと、大活躍してくれること請け合いです!
タラの芽と新じゃがのパルミジャーノ風味
タラの芽に新じゃがを合わせた「タラの芽と新じゃがのパルミジャーノ風味」。旬ならではのおいしさが詰まったこちらのお料理は、@miyuzou0102さんが、@panier_plus_cさん主宰のハーブと野菜の料理教室で作った一品です。
「タラの芽は塩茹でした後に冷水にとって水気を良くふき、新じゃがは茹でた後に粉ふきいもにして水分をとばしてます。その後、塩こしょうとオリーブオイルでマリネして、パルミジャーノをおろしてたっぷりかけています」と@panier_plus_cさん。
タラの芽にチーズのコクがよく合って、ワインが進みそう。見た目もおしゃれで、春の日のおもてなしにぴったりです。
山菜アヒージョ
油と相性のいいタラの芽は、アヒージョにしてもおいしく味わえます。
横浜の料理教室「元町エムズキッチン」を主宰する@motomachimsさんは、タラの芽とふきのとうでアヒージョに。
風味豊かな山菜は、にんにくや唐辛子にも負けない存在感。アツアツのオイルをバゲットに浸したり、パスタに絡めたりして食べれば、最後の最後まで楽しめます。
わらび
柔らかな食感にほのかな甘みと苦味、独特のぬめりがあるわらび。
収穫時期は4~5月ごろです。アクが強いので、必ず、下処理をしてから調理します。
重曹と熱湯を入れた鍋にわらびを入れて一晩置き、水を捨てて、きれいな水に入れ替えます。水を交換しながら水にさらし、最後にきれいに洗えば下処理は完了です。
そのままきれいな水に半日ほど浸けておいても。重曹の代わりに木灰を使ってもアク抜きができます。
お浸しなどで食べられるほか、塩漬けにすれば保存食として重宝します。
お浸し
わらびのおいしさを最も手軽に味わえるのが、お浸し。アク抜きをしたわらびに醤油や麺つゆなどをかけて、鰹節をパラパラとすれば出来上がり。
わらびは最初に包丁の背でたたくことで、さらに柔らかくなってぬめりも増します。
@raidjapan_eguchiさんは、散歩道で摘んだわらびをお浸しに。自分の手で摘んだわらびで作ると、よりおいしく感じられそうですね。
ナムル
わらびが手に入ったら、ナムルも作りたいものの1つ。ごま油の香りと甘辛い味付けが食欲をそそります。
フードスタイリストとして活動する@ru46miさんは、ご実家から送ってもらったわらびをさまざまな調理法で。ナムルは、生にんにく、金ごま、粗塩、ごま油、少しだけ鶏がらスープの素を入れて味付け。
噛むととろっとして、ごはんもお酒も進むおいしさです。
おこわ
こちらも@ru46miさんの一品。わらびをタケノコ、干し海老などと一緒に炊き込んでおこわに。
もっちりとしたもち米にとろっとしたわらび、海老の旨味などが合わさってたまらないおいしさです。
炊き立てのアツアツはもちろん、冷めてもおいしいので、おにぎりやお弁当にもぴったり。お鍋でも炊飯器でも作れるので、お好みでどうぞ。
ぜんまい
繊維質が豊富で、コリコリとした食感が楽しい、ぜんまい。収穫時期は4~5月です。採取後すぐに水煮にするなど下処理をするため、生のままではあまり出回りません。
もし、生のぜんまいが手に入ったらわらびと同様に、重曹を入れた熱湯に入れて一晩置き、水洗いしてアク抜きをしましょう。
お浸し、和え物、煮物、ナムル、炒め物など、おいしい食べ方はいろいろです。
合いまぜ
大分県竹田市で料理教室「kawanoの台所」を主宰する@toko1040さん。
「合いまぜ」とは竹田市の郷土料理で、ぜんまいなどの山菜と干ししいたけ、切り干し大根などの乾物、さらに豆腐、砂糖、すりごまで甘く味付けた和え物のこと。昔も今も冠婚葬祭には欠かせないおもてなし料理です。
@toko1040さんは、乾物を戻して出汁で味を含ませながらゆっくり煮付け、すり鉢でごま、豆腐をすって丁寧に和えています。
丁寧に作ることで引き出された素材のおいしさを、じっくり味わいたいですね。
ぜんまいと厚揚げの炊いたん
ふっくらと炊きあがったぜんまいは、和食の定番。
@416478soさんの「ぜんまいと厚揚げの炊いたん」は、ぜんまいの食感と煮汁を含んだ厚揚げの旨味が堪能できる一品です。
こちらは、@416478soさんが子どものころに実家でよく登場した思い出のおかずなのだとか。大人になるとそのおいしさがよーく分かりますよね!
ぜんまい煮物丼
甘辛く煮たぜんまいは、ごはんにぴったり!
@yuriri51さんのように丼にすれば、思う存分楽しめます。真ん中に卵黄を落として小ねぎをのせ、仕上げに唐辛子をパラパラと。スプーンで混ぜながら食べれば、思わず手が止まらなくなりそう。
うどんにトッピングするほか、焼うどん風にしてもおいしいそうですよ。
3月31日は山菜の日!
3月31日は、山形県西村山郡西川町にある山菜料理の「出羽屋」が制定した「山菜の日」。
「さん(3)さ(3)い(1)」と読む語呂合わせに加え、3月の最終日であるこの日から「春ですよ」という合図も込められているのだとか。
待ちに待った春の訪れを感じながら、山菜料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。