出典 : @t_ammy

【おうちごはんインタビュー vol.28】Tammy*さん

日々のおうちごはんをInstagramに投稿し、ご自身の世界観を発信している方にインタビュー!今回は、食生活アドバイザー2級の資格を持ち、季節に寄り添うごはんと器使いが素敵なTammy*さん(@t_ammy)。その原点に迫りつつ、豆皿を上手に使うコツや夏のテーブルコーディネートなどについてお話を伺いました!

季節に寄り添いながら暮らしを愉しむ。Tammy*さんにインタビュー

プロフィール

Tammy*

食生活アドバイザー

薬食同源を根底としたおうちごはんを愉しみながら、四季の暮らしのフードフォト撮影や商品撮影を行なう。

大阪出身で神戸在住。現在は子どもたちが独立し、夫と2人暮らし。50代になってから少し時間に余裕ができたことで、より一層、丁寧な暮らしを愉しんでいる。

Instagramアカウント:@t_ammy

Tammy*さんのInstagram

食の原点は料理上手な義母と夫にアリ!

――季節の食材を上手に取り入れたおいしそうなごはんや、豆皿をはじめとする素敵な器に目を奪われるTammy*さんの食卓。その原点がどこにあるのかとっても気になるのですが、子どもの頃はどんなおうちごはんを楽しんでいましたか?

子どもだったので楽しむというよりも、母が作ってくれるごはんをただ食べて育ってきたという感じです。食べていたのは、里芋の炊いたんや肉じゃが、焼き魚など、ごく普通のおかずです。

当時は、母親がごはんを手作りするのが当たり前で、父親のおかずだけ一品多いような昭和の時代。我が家もそうだったので、お父さんだけずるいなと思っていました(笑)。

家にあった器もごく普通のものでした。母が頒布会などで少しずつ買い集めていましたが、そのときの私は器にはあまり興味を示していなかったですね。

――お母さまが作ってくれるごはんの中で、特に思い出に残っているものは?

お弁当です。

実は私、今までに一度も給食というものを経験したことがなくて、学生時代のお昼ごはんはいつも母が作ってくれるお弁当だったんです。

特別なものが入っているわけではないんですけど、ドライカレーの日もあったりして、今日は何だろう?といつも楽しみでした。

――給食がなかっただなんて、お母さまは大変でしたね。Tammy*さんも給食を食べてみたかったのでは?

そうなんです!

「思い出の給食の味は?」なんていう話になると「私はなかった……」みたいな。その話題に入っていけないのはつらいです(笑)。

――そんな中で、Tammy*さんご自身がお料理するようになったのはいつ頃でしたか?

もともと食べることは好きで、おいしいお店めぐりをしたりと食には興味があったのですが、自分で作るようになったのは結婚してからです。

夫の母はすごく料理上手な人で、なんでも手作りするんですよ。お味噌とかこんにゃくとか、カッテージチーズとか。お餅もお正月のお餅のほかに、春はよもぎを入れるなど季節のお餅を作っていました。

義母からは「食べることを大切にしなさい」「いただたいお給料の中で食費は惜しまないように」と言われていたんですけど、当時の私は20代前半だったので、何を聞いても右から左でした(笑)。

でも、この歳になって、お義母さんの言っていたことが分かるようになりましたね。私の食の原点は義母と、そういう義母に育てられた夫なのかなと思います。

――旦那さんもお料理されるんですか?

料理男子で、完全にできる人なんですよ。娘たちに「我が家の味は?」って聞いたら「パパのおにぎり!」って答えるぐらい、娘たちは夫の作ったものが好きですね。

夫は末っ子で、母のお手伝いをよくしていたので家事全般が得意。結婚した当初は夫に「なんでこんなんできへんねん」ってよく言われました(笑)。

――そんなご苦労があったとは! 現在はお子さんが独立されて旦那さまと2人暮らし。どんなふうにおうちごはんを楽しんでいるのでしょうか。

そういう夫ですので、放っておいても家事のことは全部やってくれます。

洗い物が溜まっていたら洗ってくれるし、洗濯もしてるし、私がいなくても大丈夫なぐらい家の中がまわっています。へたしたらシェアハウスみたいな感じ。

そんな中でも、3食のうちの1食だけは丁寧にきちっと作ることを心掛けています。インスタに投稿しているのがまさにそういうごはんです(笑)。

それ以外はパンだったり、外ごはんしたり、そのときの気分で楽しんでいますね。

――ごはんはご夫婦でいつも一緒に召し上がっているんですか?

そうですね。このご時世で夫もテレワークになって、家にいることも増えましたし。

最初はめっちゃ家にいることに「え?」って思ったんですけど(笑)。老後はこうなるだろうからその練習というか、2人暮らしを楽しむスタートなのかなと思っています。

七輪を使う料理だったら炭を起こしてもらったり、難しいお魚だったら彼の方がさばけるのでお造りにしてもらったり。夫にお願いして手伝ってもらうこともあります。

――素敵ですね。Tammy*さんは食生活アドバイザー2級の資格をお持ちですが、資格を取ろうと思ったのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

実はとても面白いきっかけがあったんです。

2016年12月の暮れも押し迫った日に、当時Webメディアでお仕事されていた“ぽんこつ主婦”の橋本彩さん(@ponkotsu_0141)から「お会いしたい」と連絡をいただいたんです。

彩さんは大阪まで来てくださり、ホテルのロビーでお会いしました。そのとき彩さんから「Tammy*さんは何か資格をお持ちなんですか?」って聞かれて。

当時、私はすでに50代で資格は何も持っていませんでした。そしたら彩さんが「とればいいのに~」っておっしゃったんです。

主婦を20年以上やってきて今から資格?と思ったんですけど、食育インストラクターの資格を持っていた彼女から「簡単ですよ」って言われたら興味がわいてきて(笑)。

じゃあ、2017年は資格の勉強をしてみようと思ったんです。「食生活アドバイザー」を選んだ理由は、食生活についてもう一度勉強し直すというか、今まで自分がやってきたことと答え合わせするような感じで楽しめるかなと思って。

彩さんと別れた後すぐに試験日をチェックしてスマホのカレンダーに入れました。そこから勉強をして2017年のうちに3級と2級の資格をとったんです。

――すごい行動力ですね! それまでに何か食関係の資格をとろうと考えたことはなかったんですか?

なかったです。仕事も病院に勤務していたので、食とは全く関係がなくて。

きっかけは本当に彩さんの「とればいいのに~」の一言(笑)。だから彩さんとお会いしていなかったら、とっていなかったかもしれません。

豆皿はテーマを決めれば難しくない!

――Tammy*さんといえば器の使い方もとっても素敵で、特に豆皿の使い方が印象的です。豆皿を上手に使うコツを教えてください。

私の場合はまずテーマを決めます。たとえば5月だったら緑色の豆皿を集めてみようとか。それを大きなお盆かお皿の上に並べてまとめるだけです。

並べるときは、同じような器を隣り合わせに置くとベタッとした印象になるので、大きさや形の違うものを置くようにしてメリハリをつけています。

おかずは豆皿いっぱいに盛らないで、豆皿の絵がちょっと見えるようにするのもポイントです。同じ色の豆皿だと、濃淡や模様の違いがよく分かって面白いですよ。

このとき(写真上)は、どこかでほうれん草の根本のピンクがきれいなごはんを食べたことを思い出して、真似っこしています(笑)。

――緑の中でほうれん草のピンクが差し色になっていて素敵です。豆皿ごはんはハレの日にも活躍していますね。

そうですね。今年の小正月は「赤と白」がテーマの豆皿ごはんでした。

ハレの日にはやはり、ひょうたんや松など縁起物のモチーフが欠かせません。豆皿ごはんのときは箸置きまでセットで考えるので、この日は「福」と書かれたダルマです。

――かわいい! 豆皿ごはんって楽しいですね。

豆皿の一番いいところは、たとえ前日の残り物でも豆皿にのせると、まるでその日に作ったように見えるところです。

毎回、メインは大体作っていますが、あとのおかずは冷蔵庫にあるものだったり、ちょっと焼くだけのものだったり。何もしなくても豆皿が助けてくれますよ(笑)。

――これから夏に向けてのておすすめテーブルコーディネートも教えてください!

夏はやっぱり、ざるとガラスの器があるといいと思います。

ざるは、おにぎりや唐揚げをのせるだけでも夏らしさが出ますよ。

ガラスの器は「そうめん鉢」が1つあると便利。そうめんを入れる以外にも大皿として使えるので、鶏のから揚げを入れたり、ちらし寿司を入れたりと多用できます。

――そうめん鉢っていろいろな使い方ができるんですね。夏のテーブルコーディネートを考えると今からワクワクしてきますが、Tammy*さんはこの夏、楽しみにしていることや挑戦しようと思っていることはありますか?

一年中、何かしら季節の手仕事をしているんですけど、夏はそれが一番多くて。6月ぐらいから梅やらっきょう、果樹酒などを漬けていこうと思っています。

去年はらっきょうを3㎏頼んだらすごい量で……。途中でもうパスしようかなと思うぐらいだったんですけど、いざ作ったらほぼ1年で食べ尽くしました。なので、今年も頑張ろうかなと。

――手仕事といえば、神戸の春はいかなごのくぎ煮を炊くところから始まるんですよね。

そうなんです!

私の住んでいる地域は、いかなごのくぎ煮の発祥地なので毎年必ず作りますね。

2014年の3月に股関節の手術をすることになったときでさえ、友達から「いかなごのくぎ煮を作ってから行ってね」と言われました(笑)。

どのおうちでも炊くので、街を歩いているとあちらこちらから甘辛いにおいがしてくるんですよ。もう、ごはんだけ持ってうろちょろしたくなるぐらいです(笑)。

Instagramを見ると動き出せる!

――Tammy*さんのInstagramを拝見していると季節感をとても大切にされているなと感じます。そもそもInstagramに投稿するようになったきっかけは?

もともと「My365」という写真共有アプリをやっていて、そこに毎日、朝ごはんの写真を1枚のせていたんです。そこでもフォロワーさんが1万人ぐらいいてくださったんですけど、3年ぐらい経ったらそのアプリが廃止になってしまって。

そのときにInstagramのことを知って、そちらに投稿し直しました。それが今から8年ぐらい前のことです。フォロワーさんの中には「My365のときからフォローしていました」という方がときどきいらっしゃるんですよ。

――そんなにも前から! 現在はどんなモチベーションでInstagramに投稿していますか?

つながらせていただいている方々の写真を見ると「わ~、おいしそう」とか「わ~、素敵!」って思って、自分も作ってみようとか、自分もこういう感じにしてみようと動き出せるんですよね。

なので、私の投稿を見て、同じように思ってくれる人がいたらうれしいなって。

私が発信するだけじゃなくて受信もする。その交換をさせてもらっていることで、日々の暮らしが回っている感じがします。

――Instagramはもはや生活の一部ですね。お写真もとってもきれいなのですが、上手に撮影するコツがあれば教えてください。

一番は自然光で撮ることですね。

幸いなことに我が家は窓が大きくて光がたくさん入ってくるんですけど、午後3時以降になると家の中がオレンジ色っぽくなってくるんです。

そうなると写真もちょっと赤っぽくなってしまうので、それまでに撮るようにしています。

とはいえ、夜に撮るときもあります。そういうときは、雰囲気も全部写し込めればいいかなと思いますね。

カメラは一眼レフを使っていて、技術は撮りながら身につけていっています。Instagramにあがっているみなさんのお写真を見ながら「ピントはここに合わせればいいんだ」とか「料理は真ん中じゃない方がいいな」とか学んでいった感じです。

――Tammy*さんは何事においても勉強熱心ですね。今後、旦那さんのお料理もぜひ見てみたいと思うのですが……。

そうですよね~(笑)。

話は少しそれるのですが、私、「ばーさんがじーさんに作る食卓」っていうブログがずっと好きだったんです。

田舎で暮らすおじいさんとおばあさんの日々の食卓が季節と一緒に写し込まれていて、年齢を重ねてもご夫婦で楽しんでいる姿が印象的でした。

素敵な年上の先輩を見ていたら、私が目指すところはそこなのかなって。Instagramを投稿していく中で、「今日の料理は夫でした」っていうのもアリかなと思っています。

――それは今から楽しみです! 最後に、Tammy*さんにとって「おうちごはん」とは?

一言で言うと、家族の心身を作るごはん。

外ごはんっていうのは心と体を満たしてくれるけど、心と体を作るのはおうちごはんかなと。

おいしいだけじゃなくて栄養があって、滋養があって、苦みもある。子どもたちに体のために食べるんだということを教えながら作るごはんが、おうちごはんかなと思っています。

ありがとうございました!

旦那さんのお仕事の関係で、これまでに広島や岡山、東京、関西などさまざまな土地で暮らしてきたというTammy*さん。

Instagramには、そんなTammy*さんだからこそ作れる、心身にうれしいごはんが日々投稿されています。旦那さんが作ったごはんが登場する日もそう遠くはないかも?

季節に合わせた素敵な器使いもとても参考になるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

Tammy*さんのInstagram

(text by コノ)

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