![](https://ouchigohan.s3.amazonaws.com/uploads/article/image/3582/sp_article_thumbnail_6a56fae6-4a3d-4a74-94ec-d246a6535518.jpeg)
「富士の介」の魅力に迫ります
食欲&物欲旺盛なおうちごはん編集部とその仲間たちが、日本全国にある「おいしいモノ」を発見していく連載企画『ニッポンのおいしい、いただきます!』。まだまだ知られていない日本のおいしいモノを紹介していきます。
今回は、全国のおいしいものに詳しい産直通販サイトの「食べチョク」 さんに教えていただいた食材をご紹介。山梨県水産技術センターが開発した山梨県オリジナルの魚「富士の介」についてご紹介します。
いったいどんな魚なのか想像がつきませんよね。「富士の介」の魅力やおいしい食べ方について、たっぷりとお届けします。
山梨県オリジナルの魚「富士の介」
マス類で最高級とされるキングサーモンと、山梨県で生産量ナンバーワンのニジマスを交配して生まれた魚が富士の介です。
山梨を連想させる富士山の「富士」に、標準和名がマスノスケであるキングサーモンの血を引くことから「の介」を重ね合わせ、「富士の介」と名付けられとのこと。
なんだか強そうだしかっこいい名前だと思っていたら、こちらは一般応募によって全国から応募のあった3,163点の中から選ばれた名前なんだそう! 日本最高峰の山と鮭の王様のイメージから、山梨県を代表する魚として大きく育ってほしいという期待がこめられています。
名水溢れる山梨県
世界文化遺産の富士山をはじめ、南アルプス、八ヶ岳、奥秩父などの名峰に囲まれ、その恩恵がたどり着くたぐいまれな地形を持つ山梨県は、まさに天に選ばれし名水の地。県土の8割を森林が占めています。
山に降る雨や雪は、森林を潤しながら地表から地下に浸透し、下層にある砂礫層(粗い砂を含んだ層)を流れて清らかな水質になっていきます。そして清らかな伏流水は、やがて湧水となり、河川にも流れ、県内各地にたどりつくのです。
そんな名水溢れる山梨県の北杜市小淵沢町にて、自然のもつ本来の機能を活用した持続可能なモノづくりに取り組んでいるのが、富士ジネンテックファームのみなさん。
八ヶ岳南麓の湧水で、ニジマスや富士の介を育てています。
養殖場では給餌をしながら日々の魚の観察やケアを、加工部門ではすべて手作業で製造をして製品の細かな配慮に努めるなど、鱒のおいしさを多くのみなさまにお伝えしたいという想いで取り組まれているそうです。
キングサーモンの血を引く魚
日本には全国各地に数多くのご当地サーモンが存在しますが、その中でもキングサーモンの血を引く魚は「富士の介」のみ。
山梨県水産技術センターが生産した卵と、加熱加工された安全なエサで飼育し、出荷時の肉色や鮮度保持の方法などの基準を満たしたものだけが「富士の介」として出荷されるんだそうです。
富士の介は、おいしさや鮮度を保ったまま製品にできるように、水揚げ後すぐに加工して急速冷凍で仕上げ、お客様のもとにお届けしているとのこと。
豊かな旨味がしっかりと詰まった状態で届くので、おうちでも新鮮なおいしさを存分に味わうことができます。
あのさかなクンも応援団長として富士の介のすごさを動画で語っていました!
魚博士のお墨付きとあらば、ますます気になりますね。
おうちごはん編集部が食べてみた!
さてさて、富士の介への興味がかなり高まってきましたので、早速おうちごはん編集部も富士の介を実際にいただいてみました。
新鮮なので、まずは生のままお刺身でいただいてみると……きめ細やかな身の質感とほどよくのった上品な脂の旨みがたまりません!
国内で広く流通している海で養殖されたサーモンと比べると「クセがない」んだとか。しかも、一般的なサーモンと比べると、高タンパク・低カロリー。確かに、脂はのっているけど、臭みなどは一切ありませんでした。クセがない分、どんな料理とも相性抜群の優れたお魚です。
今回は、神奈川県横浜市のフレンチレストランHitotsuのオーナーシェフである野田一寿さんが考案した富士の介を使ったアレンジレシピを教えていただき、実際に作ってみました。
レシピと共に、いただいてみた感想をお伝えしたいと思います。
和のハーブ薫る富士の介の紙包焼き
![](https://ouchigohan.s3.amazonaws.com/uploads/item_image/image/38776/91312c75-5c5e-436a-beb5-312b4ae12e87.jpeg)
材料(1人前)
<檜オイル>
・檜……10g
・オリーブオイル……200g
<ブライニング液>
・水……400cc
・塩……40g
・砂糖……20g
<紙包焼き>
・富士の介サーモン……90g
・オリーブオイル……5g
・クロモジ……1g
・玉ねぎ……50g
・きのこ……50g
(マッシュルーム、舞茸、しめじなど、お好みのものを複数種類混ぜ合わせる)
・ミニトマト……2個
・オリーブ……2個
・ズッキーニ……1/5本
・オクラ……1本
・レモンスライス……1枚
・バター……10g
・イブキシャコウソウ(和のタイム)……5本
![](https://ouchigohan.s3.amazonaws.com/uploads/item_image/image/38789/824179db-b123-4c81-865c-cee2de478f79.jpeg)
▲檜:古くから日本料理のあしらいとして利用されており、葉には抗菌・防腐効果があるので肉や魚と保存すると長持ちする。
![](https://ouchigohan.s3.amazonaws.com/uploads/item_image/image/38790/6cd4523a-b0e1-4cc8-afb8-46818a1e96c9.jpeg)
▲クロモジ:枝の部分は高級楊枝の材料にも使われているクスノキ科の落葉低木。
下準備
<檜オイルを作る>
1. 檜をボウルに入れて軽くつぶし、フライパンに入れて弱火で5分加熱する。
![](https://ouchigohan.s3.amazonaws.com/uploads/item_image/image/38777/7ad2839f-2b3e-4e50-8fb6-e2e560ab81f2.jpeg)
![](https://ouchigohan.s3.amazonaws.com/uploads/item_image/image/38778/5d7fdf78-3819-4640-914d-a8b0bc1d1670.jpeg)
2. 1の檜をボウルに戻し、ひたひたよりも少し多いくらいのオリーブオイルを加える。
![](https://ouchigohan.s3.amazonaws.com/uploads/item_image/image/38779/4793f513-f3a9-4210-bd53-373c442f70dc.jpeg)
※檜オイルは使う1週間ほどまえに作っておくと、よりしっかりと香りを楽しめるそうです!
![](https://ouchigohan.s3.amazonaws.com/uploads/item_image/image/38780/5454a4ad-3514-4d81-b4a3-2b4b6b11a768.jpeg)
▲余った檜オイルは瓶に入れて保存しています。お肉やお魚料理にプラスすると、香りがよくなって料理がアップグレードしますよ!
<ブライトニング液を作る>
材料をボウルに入れ、塩と砂糖が溶けるまでしっかりと混ぜる。
作り方
1. 富士の介の水分をペーパータオルでふき取り、ブライニング液に浸す。(約45分間)
※富士の介が浮いてくる場合は、ラップで蓋をしてください。
![](https://ouchigohan.s3.amazonaws.com/uploads/item_image/image/38781/b6699b34-caac-439c-b1d0-5a67baf255e7.jpeg)
2. 玉ねぎは薄めのスライスに、きのこ類は石づきを外して手でほぐす。ミニトマトは1/4
に、ズッキーニは一口大にカットし、オリーブは薄めにスライスする。オクラはがくをとって縦に半分にカットする。
3. ブライニング液から取り出した富士の介の水分をふき取り、オリーブオイルをまとわせる。
4. クロモジを小さくちぎり、枝を取り除いたら、3にまとわせる。
![](https://ouchigohan.s3.amazonaws.com/uploads/item_image/image/38783/850a4349-b86a-4cf0-82f5-7d9f47464056.jpeg)
5. クッキングシートを大きめに広げ、玉ねぎ、きのこを広げて檜のオイルをかける。
6. 5の上に富士の介、ミニトマト、ズッキーニ、オリーブ、オクラをのせる。最後にレモンスライス、バターをのせ、イブキジャコウソウをのせる。
![](https://ouchigohan.s3.amazonaws.com/uploads/item_image/image/38784/d61f640f-b104-4f0f-921e-d988489273c9.jpeg)
7. クッキングシートを折りたたんで閉じる。
※焼いているときに広がらないようにしっかりと折り目を付けて閉じる。
![](https://ouchigohan.s3.amazonaws.com/uploads/item_image/image/38785/d0b4f708-b6b0-4617-9eb2-979379fe8c2a.jpeg)
8. フライパンに7をのせ、蒸し焼きにするために水をひき、蓋をして中火で7分加熱する。
![](https://ouchigohan.s3.amazonaws.com/uploads/item_image/image/38786/89936ace-6a3b-437b-8af5-435d60d61c4b.jpeg)
フレッシュなハーブの香りと肉厚な富士の介の相性が抜群!
![](https://ouchigohan.s3.amazonaws.com/uploads/item_image/image/38787/c6bada76-ea21-4ad5-af44-4c65a1e289c2.jpeg)
今回使ったハーブは、富士の介を育てる富士ジネンテックファームさんのご近所にある「ハーブスタンド」さんが育てた自然栽培のこだわりのハーブ。
普段はあまり使わない和のハーブを3種類使ったのですが、このハーブのフレッシュな香りがとにかく良かったです! 包みを開けた途端、ハーブがふわっと香って食欲をそそりました。
富士の介をブライニング液に漬け込んで下味をつけたほかは、ハーブとバターとオイルのみというかなりシンプルな味付けだったのですが、これが野菜の旨味と富士の介の旨味を引き立ててくれるんだなと実感しました。
そして主役の富士の介ですが……、もうね、ふわっふわ!!
肉厚で柔らかくて旨味がぎゅっと詰まってて、最高においしかったです。
▼富士自然テックファームさんとハーブスタンドさんのご近所出品グループ
キングサーモン×ニジマスの濃厚な味わいをご堪能あれ!
養殖のサーモンはもっと脂がこってりとしているイメージがあったのですが、富士の介は脂がとても上品でこってりしすぎず、身が引き締まっていてとてもおいしかったです。
山梨県オリジナルの魚ということでじわじわと注目度も高まってきているようなので、気になる方はぜひ一度そのおいしさを体験してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、今回おうちごはん編集部が作ってみた野田シェフのレシピを作ってみたい!という方は、富士の介とハーブ類がセットになったセットがおすすめ。
今月末には、食べチョクさん主催のオンライン料理教室も開催されるとのこと。オンライン料理教室が特典でついてくる食材セットも販売しているので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
情報提供・協力:株式会社ビビッドガーデン(食べチョク)
(text by まい姉)
![](https://ouchigohan.s3.amazonaws.com/uploads/item_image/image/38535/78564d16-f143-4fe5-874d-046964b69107.jpeg)
「おうちごはんでぜひ取り上げてほしい!」というおすすめの食材がある方は、その食材の詳細&おすすめポイントとともに、ぜひおうちごはん編集部までご連絡ください!
みなさんからの情報をお待ちしております。
【お問い合わせ先】
E-mail:support@ouchi-gohan.jp
おうちごはん編集部 担当:金子宛