カレーエピソードとともに、さまざまな方々のおうちで楽しむカレーをご紹介する『みんなのおうちカレー』企画。これまで、食インフルエンサーの方々や、人気カレー店のご店主のおうちカレーを教えていただき、レシピをご紹介してきました。

第4回目となる今回登場いただくのは、多くのメディアやイベントに出演し、スパイス料理研究家として活躍されている一条もんこさんです。

テレビや雑誌をはじめとする多くのメディアにも出演されているスパイス料理研究家の一条もんこさん。なんと年間800食もカレーを食しているそうで、まさにカレーの女王と呼ぶのにふさわしいほどカレー愛に溢れています。カレー大學で講師を務めたり、さらにはご自身が監修したレトルトカレーを発売したりと、カレー業界では知らない人はいないほどの有名人なんです。

それだけ多くのカレーを作り、そして食べているもんこさんがおうちで作る定番のカレーとは一体どんなカレーなのでしょうか。ものすごく気になりますよね？！

今回、カレーについてのさまざまなエピソードと共に、もんこさんの定番カレーのレシピを教えていただいたので、たっぷりとお届けしたいと思います。

では、まずはもんこさんのプロフィールからご紹介！

スパイス料理研究家。新潟県出身。家庭科教諭免許保持。カレー年800食。スパイスとカレー料理教室『SpiceLife』主宰。著書『おうちで楽しむスパイス料理とカレー』他。YouTube『もんこのカレー教室TV』。自作レトルト『あしたのカレー』他。宅配カレー店『一条もんこ先生のカレー診療所』23店舗

新日本の国民食とも言われているカレーですが、みなさんはどのくらいの頻度でカレーを食べますか？

筆者もカレーは大好きなのでよく食べるのですが、それでも1週間に1度くらいの頻度でしょうか。では、もんこさんはというと……？

「カレーは毎日食べます。朝はレトルトカレーと決めていて、昼は自作の食べたいカレーを作り、夜は料理教室で作るカレーを食べます。レッスンがない日はお店に行ったりします」（by.もんこさん）

！！（驚）
さすが、桁が違います！

小学3年からカレーを自作し、2008年からプロを目指して6店舗の飲食店で修行されたもんこさん。カレー歴はなんと35年！　カレーの有名店で実践的なカレー調理を学び、2014年にカレー大學、2015年にカレー大學院を首席で卒業。公式サイトをご覧いただくともんこさんの詳しい経歴がわかるのですが、とにかくカレーに関する実績がすごいんです。

その日の気分によって、食べたいカレーを作るというもんこさん。特に季節に合わせた食材を使う事が多いそうです。

今回、定番のおうちカレーを教えてくださいとお願いしたのですが、毎回違うカレーを作っているもんこさんには、「定番カレー」というものが特にないんだとか。逆に同じカレーを作ることはほとんどなく、残り物の食材で新しい味が作れないかを研究しているんだそうです。

同じカレーを作らないというもんこさんですが、その中でもよく使う材料があるとのこと。

「よく使う材料はチキンです。チキンを使うカレーは、人に振る舞う際も好き嫌いが分かれないので、シチュエーションは選ばないのが利点でもあります。なので、毎日のように作っています」（by.もんこさん）

同じチキンを使うカレーでも、サラサラタイプや玉ねぎたっぷりの濃厚タイプ、インドの辛いチェティナード風、グレイビーのないドライチキンカレー等々、食べるシーンや食べる人（年齢や好み、性別などで想像して）によって変えているとのこと。

チキンは旨みが出やすく、価格的にも手に入りやすくて安定しているので、チキンカレーはおうちカレーとして作りやすくておすすめなんだそうですよ！

チキンカレーの中でも、特にもんこさんのお気に入りのアレンジが、出汁を使ったサラサラタイプのカレー。あまりに好きすぎて、1人で食べるときにも4人分は作ってしまうんだとか（笑）。

今回は、「もんこ’ズ チキンカレー」と名付けたこちらのカレーレシピを教えていただきました。

「このカレーは作った1時間後〜6時間が一番食べごろなので、残しておくことがほとんど無くいつも食べきっちゃいます。時間が経ちすぎるとスパイスの香りや肉の食感が変わってしまうので（カレーは生き物なんです……）、食べきりがおすすめですよ」（by.もんこさん）

では、早速レシピをご紹介します。

・鶏もも肉……1枚（8等分に切る）
・トマトピューレ……100g
・ヨーグルト……50g
・しょうゆ……小さじ1
・みりん……小さじ1
・玉ねぎ……1/2個 粗みじん切り
・おろしにんにく……大さじ1/2
・おろししょうが……大さじ1/2
・出汁……300cc
・カレー粉……大さじ2
・クミンパウダー（あれば）……小さじ1
・塩 ……小さじ1
・サラダ油……大さじ2

1. 鶏肉に塩こしょうとしょうゆをよく揉み込んで30分以上冷蔵庫で味をなじませる。

2. 玉ねぎをこんがりとフライドオニオン状に炒め、にんにくとしょうがを加えて水分を飛ばし、トマトピューレスパイス、ヨーグルト、塩、みりんを入れて全体がなじむように弱火で10分加熱する。

3. チキンを入れて全体を絡めたら、出汁を加えて沸騰したら蓋をして10分煮込む。

チキンは煮込み過ぎに注意！
鶏肉は組織破壊が早いので、20分以上加熱しないのがコツ。余熱も計算して、加熱時間は沸騰してから10分でOKです。提供時に再び5分ほど加熱するので、それも計算して煮込むようにしましょう！

程よい煮込み時間にすることで、鶏肉のジューシーさや食感が全然違います！

同じチキンを使うカレーでも、もんこさんは毎回いろいろなアレンジを楽しんでいるということで、今回はもう1つチキンカレーのレシピを教えていただきました！

レモンが爽やかに香るこれからの季節にもぴったりのチキンカレーです。

・鶏⼿羽元肉……4本
・玉ねぎ……1/4個(60g)
・おろしにんにく……⼩さじ1
・おろししょうが……⼩さじ1
・牛乳……200cc
・⽣クリーム……⼤さじ2
・⽔……100cc
・レモン輪切り……2枚
・はちみつ……⼩さじ1
・サラダ油……⼤さじ1
・塩……⼩さじ1/2
・塩こしょう……少々
・カレーパウダー……大さじ1
・クミンパウダー……⼩さじ1

・⼿羽元肉に切り込みを入れ、塩こしょうで下味をつける。

・⽟ねぎは粗みじん切りにする。

・レモンは4等分のいちょう切りにする。

1. 鍋にサラダ油と⽟ねぎを⼊れて油を絡めるようにしたら鍋底に玉ねぎを広げ、茶色くなるまでしっかりと炒める。

2. にんにくとしょうがを炒めて水分を飛ばし、カレーパウダーとクミンを加える。

3. ⼿羽元⾁を入れて絡めるように炒めたら、⽔をとレモン、塩を⼊れて沸騰したら蓋をし、10分煮込む。

4. ⽜乳、⽣クリーム、はちみつを加えて弱⽕で5分加熱し、塩と水（分量外）で味を調える。

今回はおうちで作りやすいカレーということで鶏肉を使った「チキンカレー」を教えていただきましたが、もんこさんはラム肉やマトンも大好きで、いいお肉が手に入るとこれらのお肉を使ったカレーも作るそうです。スパイスを多用して辛めに作るのがお決まりなんだとか！　

「一言でカレーと言っても、ルウを使うカレーとスパイスを使うカレーでは、仕上がりが全然違います。ルウカレーにはルウカレーの良さがあり、スパイスカレーにはスパイスカレーの良さがあるので、両方作ってみると新しい発見もあるのではないかと思います！」（by.もんこさん）

スパイスを使ってみたいけどちょっと難しそうかなと考えている方は、まずはカレー粉からチャレンジしてみるのがおすすめ。また、スパイスカレーをよく作るという方には、ルウカレーもぜひ食べてほしいともんこさんは仰っています。

「ルウ自体もどんどん進化を遂げていて、スパイスの効いたものもたくさんあります。時短で失敗がないというメリットもあるので、新しい喜びに出会えるかもしれませんよ！」（by.もんこさん）

とにかくカレーに対する熱い情熱をお持ちのもんこさん。お話を聞いていると、色々な食材や調味料を使ったカレーアレンジにチャレンジしてみたくなりますよね。

今回は、おうちでも作りやすい定番のチキンカレーのレシピを教えていただきましたが、もんこさんのInstagramをのぞいてみると、本当に色々なカレーアレンジが紹介されています。カレー好きのみなさんはぜひ参考にしながら、おうちカレーを楽しんでみてはいかがでしょうか。

もんこさん、お忙しい中ご協力をいただきありがとうございました！

さて、次回は誰が登場するのかな～？
どうぞお楽しみに！

（text by まい姉）