
おうちでも作りやすい!東北6県の厳選郷土料理
はらこ飯(宮城県)
宮城県には鮭が産卵のために遡上する大小様々な河川があることから、漁獲量は全国でもトップクラスを誇るうえ、鮭の人工ふ化放流事業の歴史も長いことで知られています。
そんな宮城県で有名な鮭料理といえば「はらこ飯」です。
この地方ではいくらのことを、鮭の腹にいる子「腹子」と呼ぶことから、はらこ飯といって食べ親しまれるようになり、仙台に本拠地を置いた戦国大名・伊達政宗公にも献上されたといわれています。
鮭の身を甘辛く煮付け、その煮汁で炊いたご飯と共に丼にしたはらこ飯は、鮭を贅沢に味わえる親子丼。天然の鮭が多く水揚げされる宮城県の各漁港近辺では、様々なはらこ飯を楽しむことができます。
そんなはらこ飯に欠かせない鮭は、これから冬にかけてが旬! 生筋子が手に入りやすくなるため、いくらを仕込む方も増える時期です。
全国的に出回る旬の秋鮭を使って、ぜひおうちではらこ飯を作ってみてはいかがでしょうか。
材料
・鮭……2切れ
・生姜……2片
・米……2合
【A】
・白だし……大さじ5
・醤油……大さじ1
・みりん……大さじ1
・鮭……大さじ1
・水……300cc
作り方
1. 生鮭2尾を、それぞれ三等分に切る。
2. アルミホイルの上に並べて、皮がパリっとなるまでオーブンで焼く。
3. 生姜を千切りする。
4. 炊飯器に、お米と調味料・生姜・塩昆布を加え軽く混ぜたあと、焼いた鮭をのせてご飯を炊く。
5. 炊きあがったご飯に、イクラと三つ葉をのせたら完成です!
ジャジャ麺(岩手県)
わんこそばや盛岡冷麺に並び、岩手3大麺として名高いのが「盛岡ジャジャ麺」。
盛岡ジャジャ麺の元祖とされる「白龍(パイロン)本店」の初代店主が、戦前住んでいた旧満州の郷土料理「炸醤麺(ジャージャー麺)」に、アレンジを加えて提供したものが口コミで広まり、盛岡を代表するグルメとして知られるようになったのがルーツだそう。
ひき肉をベースに作る肉味噌を、コシのある平打ち麺に合わせるのが盛岡ジャジャ麺の基本。そこにきゅうりやゆで卵など、お好みの具をトッピングして豪快に混ぜていただきます。
本場で食べてみたいけどなかなか行けない! という方は、通販でのお取り寄せや、おうちで楽しめるレシピもたくさんあるので、ぜひ活用されてみてくださいね。
いかにんじん(福島県)

福島県の郷土料理でぜひ作っていただきたいのが「いかにんじん」ですね。
物流がまだ未発達だった時代、横に広い福島県の山間部では新鮮な魚介類を手にいれるのが困難だったため、保存の効く乾物の「するめ」と細切りにしたにんじんを醤油だれに漬けて作るいかにんじんは保存食として重宝したといわれています。
日本酒との相性が抜群で、県内では今でも、特にお正月やお祭りに欠かせない郷土料理として各家庭で食べ継がれています。
我が家のいかにんじんレシピを過去の『おうちごはん』でご紹介していますので、おいしいにんじんが手に入ったらぜひお試しください!
円盤餃子(福島県)
福島の食文化において欠かせないのが福島市を中心に食べ親しまれている「円盤餃子」ではないでしょうか。
戦前、満州鉄道の技師だった夫と生活していた菅野氏という女性が、終戦によって引き揚げた福島市で円盤餃子の屋台を始めたのがきっかけで広まったといわれています。
現在市内には、多くの円盤餃子店があり様々な餃子が提供されています。
皮にこだわるお店も多く、専用のタレや生のにんにくと共に食べるのが定番なんですよ。
時間に余裕がある時は、ぜひ自家製の皮にチャレンジしていただくと、福島の円盤餃子にグッと近づきます!
芋煮(山形県)
これから気温が下がる時期にぜひ食べていただきたいのが、山形名物の「芋煮」です。
芋煮に欠かせない里芋の名産地として知られる小塩集落。この近くは1600年代、最上川舟運の終点だったので、運ばれてきた荷物の引取がおこなわれていました。
この時代は通信手段がなく、荷物の引き渡しにかなりの時間を要したため、船頭達が退屈をしのぐために河原で鍋を囲んで宴を開いていたのだそう。そこで食べられていた鍋が芋煮のルーツとされています。
地域によって様々な芋煮が存在していますが、山形で主流の芋煮は、牛肉を使った醤油ベース。里芋の収穫期となる秋から冬に食べられている郷土料理です。
ちなみに同じ県内でも、日本海側の庄内地域や宮城県の仙台芋煮では、豚肉を使った味噌仕立ての芋煮が定番なんだそうですよ。福島県民の筆者が食べ親しんでいる芋煮も、後者です。
いぶりがっこ(秋田県)
秋田県を代表する食べ物といえば「いぶりがっこ」。秋田弁で漬物を「がっこ」、燻製を「いぶり」と呼ぶことから名がついたのだそうです。
一般的に漬物用の大根は外に干してじっくりと乾燥させますが、雪深い秋田県ではそれが難しいため、囲炉裏などの煙で燻してから米ぬか等に漬けることで保存性を高めました。
ひと癖あるいぶりがっこは、チーズとの相性が抜群!
クリームチーズと和えれば最高のおつまみになりますし、ポテトサラダに加えるとポリポリとした食感と燻製の香りがアクセントになっていつもと違った味わいで楽しめます。
せんべい汁(青森県)
東北最北端の青森県では、200年以上も前から「せんべい汁」という料理が食べ継がれています。
冷害によって稲作が困難だった青森県南部地方では、米の代わりになる麦や蕎麦を煎餅(南部煎餅)にして、肉や野菜と煮て食べて食糧不足を補っていたのだそう。
使う煎餅は煮込んでも溶けにくいため、最後まで美味しく食べられるよう工夫されていて、過去のB−1グランプリでゴールドグランプリを受賞したこともあるんですよ!
せんべい汁に欠かせない南部煎餅は通販でも買えますので、寄せ鍋などに加えてみてもいいかもしれませんね。
おうちで東北気分を味わってみて♪
ネットなどの普及で、全国の美味しい情報が知ることができて、わざわざ足を運ばなくても、おうちで全国の郷土料理が食べられるなんて、便利な時代になりましたねぇ。(もちろん、本場で食べるのに越したことはないのですが……。)
この記事を読んだくださったみなさんに、少しでも東北の美味しさを知っていただけたらうれしいです。