出典 : @switch08413

ビールのプロに聞く「おうちクラフトビール」を最高に楽しむ方法/前編

最近良く耳にする「クラフトビール」。クラフトビールを始めてみたいけど何から手をつけたらいいのかわからない方が多いのではないでしょうか?今回は東京都・下北沢のビール通の集う店「BeerBar うしとら」のビールのプロにクラフトビールを楽しむ"いろは"をお聞きしました。今年の夏はおうちクラフトビールを始めてみませんか?

クラフトビールのプロにクラフトビールのいろはを聞いてみた

「クラフトビール」とは、「手造り」とか「手工芸品」という意の「クラフト」(Craft)とビール(Beer)をあわせた言葉で、欧米など海外では小規模醸造者の造るビールを表わす呼び方として定着しています。

出典:地ビールのはなし

最近良く耳にする「クラフトビール」。海外の銘柄はもちろん、日本でも300近いブルワリーが存在し、日本各地で様々なクラフトビールが楽しめる時代になりました。しかしながら、色んな種類があるとどれに手をつけていいか悩んでしまいますよね。

そこで、今回は東京・下北沢にあるビール通が集まる店「BeerBar うしとら」の店長・友成弘延(ともなりひろのぶ)さんに、クラフトビールを楽しむいろはを教えていただきました。この夏クラフトビールを楽しみたい方、必見です!

自分好みのクラフトビールの見つけ方を知りたい

――はじめまして。今日はよろしくお願いします。さっそく質問なんですが、最近スーパーでもクラフトビールが色んな種類あってどれに手を出していいか分からない、そういう時に自分好みのクラフトビールを見つけるおすすめの方法はありますか?

友成弘延さん(以下、友成):見つけ方とすれば、とりあえず「新しいビールを飲んでみる」が良いんじゃないでしょうか?

――いつも飲んでいるビールとは違うビールを飲んでみるということですか?

友成:一人ひとり好きなものが変わってくるので、飲んでもらって「これ美味しんだよ」って言われても実はその方には合わない。「あまり得意じゃないなー」と思っても違う方には「これ美味しい」っていう風になるってことがあるんですよ、ってかそうなんですよ(笑)。
ビールに関心があるならば、新しいものとか置いてあるものは飲んでみるといいですよね。色々飲んでいく中で「あっ。これ自分に合う!」というビールが出てくるんです。

――自分好みのビールを1つ見つけたら、そこからスタイル(※1)とかブルワリー(※2)を調べていくわけですね。

友成:そうですね。なので見つけ方としてはとりあえず飲むのが1番かと思います。これに尽きますね(笑)。いろんなスタイルが表記されているので、大体のことはわかるけどもやっぱり味は飲まないとわからないですしね。

(※1)スタイル:ビールの種類のこと。発酵方式による分類や醸造方式による分類、色によって分類される場合もある。
(※2)ブルワリー:ビール醸造所のこと。

プロおすすめのビールを聞きました

市販のビールがあまり得意ではない方におすすめは?

――「クラフトビールをこれから始めたい」という方に、ぜひこれは飲んでほしいというおすすめのクラフトビールはありますか?例えば、お酒自体は苦手ではないんだけど市販のビールが苦手という方へのおすすめはありますか?

友成:市販のものが嫌、大手のビールが苦手な方は、理由としては2つあって、まず炭酸が苦手という方、もうひとつはビールの苦みが苦手という方。そういう方に僕が最初の初級編としておすすめするのはヤッホーブルーイングの「僕ビール、君ビール。」。

友成:これはローソンに行けば売っているビールなんですけども、「僕ビール、君ビール。」というカエルの白いパッケージのものと、期間限定の「僕ビール、君ビール。<続>よりみち」、両方ともおすすめです。これは苦みも少なめでしかも柑橘系のホップを使って、香りも良いですしすごく飲みやすいですよ。

――これは私も飲んだことがあります。とても飲みやすい印象を受けました!

友成:そうなんですよ。それでちょっとハードルが上がっていくと、超有名ビールなんですけども「ヒューガルデンホワイト」というもの。

これは成城石井さんなどのスーパーで売られています。コンビニでも売っているところがありますね。とりあえず飲んでみるとクラフトビールの入り口としてはいいのではないかなと思います。ここからクラフトビールに入門してきた方は数知れずなんでね。

――とりあえずクラフトビールの第一歩というものですよね。

友成:そうですね!そこで「おっ、いける」となったら、次にビアバーで飲めるもの。
ここまできたら初級じゃなくなってしまいますけど宮崎ひでじビールというブルワリーがあるんです。色々なスタイルのビールを全部作っているんですけども、中でもフルーツを使ったビールが得意で、僕らは本当にここのフルーツビールを評価しています。

――色んなフルーツビールがある中で、宮崎ひでじビールを推すポイントは何なんでしょう?

友成:その土地のもの使っていることと飲みやすさですね。ラガーで作ったり、エールで作ったりされているのですが、どれもバランスが良いんです。中でもやっぱり「日向夏ラガー」という商品が良いですね。うしとらでもよく入れています。

友成:あと、うしとらのビールなんですけど、大手の苦いビールが苦手の人向けのビールもあるんですよ。このインタビュー記事が公開された時に何があるか分からないんですけど、今の時期でいうと「MarobaWheat(マホロバウィート)」がおすすめですね。

普通のブルワリーは、ラガー(※3)とか、ペールエール(※4)とかを中心に4~5種類定番ビールが作っていて、定番にビールに加えて季節ごとに期間限定のビールが作るんですよ。でもうしとらブルワリーは定番がまったくなくて、毎週違うビールを作っているんです。

――常に新しいビールが味わえて面白いです。この一杯飲んだらおしまいという可能性もあるんですね。

友成:そうなんです。まさにクラフトビールの醍醐味でもある一期一会ですね。

(※3)ラガー:ビールのスタイルの一種で、大手会社のビールメーカ―はラガーを生産している。
(※4)ペールエール:ビールのスタイルの一種で、淡色(ペール)な上面発酵(エール)のビール。

ビールが大好き!もっといろいろビールを試してみたい方へのおすすめは?

――では逆に、ビールが大好きで、クラフトビールに興味が持ち始めた方に飲んでほしいクラフトビールを教えてください!

友成:珍しいビールで言うと「IPA(※5)」。ビールが好きになって興味が出てきたときに、すぐ手に入りやすいものでいうとヤッホーブルーイングの「インドの青鬼」。なんと200円台でクオリティの高くて美味しいIPAが飲めるんです。これはすごいことなんです。
クラフトビールの業界中でも断トツの人気なのがIPA。色々な意見もありますけど、IPAが圧倒的に好かれていますね。

(※5)IPA:ビールのスタイルの一種で、正式名称はインディア・ペール・エール。ドライで高めのアルコール度数を持っているビール。

――たしか「IPA」は爆発的な人気のクラフトビールブームの火付け役となったスタイルのビールですよね。

友成:そうですね。このブームを牽引したといっても過言ではないんじゃないでしょうか。
他には、ハイブリッド系というかけ合わせてあるビールも面白いですよ。例えば「IPA」と「フルーツ」がかけ合わさった「フルーツIPA」。あとは「ベルジャンIPA」とか「ブラックIPA」とか。これはIPAだけじゃなくていろんなスタイルとの掛け合わせがあるんで、このハイブリット系を飲んでみるとまた楽しめると思います。

ハイブリット系で手に入れやすい商品だと、黒いビールだったらノースコートというアメリカの会社の「オールドラスプーチン インペリアルスタウト」。

友成:IPAのなかで王道中の王道といわれているのは、ストーン社の「ルイネーションIPA」。

友成:酸味があってフルーツの香りがする、今クラフトビールの業界でも人気なのが「リリコイケポロ」というパッションフルーツをつかったビール。今あげた4種類を飲んでいただければ、ビールが飲み慣れている方でも「こんな面白いビールもあるんだ」と分かっていただけると思います。

クラフトビールは意外と近場にある!?

――入手が難しそうなイメージがあるのですが、クラフトビールはどういったところで手に入れやすいのでしょうか?

友成:クラフトビールが買える場所として「ローソン」や「ナチュラルローソン」。「ナチュラルローソン」だと幅が広がりますね。あとは「成城石井」。次に来るのは、東京だけでいうと百貨店。
僕がおすすめするのは「渋地下」です。まぁうしとらから近いってのもあるんですけどね(笑)。渋地下にはけっこうの種類のビールが置いてあるんですよ。ここに行けば、オールドラスプーチン インペリアルスタウトやルイネーションIPAも置いてありますよ

――コンビニでも手に入るんですね。意外と盲点でした。

友成:今あげたお店よりも色んな種類を手に入れたいならば、クラフトビールを専門に置いている酒屋さんかネットで買うかですね。専門の酒屋さんやネットならば今日紹介したビールはほとんど手に入りますよ。

前編では、自分好みのクラフトビールの見つけ方や、ビールのプロおすすめの手に入れやすくて特長のあるクラフトビールを伺いました。
後半では、クラフトビールをおうちで楽しむ方法や、ちょっと意外なクラフトビールアレンジや豆知識についてなどもご紹介いたします。お楽しみに!

今回お話をうかがったお店「Beer Bar うしとら」

東京都・下北沢で日本のクラフトビールを中心に壱号店&弐号店合わせて35種類の樽生ビールを提供しているビアバー。壱号店ではソファー席とカウンター席で日本で有数の「ハンドポンプ」で引きあげるビールを堪能することができ、弐号店ではスタンディング形式でどこか懐かしい雰囲気を味わいながらクラフトビールを堪能できる。2014年から栃木県下野市に「うしとらブルワリー」を立ち上げ、日本屈指のブルワーとともに「ビールを売る側」と「ビールを作る側」の2つの目線から、うしとらブランドのオリジナルのビールを醸造している。

beer bar うしとら(クラフトビール/下北沢)
ビアバー うしとら壱号店 / Facebook
ビアバーうしとら弐号店 / Facebook

おうちごはんでは「Beer Bar うしとら」を紹介したコラムもございます。ぜひそちらもチェックしてみてください。

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