
カモミールってどんな花?
カモミールは、春から初夏にかけてりんごのような甘い香りの白い花を咲かせるハーブ。大きく分けて、一年草のジャーマンカモミールと多年草のローマンカモミールの2種類があります。
ジャーマンカモミールの花はクセのない味なので、ハーブティーとして楽しまれています。ローマンカモミールもティーにできますが、少し苦みがあるので、花と葉を収穫して入浴剤などにするのがおすすめです。
こちらは京都府福知山市にある「Omotenashi Herb garden 」のカモミール。2024年は、すでに元日にはつぼみをつけていて、4月半ばにはこんなかわいらしい花を咲かせたそう。
カモミールを育てる場合、3~5月ごろなら店頭にポットに入ったカモミールの苗が並ぶので、それを買ってきて育てるのが一番手軽。ただ、種から育てるのもそんなに難しくないので、挑戦してみるのも良いかも!
ジャーマンカモミールもローマンカモミールも3〜4月ごろの春にかけて種まきや植え付けをし、6月ごろに開花します。
秋まきも可能で、夏の暑さが落ち着いた9〜10月ごろに種まきや植え付けができます。
特にローマンカモミールは秋まきした方が株が大きくなりやすく、花もたくさん咲くようになりますよ。
カモミールをおうちで育てるポイント
カモミールを育てるなら、日当たりと風通しの良い場所に植えるのがポイント。ただし、暑さと蒸れに弱いため、地植えにする場合は夏の直射日光が当たらない場所を選びましょう。
また、苗を植え付けるときには、密植しないよう、苗と苗の間を20〜30cmほど空けて植えるようにします。種を土に直まきしたときも、芽が出たら間引きして間隔を空けるようにしましょう。
肥料は苗を植え付ける際に、腐葉土や堆肥と一緒に緩効性肥料を少しすき込んであげると◎。それ以降は特に必要ありません。
水やりは、プランターなら土の表面が乾いたら底から流れ出すくらいたっぷりの水を株元に与えます。地植えなら苗を植えたときだけで、その後の水やりは不要です。
開花後、花びらが下に反ってきた、花の中央の黄色い部分が盛り上がってきたら、それが収穫時期のサイン。
収穫したら、水洗いをして、風通しのよい日陰で1週間ほど乾燥させます。摘んでいるときや洗ったときにもいい香りがふわ~り♪
保存する際は、シリカゲルなどの乾燥剤を入れた密閉できる容器を使用しましょう。
育てたカモミールをどう使おう
ハーブティーに
まずはハーブティーにして楽しんでみませんか?
ポットに乾燥させたカモミールの花とお湯を入れて蒸らしたら、カップに注いでいただきます。
カモミールティーは市販のティーパックなどでも手軽に味わえるけれど、自分で育てたカモミールで作るとおいしさもひとしお。ミルクを入れてミルクティーにするのもいいですね。
カモミールには高い鎮静作用があり、ストレスによる疲れや緊張をほぐしてくれます。リラックスしたいときや眠れない夜にもぜひどうぞ。
お菓子作りに
カモミールの香りはお菓子との相性も◎で、リラックスタイムにぴったり!
こんなふうにクグロフケーキにすれば見た目も香りも華やかで、素敵なティータイムが過ごせそうです。
そのほか、プリンを作るときにバニラビーンズの代わりに入れたり、クッキーを作るときに飾りに使ったりと、いろいろなアレンジが楽しめますよ。
ハーブチンキに
ハーブチンキとは、ドライハーブをウォッカやホワイトリカーなどの無臭蒸溜アルコール液に漬けてつくる濃縮液のこと。お湯や水では抽出できない成分もアルコールに溶け出すため、ハーブのチカラを効率よく取り入れることができます。
作り方は、消毒したガラス瓶にドライハーブとアルコールを入れて密閉し、冷暗所に2週間保管するだけ。その間、成分がしっかり抽出されるよう、1日に1~2回程度容器を振ります。最後に茶こしで濾し、保存容器に入れ替えれば完成です。
カモミールを漬けたカモミールチンキは、見た目もかわいらしくて、完成するまでの間も楽しめそう。
完成したカモミールチンキは薄めて飲むことはもちろん、お肌のお手入れなどにも使えますよ。
冷えが気になるときは、少し熱めのお湯を洗面器にはってハーブチンキを数滴垂らし、手浴や足湯を楽しんでみては。
石けんに
カモミールを使った石けんは、肌荒れを鎮め健康な肌へと導いてくれるほか、保湿効果も◎。自然な香りで、洗うたびにリラックスできちゃいます。
カモミールのほかにソープベースや精油があれば、おうちでも手作りできるんですよ。
こちらは、大阪市鶴見区の石けん教室「ユトリオ」の「カモミールとハチミツの石けん」。
おうちで作るのが不安な方は、こういった教室を利用してみるのも手です!
観賞以外にも楽しめる♪カモミール栽培にトライ
カモミールは比較的病気に強く、おうちでも栽培しやすいハーブとして知られています。
リラックス効果が高く、お茶やアロマテラピー、スキンケアなど、さまざまな用途で利用できるのも魅力。
咲いている姿も美しく、収穫したてのカモミールの新鮮な香りや味わいが楽しめるのは、育てた人のみの特権です。
ぜひ、カモミール栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。