サポーターズ企画第3弾!「愛すべき我が街の食文化」シリーズ
おうちごはんサポーターズメンバー、第3回目の連載企画テーマである「愛すべき我が街の食文化」もいよいよ最終回!
今回はその土地を代表する食材から、自然の産物があるからこそ楽しめる料理方法などをご紹介します。
旅行にお出かけされる際にも食べてみたい、やってみたい! という食文化、ぜひチェックしてみてね。
【兵庫県】お祭りも開催される「半夏生のタコ」
こんにちは! 兵庫県担当の@panta_rhei.hです。
今回は、お祭りも開催される「半夏生のタコ」についてご紹介したいと思います。
私が住む兵庫県では、半夏生(夏至から11日目からの5日間)は、稲作の神様を祀る雑節のひとつとして、半夏生にタコを食べる風習があります。
一見、稲作とタコは結びつきませんが、タコの足のように、稲の根が地面にしっかりと根付き、たくさんの穂をつけるようにという願いと、タコに含まれるタンパク質やタウリン、亜鉛が疲労回復、夏バテ防止食材として、栄養面でもタコを食べるというのはとても理にかなっています。
関西でタコといえば、兵庫の明石。明石海峡では、古代よりタコ漁が行われていたそうで、2000年以上前にイイダコを捕獲していたタコ壷が発見されたことも。
そんな明石では、半夏生のシーズンには「明石半夏生タコ祭り」も開催。タコ料理の他、タコをモチーフにしたスイーツなども登場するんですよ!
そこで今回はボイルのタコを使い、おつまみにもオススメの簡単な1品をご紹介します。
お酒もすすむ「タコとニラの香味ソース」
材料(1人分)
・明石ダコボイル……50g
・ニラ……30g
・にんにく……1/2片
・鷹の爪……小1本
【A】
・胡麻油……大さじ1
・オリーブオイル……大さじ1
・塩……少々
・醤油……小さじ1/2
作り方
1. タコは水掻きを取り除き、3〜5mm厚さのスライスにして、器にもりつける。
2. ニラは1cmのざく切り、にんにくは皮をむき縦に切って芽をとってからスライスにする。たかの爪は種だけとりのぞく。
3. 小鍋にA、にんにくと鷹の爪を入れて中火弱にかけ、香りが立ったらニラ、醤油を加えて一混ぜし、1の上に油ごとかける。
<タコの調理ポイント>
※生のタコを使う場合は、たっぷりの片栗粉をタコにふりかけてもみ洗いし、しっかり水洗いするとぬめりが落ちます。
※タコは水掻きを外しておくと、味が良くなり、天ぷらなどでもハネにくくなります。
今年の半夏生は、7/2。
皆さんも、タコを食べて夏を乗り切りましょう!
【香川県】県の別名にもなっている日本一の「うどん」
おうちごはんサポーターズ、香川県担当の@izakaya_ayaoのAYAOです。
今回は、地元の食文化のご紹介です。
香川県といえば、県の別名にもなっている「うどん」です。
(ちなみに香川県をうどん県と住所に書いてもきちんと届くようですよ!)
香川県では、コンビニの数より多いかもしれないうどん屋さん。確かに……私の家から歩いて行けるところにコンビニはありませんが、うどん屋さんならあります(笑)。
そのくらい、うどん屋さんがたくさんある香川県。
小さい頃から一番食べている食べ物は、やっぱり「うどん」だと思います。
讃岐の方言(幼児言葉)には「ぴっぴ」(うどん)という言葉もあり、子供が離乳食を食べるころに「今日のお昼はぴっぴよ~」と言ったり。
そんな慣れ親しんだ「うどん」ですが、今回特に紹介したいのが「打ち込みうどん」です。
この打ち込みうどんは、香川県のご家庭ならご自宅で作っている人も多いと思います。
普通のうどんと違い、うどんを作る時の塩の量が少ないのと、香川県のうどんの特徴である“コシ”がなく、柔らかめのうどんです。
うどん粉と塩水を少量ずつ混ぜて、丸く成型したら、少し平らにして寝かせて、袋にいれ足で踏みます。(足で踏むコツは、かかとに重心をかけながら、くるくる回ることでしょうか……)
麺棒で伸ばして、切ります。その後は、打ち粉を振りくっつかないようしておきます。
打ち込みうどんの具材は、いりこでとった出汁に、豚肉、にんじん、しめじ、ごぼう、かまぼこ、お揚げです。夏であれば、茄子を入れたり、冬は里芋を入れたりと、家庭やお店によってもまた違いますよ。
打ったうどんを入れたら、味噌で味付けして、少しとろみが出てきたら完成です。
もし塩味が足りなければ、塩をいれて最後に味を調えます。
お店で売っている生うどんは、打ち込みうどんには向いていませんので、ご注意を!
生うどんを入れて作ると塩辛くて食べられなくなりますので、一度別に茹でてから入れると近いお味になります。
提供しているお店は非常に少ないのですが、名店もありますのでぜひうどん巡りで香川に来られる場合は、この打ち込みうどんが食べられるお店も候補に入れてみてはどうでしょうか?
ちなみに私の大好きな打ち込みうどんのお店は、四国霊場八十八ヶ所・第88番札所にあります!
秋の紅葉とお寺を満喫した後に食べる打ち込みうどんは、もう最高です。
【福岡県】ハレの日ごはんの定番「かしわ飯」
こんにちは~!福岡県担当の@shima_no_ouchicafeです。
福岡県には色々な食文化がありますが、今回ご紹介するのは福岡の郷土料理「かしわ飯」のおにぎり。
この「かしわ飯」は、福岡ではお誕生日やお正月、家族が集まる時などの“ハレの日”ごはんとしてよく登場します。
各ご家庭での作り方や味わいがあるそうですが、ちょっと甘めでしっかり味なのが特徴かもしれません。
我が家も祖母が帰省の際にはよく作ってくれていました。祖母も曽祖母から受け継いだその味を継ぎ、そして母も誕生日や運動会のお弁当などでよく作ってくれました。
この味を口にすると、ふと子供の頃の思い出も一緒に蘇ってきます。
我が家の味ばぁちゃんの「かしわ飯」は、たき込みではなく具材をじっくり煮込んでから、さらに酢飯を合わせる混ぜご飯タイプでした。
材料(2人分)
・鶏もも肉……150g
・ごぼう……60g
・にんじん……60g
・干し椎茸……15g(乾燥の状態で)
・油揚げ……2枚
【A】
・料理酒……大さじ3
・醤油……大さじ3
・みりん……大さじ3
・砂糖……大さじ1
・顆粒和風だしの素……小さじ2
・ごま油……大さじ1
・ごはん……2合分
・すし酢……大さじ3
作り方
【下準備(混ぜる具材作り)】
・干し椎茸を戻しせん切りにする(戻し汁を使うのでとっておく)。
・鶏もも肉は1センチくらいの角切り。
・にんじん、油揚げは千切り、ゴボウはささがきにする。
1. 深めのフライパンにごま油を熱し鶏もも肉を中火炒める。肉に火が通ったらにんじん、椎茸、油揚げ、ゴボウを加え、さっと油を絡ませ、干し椎茸の戻し汁をひたひたに注ぎ、Aを加える。
2. 一煮立ちしたら、弱火にして、汁気がなくなるまで煮る(約1時間ほどかかります)。
3. ごはんにすし酢を混ぜ酢飯をつくり2を加え混ぜ合わせる。
ラーメンだけじゃない!「うどん」も人気な福岡県
そして、もう1つ福岡の食文化を紹介しま~す!
福岡というとラーメンのイメージが強いのですが、じつは福岡って「うどん派」も多いんです。
地元ラジオでは、年に数回ほど地元のうどん屋さんと作るコラボメニューがあったり、地元テレビでは街の人にオススメのうどん屋さんを聞いてお店を回る「うどんMAP」なるコーナーまであるくらい。
そんな福岡県民が愛するうどんの特徴は、お出汁が甘めで麺が柔らかいうどん。
コシがないという感じではなくて、モチふわの柔らかい麺の食感がこの優しいお出汁と一緒に、お口の中で絡んでベリーマッチング。幸せを運んでくれます。
このうどんに入れるトッピングは、みんな大好き「ごぼう天」!
「ごぼう天」と聞くと、おでんのすり身を思い起こす方も多いですが、ガチのゴボウの天ぷらです。
太めのゴボウを縦に切っているところもあれば、斜めに大きくそぎ切りにしているところなど形は様々ですが、大きくて立派なゴボウの天ぷらが人気なのです。
注文時も、
・肉ゴボウ(甘辛く煮たお肉とごぼう天)
・とじゴボウ(卵とじうどんにごぼう天)
ほとんどと言っていいくらいみんな「ゴボウ」がついてます(笑)。
そして、先ほど紹介した「かしわ飯」のおにぎりセットが最高なんです。うどんと合わせてたべているとなんだかホッコリ安心感が湧くんですよね。
福岡にきたら、ぜひ旅行開始の初日はラーメンで力蓄え、お帰りの前にはうどんとかしわおにぎりでほっこりお疲れを癒すコースがオススメですよ~!!
【大分県】温泉県ならではの「地獄蒸し」
こんにちは、おんせん県大分担当の@ayupecookです!
大分県ならではの食文化の一つ、「地獄蒸し」を紹介します。
じ、じ、じごくむし……? と、なんとも恐しい響きのこの料理、名前とは裏腹にとっても素朴で優しい、ほっこりする料理なんです(笑)。
大分県といえば温泉。
特に別府地方では、町のあちこちに温泉の湯気が立ち上っています。
この、温泉の蒸気を利用して蒸し上げる調理法が「地獄蒸し」なのです。旨味が逃げず、温泉の滋味も付加されて味わい深いものになります。
大分には立ち寄り湯が数えきれないほどありますが、「地獄蒸し」ができる温泉もたくさんあるんです!
私は今回、食材持ち込みOKな温泉で「地獄蒸し」をしてきました。
(お風呂に入った後や、入っている間に蒸すこともできて一石二鳥♪)
この写真のように、温泉の湯気がもくもくと出ていて、この中にお野菜などを入れて蒸しあげます。湯気が邪魔して写真撮るのもなかなか難しいです(笑)。
野菜はもちろん、お肉や卵、肉まん、プリンも有名。
観光に来た際は、町歩きの合間の小腹満たしにもピッタリな「地獄蒸し」を温泉とともに楽しんでみてくださいね♪