出典 : @utosh

器を通じて大切な人と過ごす時間を考える。「SOROI」に込めた想いとは?

おうちごはんでも度々ご登場いただいている、人気インスタグラムユーザー植木俊裕(@utosh)さんが、このたび器をプロデュース。想いをたっぷりこめて創り上げた「SOROI」ブランドについて、植木さんに直接インタビューさせていただきました。制作にまつわるお話をたっぷりと伺いましたので、ぜひご覧ください。

器を通じて、大切な人と過ごす時間についてゆっくり考える

おうちごはんのLoversコラム「うちベジ」でもおなじみ、フードスタイリストの植木俊裕(@utosh)さんが、このたび器をプロデュース。イラストレーターとして活躍されている奥様の吹野かおりさんと一緒に、お二人で「SOROI」ブランドを作り上げました。

「SOROI」の器には、
「食事を食べるということ」
「人を思うということ」、
日々の暮らしの中で忘れてはいけない大切な想いが込められています。

SOROIが誕生するまでのエピソードや、お二人がブランドに込めた想いや考えについて、今回植木さんに直接お話を伺いました。

「器を作ってみたいという想い」はずっと持っていました。

SOROIプロデュースのきっかけ

そもそもどういったきっかけで、器をプロデュースすることになったのでしょうか。
きっかけは、日々に溶け込む食器、生活雑貨を制作し提案するCHIPS(チップス)さんとの出会いだったそうです。

「とある展示会に訪れた際、CHIPSさんとお話をする機会があったのですが、僕のことを以前から知っていてくださったんです。そこから半年に1回くらいお会いするようになって、今回声をかけていただきました。以前から自分の器を作ってみたいという想いはずっと持っていたので、それを形にできるチャンスということで嬉しかったですね」

Chips inc.

信頼できる窯元さんとの出会い

SOROIは、岐阜県美濃の窯元さんで作られています。器作りにおいて、信頼できる窯元さんと出会えるかどうかということがとても重要なんだそう。

「僕らが伝えたイメージにぴったりだという窯元さんを、CHIPSさんに紹介していただきました。僕はグラフィックデザインもやっているので、それを活かして自由にデザインしてみたらいいのではないかと嬉しい提案をいただいたんです。自分のデザイン案を出して、最終的にはプロであるCHIPSさんに決めてもらいましたが、それを形にできるかできないかは窯元が決めること。この窯じゃできないとなったら、別の窯を探さなきゃいけないんです」

取材の際、植木さんが器をいくつか持ってきてくださったのですが、1枚1枚風合いが違ったり、シリーズによっても質感やデザインが全く違いました。だからこそ、形にしたいと思ったデザインを実際に作れる窯元を探すということはとても重要なんですね。

「今回とてもありがたいことに、一緒に器を作ってみたいと思える窯元さんとご一緒させてもらうことができました。その窯元さんでできる質感を最大限に活かした形で、じゃあどういうデザインにしようかということで、デザインが完成しました」

窯元にも実際に足を運びました

今回の器をプロデュースするにあたり、植木さんとかおりさんも実際に何度も窯元を訪れたそう。

「今回は焼き物で有名な岐阜県美濃の窯元さんにお願いしたのですが、僕らも美濃に何度か足を運びました。美濃はとてもたくさんの窯元があり、規模が大きい窯から新人の作家さんがやっているような小さな窯まで色々な窯があるんです。だからこそ、自分が実現したいなと思えるデザインが決まっている僕のような場合には、色んな窯があってぴったりでした」

「SOROI」ブランドの誕生

今回植木さんが器をプロデュースするにあたり、違ったパターンの器を3種類ほど作りたいという話をしていたそうです。結果、「イラストを使った器」「色がある器」「植木さんが形にしたい器」というコンセプトでデザインした3つのシリーズが誕生しました。

「僕らが作るのであれば、洋食器でも和食器でもなく、他にはないものを作りたい。とてもアンニュイでわかりづらいイメージなんですが、そういう雰囲気感を出したいなと思って。シンプルで無機質だけど、ちょっと温かみがあるような雰囲気を意識しました」

男性でも女性でも使いたくなるデザインにというSOROIシリーズ。実物を見ると、植木さんが言葉で伝えてくださった雰囲気が形になっているのがとてもよくわかります。

「SOROI」というネーミングに込めた想い

SOROIというネーミングにも色々な意味が込められています。お話を聞けば聞くほど奥が深く、その想いとコンセプトに共感するばかり。

SOROIは、植木さんと奥様のかおりさんとの2人でデザインするということが決まっていたそう。イラストレーターであるかおりさんのイラストを使ってデザインしたいよねと話していたそうです。SOROIというネーミングには、2人で手掛けるという意味も込められているんですね。

「『一緒に食べる』ということを表現したくて、ピンとくる言葉を探していたんです。孤食という言葉がありますが、その逆の言葉ってなんだろうな、なにかうまいこと表現できないかなと。共食という言葉があるのですが、それだとなんだかしっくりこなくて。そんなときにふと、同じ料理を食べるのって『おそろい』だなって思ったんです。誰かと一緒に食べる『そろいごはん』にピンときました

一緒にごはんを食べるといっても、「2人」というのを強調したいわけではなく、誰かと一緒に食べるということを伝えたい。だからこそ、「おそろい」という言葉は今回のコンセプトにぴったりなんです。

「『ふたりごはん』って言っちゃうと、子どもができて3人になったときにはふたりごはんじゃなくなっちゃいますよね。子どもがいても、家族が何人でも、みんなで揃って食べようということを伝えたかったんです。それに、僕が作ったレシピを誰かが作ってくれたとしたら、それも『そろいごはん』になるかもしれない。みんなが“輪”になるようなイメージを込めました」

「ブランド名は、せっかく日本の美濃で作っているんだから日本語にしたいなと考えていました。海外でも通用するようにしたいと思いましたが、『マッチング』とか『ペア』とか、2人に限定されてしまうワードばかりで、『おそろい』を表す言葉がありませんでした。『おそろい』という感覚は日本人独特の感覚みたいです」

植木さんの“おそろい”の考え方が広まれば、「#そろいごはん」はもっともっと気軽に付けられるタグになりそうですね。

誰かに食べてもらうごはんとなると、健康の意識が高まったり、盛りつけをちょっと良くしてみたりしますよね。だからこそ、『そろいごはん』がもっと広がっていったら面白いなと思います」

Instagramで #そろいごはん の投稿をチェック

おそろい感をロゴでも表現

器の裏側には、植木さんとかおりさんのお名前と共に、SOROIのロゴが入っています。このロゴにも、お二人の想いがしっかりと表現されているんです。

「お揃い感をどうやってロゴで表現しようかと考えましたね。僕がインスタグラムで投稿するそろいごはんのイメージから、SOROIの文字をお箸で挟む感じで、/(スラッシュ)で挟んだデザインにしました。」

ギフトシーンでも選んでもらえるように

SOROIの器は、オリジナルギフトBOXに入って届きます。グレーに白いロゴが入ったシンプルで洗練されたBOXも、もちろん植木さんのデザインです。

「SOROIというネーミングに決まったときに、おそろいのイメージで引き出物が思い浮かびました。引き出物をイメージした器があるのも面白いかなと。プレゼントとしてお友達にあげたりと、ギフトシーンでも選んでもらえたら嬉しいなと思います」

SOROIシリーズのラインナップが気になる!

これだけ植木さんからSOROI制作の裏側を教えてもらうと、3種類あるSOROIシリーズのコンセプトやアイテムラインナップが気になりますよね。
そして、フードスタイリストである植木さんが、このSOROIシリーズにどんなごはんを盛り付けているのか、スタイリングも気になります。

SOROIのカタログに載っている写真は、もちろんスタイリングも撮影も全て植木さんが担当し、ご自宅で撮影されたそうです。

ますます気になる各シリーズのアイテムラインナップや植木さんの素敵なコーディネートについては、次回の記事でたっぷりとご紹介します! お楽しみに。

どんな食卓にも使いたくなる!器ブランド「SOROI」の魅力

植木 俊裕 Toshihiro Ueki

フードスタイリスト
グラフィックデザイナー時代からインスタグラム(@utosh)で料理写真を投稿。人気のハッシュタグ「#とりあえず野菜食」を発案し多くのユーザーから投稿を集める。著書に『とりあえず野菜食 BOOK』『盛りつけエブリデイ』がある。長野県出身。

Toshihiro Ueki (@utosh) |Instagram

吹野 かおり Kaori Fukino

イラストレーター/デザイナー
多摩美術大学卒業
インテリアやテキスタイルのデザインを中心に活動。UNIQLO、lsetanなどと数々のコラボレーションを手がける。

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