【おうちごはんインタビュー vol.24】ぽんこつ主婦 橋本彩さん

日々のおうちごはんをInstagramに投稿し、ご自身の世界観を発信している方にお話を聞くおうちごはんインタビュー。今回は、簡単ボリューミーな家庭料理を得意としている“ぽんこつ主婦”こと橋本彩さん(@ponkotsu_0141)にお話をお伺いしました。出版されたばかりの初のレシピ本のレシピもちょこっと公開しちゃいます!

がんばらなくても喜ばれる!ぽんこつ主婦の絶品おうちごはんの秘密

プロフィール

橋本彩

料理家・主婦

2019年3月生まれの男の子の母。Webメディアにて料理家として勤務したのち、独立。料理初心者でも誰かに作ってあげたくなる、簡単ボリューミーな家庭料理を得意とする。Instagramでは、1つの投稿の中に料理の工程やポイントをのせて紹介する「スワイプレシピ」が大人気。

Instagramアカウント:@ponkotsu_0141

橋本彩さんのInstagram

ぽんこつ主婦・橋本彩さんにインタビュー

料理以外はぽんこつ!?

――橋本さんは自らを“ぽんこつ主婦”と名乗っていますが、Instagramを拝見していると「どこが~!?」と思ってしまいます。その由来を教えてください。

結婚して仕事を辞めて家にいた時があったんですけど、ずっと寝ていてあまり家事をしなかったんです。料理だけはしていたので、17時ぐらいになったらスーパーに行くためにやっと起き上がるみたいな(笑)。

それを見た夫から「ぽんこつだね」って言われたのをきっかけに、“ぽんこつ主婦”って名乗るようになりました。

――今でも自分を「ぽんこつ」だなと思うことはありますか?

ありますよ~。出したものを正しくしまえなくて、引き出しも蓋も、開けたら開けっ放しにしちゃう。あと、靴下をどこで脱いだか分からなくなっちゃったりとか(笑)。

ケータイやカメラの充電ができなくて、気づくと切れていたりも……。なので、夫が私の代わりに全部充電してくれています。

何か考えごとをしていると、ほかのことに気が回らなくなっちゃうんですよね。1つのことしかできないタイプです(笑)。

――それでいて料理がうまいっていうギャップがいいなと思います! 料理を始めたきっかけは?

ちゃんとやるようになったのは社会人になってからで、始めたきっかけは夫と結婚したかったから……かな。料理ができるとモテそうじゃないですか? そういう不純な動機で始めました(笑)。

――旦那さん、幸せ者ですね。橋本さんが料理をする上で心掛けていることや大切にしていることは?

夫に喜んでもらえないと意味がないので、夫が好きな味やボリュームは守っています。

あと、私のレシピを見てくださる方には、身近な食材なんだけど、組み合わせ方で驚きを与えたり、ちょっと難しい料理はきちんと説明することでハードルを下げたりと工夫しています。

――橋本さんがレシピをInstagramで発信してくださることで、料理が好きになったり、楽になったりした方も多いと思います。そもそもInstagramを始めたきっかけは何だったのでしょうか?

Instagramを始めた日は、私の誕生日だったんです。その時はまさに、家事をせずに寝てばかりいたニート時代(笑)。

夫から、「料理好きなんだからやってみたら?」って勧められたのがきっかけです。

――今やフォロワーが25万人以上! それだけの方が見ていると思うと、肩に力が入ってしまいそうですが、普段どういったモチベーションで投稿していますか?

「おいしかったです」って言ってもらえるのは当たり前にうれしいんですけど、家族や恋人に作って「ほめられました」って言われるのが、すごくうれしくて。

私も夫の「おいしい」の一言に自信をもらってここまできたので、見てくれている人にも料理を作ることでほめられて、幸せな気持ちになってもらいたいなって思っています。

――料理を通して、幸せの輪が広がるなんて素敵ですよね。フライパンの上でお肉を切ったり、具材を混ぜたり、レンジを上手に活用したりと、手間を省くテクニックもためになります。

私はもともとすごいずぼらだし、面倒くさがり屋なので、かっこつけずにさらけだしています(笑)。

料理家として活動する中で、料理家だからセオリー通りにやらなきゃいけないなんて誰が決めたのかな?って思うんです。「こんな料理が作れてすごいでしょ」って言うより、「こんなに簡単なんだけど、おいしくできるんだよ」って言いたい。その方が自分としては人の役に立てるのかなって。

――橋本さんのそういう飾らないところが、多くの方に支持される理由の1つかなと思います。料理のお写真もいつもおいしそうなのですが、撮影する上でのコツはありますか?

よくそう言っていただくのですが、こだわっているわけではないんです。おつまみ系が好きなせいか、ちょっと暗めに撮ることは多いです。陽が沈む瞬間とか。

撮影には、一眼レフのカメラを使用しています。スタイリングをしないので、いつもめっちゃどアップです(笑)。

――それがとってもおいしそうです! 盛り付けのコツはありますか? 参考にされているものがあれば教えてください。

それもすごい、感覚なんですよねー。バイブルにしている雑誌とかも特になくて。

盛り付けるときは、ツヤや立体感が出るように気を付けています。

――器もとっても素敵です。お気に入りはありますか?

器は、広瀬佳子さんという作家さんの作品が好きで、ちょこちょこ集めています。

でも、無印良品も好きだし、安いものも使うし、あんまり値段とかブランドにこだわりません。この料理をおいしく盛り付けられそうだなと思ったら買います。

ぽんこつ主婦のおうちごはんがレシピ本に!

▲画像出典:『ぽんこつ主婦のこっそりラクして絶品ごはん』/KADOKAWA

――そんな橋本さん家のおうちごはんの魅力がたっぷり詰まったレシピ本『ぽんこつ主婦のこっそりラクして絶品ごはん』がついに出版されました! 本になると分かったときのお気持ちは?

お話をいただいたのが、コロナの一回目の緊急事態宣言明けだったんですけど、緊急事態宣言中、ほぼ毎日投稿を頑張っていたので、その努力が認められたのかなって思いました。

ただ、いつも無料でレシピを公開しているので、本当に買ってくれる人がいるのか?とか、見せ方も含めて本当に本でいいのか?とか……。いろんな思いもありましたが、まずはうれしかったです。

――橋本さんが大好きなレシピや新作レシピなど118レシピも掲載されているとか。レシピ選びは大変でしたか?

はい(笑)。

本とSNSって、それぞれに求められているレシピが違うなと思って。やっぱり本だと「今日の献立を決めなくちゃ」って感じで切羽詰まった状態で見るじゃないですか。

そうなると驚きとかシズル感とかよりも、もっと生活に寄り添った作りやすいレシピにした方がいいかなと思ったり。

でも、それだと自分らしさがなくなってしまうんじゃないかなとも思って、そのはざまで迷走しました。

――そのあたりは、旦那さんにも相談しました?

そうですね。試作をいっぱい食べてもらって、1つずつ決めていきました。結果的に、自分らしさを出せたかなと思います。

▲画像出典:『ぽんこつ主婦のこっそりラクして絶品ごはん』/KADOKAWA

――橋本さん自身が特によく作っているなというレシピはどれでしょうか?

どれもよく作っている料理ばかりなんですけど、1つ選ぶなら「豚こま和風メンチ」ですかね。夫はメンチカツがすごい好きなので。

もともと公開していたレシピなのですが、もっと簡単にしました。メンチカツのたねを作ったらパン粉だけをつけて揚げちゃいます。小麦粉→卵→パン粉という衣のステップは不要です。

――それがちょっとハードル高いですもんね。

はい。簡単にできるので、ぜひ作ってほしいなと思います。

――このレシピ本はどんなふうに、どんな方に見てほしいですか?

メインのおかずから副菜、おつまみ、麺まで盛りだくさんの内容で、何回開いても「おいしそう」って思ってもらえる内容になっています。「これを作りたいな」という感じでレシピを見つけてもらえたらうれしいです。

どんな方に見てほしいかというと、家族にほめられたいとか、喜んでもらいたいと思っている人や、自分の味に飽きたなっていう人。あとは、私みたいにモテたいなって思ってる人(笑)。ボリューミーなごはんを作って、胃袋をガッチリつかんでもらえたらと思います!

今後挑戦してみたいこととは?

――今後挑戦してみたい「おうちごはん」や、気合を入れて取り組みたいメニューはありますか?

なかなか外食できなくなって、これまで外で食べていたエスニック料理や、台湾料理とかが恋しくて。

食べに行けるようになったらたくさん食べて、それを自分なりにかみ砕いて、作ってみたいです。このぐらい手間を省いてもこのぐらいおいしく作れるよっていう提案ができたらいいなって思います。

――料理以外で挑戦してみたいことは?

なんだろう……。

料理以外だと、運動は結構しています。ヨガや、ちょっと激しいエクササイズもYouTubeを見ながらやったりして。

私、お腹が空かないとおいしいごはんが作れないってことに気づいて。だからすごい運動してます(笑)。

―― 最後に、橋本さんにとって、「おうちごはん」とは?

おいしく食べて家族と満腹の幸せを共有する時間です。

ありがとうございました!

料理が好きで、何より食べた人に喜んでもらうことが大好きな橋本さん。レシピだけでなく、そのほんわかとしたやさしい人柄も魅力!

そんな橋本さんの、がんばらなくてもおいしく作れる料理の数々は、作る側もにっこり笑顔になっちゃいます。

Webサイト「橋本彩の週末ふうふじかん」でもレシピ検索などができるので、Instagramと合わせてチェックしてみてはいかがでしょうか。

橋本彩の週末ふうふじかん

レシピ本掲載の絶品レシピを2品公開!

レシピ本に掲載されている中から、2品のレシピを紹介します。ぜひ作ってみてくださいね。

ポークモッツアレラのマスタードソース

▲画像出典:『ぽんこつ主婦のこっそりラクして絶品ごはん』/KADOKAWA、撮影:佐藤 朗

大きめな豚こま肉で一口モッツアレラを包んで焼いていて、子どもも好きな味付けにしています。ごはんのおかずに食べてほしいレシピです。(橋本さん)

材料(2人分)

・豚こま切れ肉……300g
・ひと口モッツァレラ……1袋(24個入り)
・塩、こしょう……各少々
・小麦粉……適量
・オリーブオイル……小さじ2

【A】
・ウスターソース、ケチャップ……各大さじ2
・酒、粒マスタード……各小さじ2
・砂糖……小さじ1

作り方

1. 豚肉を広げ、ひと口モッツァレラを1~2個ずつ包んで丸める。表面に塩、こしょうをふり、小麦粉大さじ2くらいをドサッとかけて表面にまぶす。

※まんべんなくまぶして余分な粉は落とし、ギュッと握ると崩れにくい。

2.フライパンにオリーブオイルをひいて熱し、1を入れてコロコロ焼く。

3. 表面がこんがりと焼けたらAの調味料を入れ、焼きからめながら中まで火を通す。

※焼いていると中のチーズが飛び出てきますが、チーズと調味料が一体となってからまるのもおいしいので気にしない!!

揚げよだれ鶏

▲画像出典:『ぽんこつ主婦のこっそりラクして絶品ごはん』/KADOKAWA、撮影:佐藤 朗

これはビールに抜群に合うメニューです。ビニール袋の中で衣づけしてあとは揚げ焼きするだけ。ザクザクの衣がたまりません!(橋本さん)

材料(2人分)

・鶏もも肉……1枚(300g)
・きゅうりまたは葉野菜……適量
・片栗粉……大さじ5~7
・サラダ油……適量

【A】
・しょうゆ、酒……各大さじ1
・しょうがチューブ……3cm
・ブラックペッパー……適量

【B】
・しょうゆ、酢……各大さじ1と1/2
・オイスターソース……大さじ1
・砂糖、いりごま……各小さじ2
・にんにくチューブ……3cm
・食べるラー油またはラー油……小さじ1

作り方

1. 鶏もも肉は余分な筋や脂を取り除く。縮むのを防ぐため、身に浅く切り込みを入れて筋切りする。

2. 鶏もも肉をビニール袋に入れてAの調味料を加えてよく揉み込む。片栗粉大さじ3を加えて粉っぽさがなくなるまで揉む。さらに肉の両側に片栗粉大さじ1〜2ずつ加えて揉み、10分おく。

3. 野菜は、水けを拭き取って皿に敷いておく。ボウルにBの材料を合わせてたれをつくる。

4. フライパンに底から1cm程度のサラダ油を注いで180℃に熱し、2の皮目を下にして入れる。強めの中火で触らずに3分、上下を返して2分揚げ焼きにして取り出し、皮目を上にして網の上で5分休ませる。

5. 皮を下にして切り分け、野菜を敷いた皿にのせる。たれをかける。

『ぽんこつ主婦のこっそりラクして絶品ごはん』が絶賛発売中!

ぽんこつ主婦こと橋本彩さんが試行錯誤を積み重ねて編み出した「がんばらないのに絶賛されてしまう秘訣」を初公開!

これまでに改良を重ねてきた、「時間や手間をかけずにおいしいと言ってもらえる絶品ごはん」118レシピを紹介する。ひとめでわかるプロセス解説つきだから、初心者にもわかりやすい内容になっている。

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(text by コノ)

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