出典 : @mermaidrose_fujii

【クラフトビール入門編】難しくない!おうちクラフトビールの楽しみ方おしえます

ほかにはない味わいが楽しめると人気のクラフトビール。スーパーやコンビニでもさまざまな種類が売られていて買いやすくなったものの、どれを選んでいいか迷ってしまいますよね。そこで、東京・代官山に醸造所併設店舗を構える「スプリングバレーブルワリー東京 」で、クラフトビールの上手な選び方やおうちでおいしく飲むコツを聞きました!

クラフトビールが人気です!

もうすっかり耳慣れた「クラフトビール」という言葉。クラフトビールを販売しているお店や提供している飲食店も増え、飲んだことがあるという方も多いですよね。

ビールを醸造する醸造所のことを「ブルワリー」と呼ぶのですが、今、日本にはクラフトビールのブルワリーが400近くもあるそう。そんなにあるとは驚きですね!

私もビールが好きでクラフトビールを飲むこともあるのですが、種類が多過ぎて、毎回どれを飲んだらいいのか迷ってしまいます。

そもそもクラフトビールって……普通のビールと何が違うのでしょう? 昔からある地ビールとは別物なのでしょうか? クラフトビールのことをもっと知れば、さらにおいしく楽しく飲めるはず。

そこで、東京・代官山にある「スプリングバレーブルワリー東京 」におじゃまして、クラフトビールについてお話を伺ってきました!

クラフトビールの素朴な疑問アレコレ

「スプリングバレーブルワリー」は、キリンビールの社内ベンチャーから生まれたクラフトブルワリー。現在、代官山、横浜、京都に醸造所併設店舗を構え、その場で造られたクラフトビールと、自然の素材の良さを生かしたさまざまな料理を提供しています。

今回、お話を聞かせてくれたのは、スプリングバレーブルワリーのブランドアンバサダーである金川さん。さっそく、クラフトビールにまつわる素朴な疑問をぶつけてみました。

クラフトビールってどんなビールのこと?

クラフトビールってよく聞くけれど、実際にどんなビールをクラフトビールっていうんでしょう。材料や製法に何か決まりはあるんでしょうか?

アメリカだと小規模のブルワリーで造られていて、伝統的な製法で……など厳密な決まりがあるそうなのですが、じつは日本では明確な定義はないんですって。

ただ、スプリングバレーブルワリーでは、造り手(醸造家)の顔が見えて、それぞれの個性が感じられるビールをクラフトビールと考えているのだとか。

「造り手によって個性が全く違うので、それを楽しむっていうところがクラフトビールの特徴かなと思います」と金川さん。ビールのレシピと材料が同じでも造り手によって味が全く違うというからビックリです!

地ビールもクラフトビールも呼び方は違えど、個性を楽しめるという意味では同じ仲間。金川さんいわく、「クラフトビールでも地元産原料を使ってその地元を盛り上げようとしているビールもあり、その想いは一緒です」とのことでした。どっちがどっちとか気にせず、素直に楽しめばいいんですね!

どうやって造っているの?

クラフトビールの原料は麦芽ホップ酵母で、これは普通のビールと同じ。大まかな造り方も普通のビールと一緒なのだそう。

この日は店内にあるガラス製の仕込釜や発酵タンクを見ながら、金川さんにビール造りについて解説していただきました。

ビール造りのはじまりは、麦とお湯を混ぜてお粥状にすること。その後、ろ過したものにホップを投入してぐつぐつ煮るとビール特有の苦みが出てくるのだとか。

そこに酵母を加えると発酵が起こり、アルコールと炭酸ガスが発生します。発酵は大体1週間ぐらいで終わるそうですが、この状態だとまだ味が安定しません。3週間ぐらい貯蔵するとだんだん味が安定して熟成され、完成品のビールになるんだそうです。

「ビールって炭酸ガスをあとから入れているのかなって思っている方もいらっしゃるんですけど、じつは生きている酵母が頑張って造った炭酸がビールのあのシュワシュワを生んでいるんです」と金川さん。

これまで考えたことがなかったけれど、ビールのあの泡は酵母がせっせと造ってくれていたんだなぁと思うと何やら愛おしさがこみ上げてきます。

クラフトビール造りに必要なのは、麦芽、ホップ、酵母、水のほか、銘柄によってはフルーツやスパイスなどの副原料。クラフトビールって全て自然のもので造られているんですね。

ビールによって味も色も違うのはなぜ?

主な原料は一緒なのに、ビールによって薄い色のものもあれば濃い色のものもあり、味も全く違うのはなぜ?って思いますよね。

金川さんいわく、「どの麦を使うか、どの酵母を使うかで変わってきますし、それをどう組み合わせるかによっても変わってきます。さらに造り手がどんなビールを造りたいかという想いもあるので、個性は無限大だと思います」とのことでした。

たとえば、発酵に使う酵母の種類は大きく分けて2種類あり、それによって発酵の仕方が変わってきます。上面発酵の「エール」は香りが良く、下面発酵の「ラガー」はキレのあるすっきりとした味わいになるそう。

一方、麦芽は乾燥させて、必要に応じて焙煎するのですが、この焙煎を強くすれば麦芽の色が茶色や黒色となり、ビールも濃い色に。香りもコーヒーのように香ばしくなります。

また、フルーツを入れれば、その種類によってさまざまな色味と香り、甘み、酸味が加わります。フルーツを入れるタイミングによっても変わってくるので、金川さんの言うように本当に無限の可能性があるんです!

現在、ビールの種類(スタイル)は100以上で、まだまだ増えているそう。いろいろ飲み比べながらお気に入りを探したいですね。

おうちクラフトビールを楽しむ極意

クラフトビールについて何となく分かったけれど、いざ飲もうと思った時、どれを選んだらいいのか分からないという人も多いはず。

そこで、「スプリングバレーブルワリー東京 」で教えてもらった、おうちクラフトビールを楽しむ上での選び方や味わい方のコツをご紹介します!

極意1:エールとラガーを覚えておこう

さきほど、ビールのスタイルは100種類以上と書きましたが、とてもそんなに覚えられませんよね……。なので、とりあえず「エール」「ラガー」を覚えておきましょう。

エールは華やかな香りが特徴でその代表格は「ペールエール」。ラガーはすっきりとしたのど越しでその代表格は「ピルスナー」です。

特に「ペールエール」と「ピルスナー」はどちらも王道スタイルで飲みやすいので、初心者におすすめです。

極意2:ラベルをチェックしよう

瓶商品や缶商品を買うとき、まずチェックしたいのはラベル。そこに大抵「ペールエール」や「ピルスナー」などスタイル名が書いてあります。

また、小麦を使ったホワイトビールはフルーティーで飲み口が軽いものが多め。原材料に小麦麦芽が入っていたり、どこかに「ホワイト」の文字が入っていたりするので、選ぶときの参考にしてみてくださいね。

原材料にフルーツが使われているものも飲みやすさは抜群です。

極意3:名前やパッケージで選ぶのもあり

金川さんがクラフトビールを飲みはじめた時、よくやっていたのが“ジャケ買い”と“名前買い”だったそう。名前が気になるものをとりあえず買ってみると、意外とその名前がビールの味を表しているのだとか。

「『水曜日のネコ』はかわいい名前だなぁと思って買ったら、その通りのやわらかい味わいでした」(金川さん)

造り手のこだわりは名前やパッケージにも表れているので、見た目で選ぶのも全然ありです!

極意4:グラスにこだわるとよりおいしい

香りもおいしいクラフトビールは、瓶や缶から直接飲むより、グラスに注いだ方が断然おいしい!

なかでも、飲み口が外側に広がっているチューリップグラスは、口をつけたときに鼻まですっぽり入るのでおすすめ。チューリップグラスがなければ、ワイングラスでも良いそう。

逆に酸味の強いものは、フルートグラスのような飲み口の小さいグラスで飲んだ方が程よい場合も。

「スプリングバレーブルワリー東京 」をはじめ、ビアバーではそれぞれのビアスタイルに合ったグラスで提供しているので、参考にしてみては。

極意5:注ぎ方にもコツがあります

ビールといえば、泡を立てて注ぐイメージがありますが、クラフトビールは泡を立てない方が良い場合も。

泡は蓋のような役割をする一方、ビールの苦み成分を吸着し、泡がはじけるたびにその苦みを空気中に逃がしてしまうのだとか。

まずは泡を立てないように静かに注いで味わい、「ちょっと苦いな」と思ったら、高いところから勢い良く注いで泡を立ててみる。2つを飲み比べてみて、好みの注ぎ方で召し上がれ!

【編集部で飲み比べ!】コンビニやスーパーで買えるクラフトビール5選

最近はコンビニやスーパーで買えるクラフトビールがたくさん。教えてもらった極意に従って5本選び、編集部で飲み比べてみました。ぜひビール選びの参考にしてみてくださいね!

かわいさと飲みやすさ抜群「水曜日のネコ」

かわいい名前とパッケージがひときわ目を引く「水曜日のネコ」。これは思わず名前買い、ジャケ買いしたくなる1本ですよね。

缶には「ホワイトエール」という文字が入っていて、原材料には小麦麦芽オレンジピールコリアンダーシードとあるので、香りが良くて華やかで、フルーティーな味わいなんだろうなぁということが分かります。

実際に飲んでみても、爽やかですっきりとしていて飲みやすさ抜群! 普段ビールを飲まない方や苦いビールは苦手と思っている方は、まずこれからどうぞ。

数量限定の味わい「僕ビール、君ビール。屋上のジョン」

“かえる君”のキャラクターが目印の「僕ビール、君ビール。」。買えるのは全国のローソン・ナチュラルローソン・ポプラの酒類取扱い店舗のみで、現在「僕ビール、君ビール。屋上のジョン」が数量限定で発売中です。

ピンクの缶に黒のスーツとハットでシックにキメた“かえる君”がプリントされていて、思わず手に取りたくなるキュートなデザイン。

味の特徴は、イギリスで伝統的なビアスタイルであるベルジャンペールエールを、アメリカンホップを使用することで現代的な味わいにアレンジしているそう。

ペールエールといえばエール系ビールの代表格で、華やかな香りが魅力ですよね。こちらもレモンを思わせるフルーティーないい香り。飲んでみると、苦みがありながらも爽やかで、香味のバランスが絶妙。後を引く味わいで、クラフトビール初心者でも飲みやすいと思います。

ただ、数量限定だけにもしも売っていなかったらごめんなさい! ほかにも限定ビールはちょこちょこ登場しているので、こまめにお店を覗いてみることをおすすめします。

苦みと香りがクセになる「インドの青鬼」

「インドの青鬼」もとっても気になる名前とパッケージ。ビアスタイルは、いま人気の「IPA」です。IPAはインディア・ペールエールの略称で、ホップの香りと苦みがしっかりした味わいが特徴なのだとか。

香りはグレープフルーツように爽やかで、飲んでみると……苦い! 口の中にぶわ~っと広がるコクもすごいです。でも……なんだかそれがとっても後を引いちゃう。

チビチビと飲んでいたらぬるくなってしまったのですが、むしろその方が香りが立って味わい深かったです。飲み慣れない人にはちょっと強烈かもしれませんが、気づいたらヤミツキになっているかも。

IPAとラガーのいいとこどり「グランドキリン IPL(インディア・ペールラガー)」

こちらの「グランドキリン IPL」は、「IPA」ではなく「IPL(インディア・ペールラガー)」というビアスタイル。缶には「IPAのような華やかな香りとラガーのキレ」と書かれていて、どんな味わいなのかとても興味をそそられます。

さっそく飲んでみると、たしかにIPAのようなシトラス系の華やかな香りがふわっと漂い、味わいもフルーティー。なのですが、ラガーらしい苦みとコクもしっかり感じられて、後味はすっきり。まさにIPAとラガーの2つの魅力が見事に調和している感じです!

「グランドキリン」シリーズにはIPAもあるので、そちらと飲み比べてみるのも楽しそうです。

安定の飲みやすさ「レモンビール」

「レモンビール」というだけあって、原材料の中には濃縮レモン果汁の表記が。フルーツ入りなら間違いなく飲みやすいはず。

いざ飲んでみると、レモンの風味がふわ~っと広がり、思った通り飲みやすいです! レモンは酸っぱいというわけではなく、ほんのりとした甘さを感じます。

すっきり爽やかな味わいだから、ごはんにも合いそう。アルコールも4%と低めなので、普段ビールを飲まない人も気軽にチャレンジしてみては。

クラフトビールは楽しい!

たくさんの種類があって、それぞれに色も香りも味わいも異なるクラフトビール。グラスや注ぎ方、そしてビールの温度などによっても変わってくるので、本当に奥が深いですよね。

でも、難しいことを考える必要は全くなし! 好きなスタイルで楽しむのが一番です。ただ、なかには思った以上にアルコール度数が高いビールもあるので、ゴクゴク飲むのは危険かも。色や香りも楽しみながら、じっくり味わうのがおすすめです。

さっそく、この週末にでもおうちクラフトビールを楽しんでみませんか?

「スプリングバレーブルワリー東京」とは?

取材でおじゃました「スプリングバレーブルワリー東京」は、東急東横線・代官山駅から徒歩3分の場所にあるオールデイダイニング。スプリングバレーブルワリーのビールとともに、自然の素材の良さを生かした多彩な料理が味わえます。

定番のビールは6種類。究極のバランスを目指したスプリングバレーブルワリーのフラッグシップビール「496」をはじめ、フルーティーで爽やかな「on the cloud」や、まるでカフェラテのような黒ビール「Afterdark」などがそろいます。こちらはオンラインショップでの購入も可能です。

また、お店でしか飲めない限定ビールや実験的なプロトタイプビールなどもあるほか、料理に合わせてビールを選ぶ“ペアリング”も楽しめます。金川さんの一押しは、「Afterdark」とフランス産の濃厚なクリームチーズを使用した「バスクチーズケーキ」。その驚きのおいしさを、ぜひお店で堪能してみてくださいね!

SPRING VALLEY BREWERY(スプリングバレーブルワリー)

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