
隠れ貧血に要注意!
あれだけ暑かった夏が過ぎ、急にひんやりとしてきましたね。どんなに異常気象でも確実に季節は巡るものだなぁと実感していますが、今回は季節のお話ではなく、貧血のお話をしてみたいと思います。
貧血と聞くと、多くの方がめまいや立ちくらみを思い浮かべると思います。
「私は立ちくらみもしないし、血液検査の結果もよいので貧血じゃないわ」とおっしゃるかたの中にも、不眠や不安感、目のかすみ、肌や髪の乾燥、ツヤがない、肌のかゆみ、便秘……このような症状には思い当たるかたがいらっしゃるのではないでしょうか。
他に手足のしびれ、顔色が悪い、唇や爪の色が薄い、動悸、髪がやせる、爪がもろいまたは薄い(もしくは二枚爪)、月経不調、不妊、流産しやすいなど。たとえば便秘にもいくつかの原因があるので、便秘だけの症状があるひとがそのまま貧血だというわけではありませんが、こういった症状がいくつも当てはまるひとは、たとえ血液検査の数値がよくても中医学では貧血(血が足りない=血虚けっきょ)だと考えます。
これから秋が深まるにつれて、乾燥のシーズンに入ります。毎年乾燥肌が気になっているなら、潤いが不足しているのではなく、血が不足しているのかもしれません。その際の見極めには先ほどの他の症状があるかどうか。ぜひチェックしてみてください。

そこで今回は、血を補う牛肉とにんじんをつかった簡単チェプチェをご紹介します。
ニラは補った血を巡らせます。気(エネルギー)を補うときもそうですが、「補ったら巡らせる!」ことがポイント。滞ったところに流れるものだけ増やしても逆に具合が悪くなってしまいます。
またニラは温め効果もある食材。春雨は身体を冷やす食材なので、少しひんやりする季節に使う場合はこのように温め食材と組み合わせるとよいですね。このお料理ではニラを合わせましたが、しょうが、にんにく、ねぎなどもこういった時に使いやすい食材です。
ちなみに他に血を補う食材は、ほうれん草、きくらげ、黒豆、しめじ、パセリ、ぶどう、黒ごま、あさり、いか、いわし、うなぎ、牡蠣、かつお、鮭、さば、たこ、タラ、ひじき、ぶり、マグロ、レバー、たまごなど。
血を巡らせる食材は黒豆、たまねぎ、青梗菜、なす、菜の花、バジル、パセリ、ローズマリー、ブルーベリー、桃、カカオ、栗、いわし、うなぎ、鮭、さば、さんま、黒砂糖、酒粕、酢、みそ、あまざけなど。
今回は使っていませんが、黒豆やパセリ、鮭、さばなどのように血を補って巡らせる食材もあるので、覚えておくと便利です。
牛肉とニラ、にんじんの簡単チャプチェ

材料(2人分)
・牛肉(切り落とし)……150g
・ニラ……1/2束(50g)
・にんじん……50g
・しいたけ……3個
・乾燥春雨(ショートタイプ)……40g
・塩……少々
・酒……大さじ1
・ごま油……大さじ1
【A】
・鶏ガラスープ……1cup
・おろしにんにく……小さじ1/4
・しょうゆ……大さじ1・1/2
・きび砂糖……大さじ1・1/2
・白いりごま……小さじ1
作り方
1. ニラは4cm幅に切り、にんじんはニラと同じくらいの大きさの短冊切りにする。しいたけは薄切りにする。

2. 中華鍋(フライパン可)にごま油を入れて熱し、牛肉、にんじん、しいたけ、ニラの根元、ニラの葉の順に加え、塩と酒を加えて強火でさっと炒めてバットなどに取り出す。

3. あいた中華鍋にAと春雨(戻さずそのまま)を入れて中火で加熱し、水分がほとんど無くなってきたら2を戻して混ぜ合わせる。器に盛り、白ごまをふる。
※柔らかめの春雨が好みの場合はAの分量をそれぞれ少しずつ増やしてください。


定番になりつつある「春雨戻さない方式」。
手間も省けますし、水っぽくならないのでおすすめです。やわらかめの春雨がお好みのかたはAを少しずつ増やしたうえで水分を煮含ませてください。
秋の味覚を楽しむために

スーパーでも栗や松茸など、秋の食材を見かけるようになりました。
貧血では疲れやすくやる気もでませんし、せっかくの秋の味覚も存分に楽しむことができません。貧血は冷え性の原因になることもあります。
寒くなる前にしっかりとケアしておきましょう。