
世界中で巻き起こるクラフトジンブーム
ここ最近、世界的にも人気が高まっている「クラフトジン」。
クラフトジンを楽しめるバーが増えてきたり、日本酒や焼酎の蔵元がジンを製造したりと、クラフトジン旋風は日本でも巻き起こっています。
そもそも「クラフトジン」とは……?
ジンは蒸留酒をジュニパーベリー(西洋ネズ)で香りづけしたお酒のこと。
これに加え、ハーブや根、草、種などを配合して個性的な味をつけたものが最近のクラフトジンに多い特徴です。
なぜ今、「クラフトジン」がブームなのか
世界全体に目を向けてみると、1920年のアメリカの禁酒法や2008年のリーマンショックまで遡る必要があるのですが、日本におけるジンの普及は、ウイスキー(ハイボール)ブームの影響が大きいと考えられています。
3年以上の熟成が必要なウイスキーを製造している間、熟成させずともすぐに出荷できるジンを並行して作るというビジネス的な観点がひとつ。
また、ベースとなるスピリッツの原料には焼酎や日本酒が使えるため、自社の酒をベースに、ジンの開発に取り組むという蔵元も増えてきています。
日本のボタニカルが織りなす、ジャパニーズクラフトジン
“ととのえる”時間に寄り添うクラフトジン「HOLON」

ストレスや疲れを抱えやすい現代人に向け、東洋古来のハーブやスパイスなど9種類のボタニカルを調合。心と身体の調和をテーマに、口あたりのよさを引き出すため、アルコール度数は約35度とジンとしては低めに作られています。
東洋のバニラとも呼ばれるパンダンリーフやシナモンの甘い風味と、山椒のようなスパイシーさを感じられる味で、しっかりと香り付けされているので、トニックウォーターなどで割ってカクテルとして楽しみやすいジンです。
桜の花や紫蘇の葉を浮かべ、ゆったりとした時間を楽しむのに最適なジンです。
本場・英国が認める「東経135度兵庫ドライジン」

ジュニパーベリーの独特な香りが苦手な方におすすめなのがこちら。
兵庫県明石市にある「海峡蒸溜所」で製造される「東経135度兵庫ドライジン」。
2020年に欧米で先行販売が開始され、本場イギリスでも高く評価され、生産が追い付かない状況となっていました。
ロンドンジンをベースに、柚子・山椒・煎茶・紫蘇・梅の5種類のジャパニーズボタニカルを合わせ、また、隠し味として蒸溜した純米酒が入っています。
とにかくなめらかで甘く、ジンの薬草っぽい風味が苦手な方でも、おいしく飲めるジンです。

▲ブランド名は、日本の標準時の基準となる東経135度子午線が通る明石市が「時のまち」と呼ばれることにちなんで命名されたのだそう。
世界的な酒類品評会で金賞を受賞した京都のドライジン「木の美」

ジンとしては珍しい、米のスピリッツをベースに、ジュニパーをはじめ、檜、玉露、無農薬の柚子、山椒など、京都産を中心とした11種類のボタニカルと伏見の名水を使用したスペシャルなジンです。
英国ジンの伝統の味と和のボタニカルがマッチしたこちらのジンは、2018年には英国の酒類品評会「IWSC」で「コンテンポラリー」カテゴリーにおいて最高賞となる「Trophy」を受賞。
みずみずしい柚子の香りとまろやかな甘味とすっきりと喉を通るハーブのスパイス。一度は味わっていただきたい逸品です。
コストコで買えるカナダのジン「romeo's gin」

この記事で紹介するジンの中でもっともジュニパーベリーの香りが弱く、爽やかな味わいの「romeo's gin」は、なんとコストコで手に入るコスパの良いジンです。
ジン特有のクセが一切なく、カクテルにするとジンと気づかない人もいるのでは?と思うくらい飲みやすいのが特徴。
ライムやグレープフルーツのような柑橘系の香りを楽しむため、ロックやソーダ割りで飲むのがおすすめ。クセがないので、食事と一緒に飲むのも良いです。

ただ、こちらのお酒、飲みやすさとは逆にアルコール度数は46度とやや高いので、飲み過ぎには注意が必要。
アルコール特有の嫌な感じが全くないので、つい何杯も飲み過ぎてしまいます……。
ジャパニーズジンの火付け役「翠」

日本のジンブームを語る際に欠かせないのがサントリーの「翠」。「ジンと聞いて最初に思い浮かぶお酒は翠」という方も多いのではないでしょうか?
ジュニパーベリーの香りは控えめで、柑橘の香りと甘味が強いのが特徴で、とにかく飲みやすい。
ジンはあまり食事と一緒に飲むお酒ではないのですが、こちらは食中酒としても人気で、翠を炭酸で割ったジンソーダは、ハイボールに次ぐ新定番としても定着しそうなくらいどんな食事にも合います。
今年に入ってからは「翠ジンソーダ缶」というレディ・トゥ・ドリンク商品(そのまま飲めるアルコール飲料)も発売されており、ジンをより身近な飲み物として広めてくれた立役者でもあります。
日本の四季が生んだジャパニーズクラフトジン「ROKU」

同じく、サントリーから発売されている「ROKU」。
桜の花、桜の葉、煎茶、玉露、山椒、柚子という日本の四季を感じられるボタニカルを6種使用しているのが特徴です。また、全て旬の時期に収穫したものなので、香りも味わいも格別。
「ROKU」も「翠」同様に、クセがなく飲みやすく、スッキリとした後味が香る上品な味わいで、ジンを飲む機会があまりなかった日本の私たちでもジンのおいしさを味わうことができます。
サントリーの創業者である鳥井信治郎氏の「日本人の手による、世界で愉しまれる洋酒をつくりたい」という想いを具現化したようなお酒です。
家飲みにぴったりのクラフトジン
食中酒にも食後の晩酌にも、シーンを選ばず飲めて、ヘルシーなジン。
ウイスキーやワインが定番だった我が家でも最近はもっぱらジンを飲んでいます。割り方によって様々なカクテルを楽しめる点も飽きないポイントです。
ぜひみなさんもおうちでジンを楽しんでみてはいかがでしょうか?