
世界遺産の街、ポルトへ
気ままに自分のペースで暮らすように旅をしながら、世界各地で出合ったおいしいものや暮らしのスタイル、そしてとっておきのごはんについてご紹介する、おうちごはん編集部micoのコラム。
今回はポルトガル第2の都市・ポルトへ。南蛮貿易の拠点として栄えた出島などの歴史的建造物やポルトガルの「パン・デ・ロー」という伝統菓子が起源とされるカステラ、国の重要無形民俗文化財に指定されている長崎くんちなどポルトガル文化の名残が日常的に感じられる長崎で生まれ育った私にとって、ポルトガルはいつか訪れてみたいあこがれの国でした。
長崎市の姉妹都市でもあるポルト市を初めて訪れて出合った、おすすめのお店とワイナリーをご紹介します。
世界遺産の歴史地区を散策

ローマ時代から海洋貿易の拠点として栄え、ポルトガル発祥の地といわれるポルト。
以前スタッフコラムでご紹介したシドニーに引き続き、今回も無料のウォーキングツアーに参加して、世界遺産に認定されている「ポルト歴史地区」を散策しました。

▲「Ponte Luís I(ドン・ルイス1世橋)」世界遺産のポルトの中心部とヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア地区を結ぶ道路・鉄道併用橋

▲「McDonald's Imperial(マクドナルド・インペリアル)」1930年代に建てられた「インペリアル・カフェ」を改装した、アールデコ調のステンドグラスやシャンデリアなど豪華な内装が印象的なマクドナルド。

ドウロ川沿いに広がるポルトの街は、起伏に富んだ地形の丘陵地に位置しているため坂道や階段が非常に多く、歩道の石畳はとても素敵なのですが少し滑りやすくてつまずいている方もちらほら……。
ドン・ルイス1世橋からの眺めをはじめとして、昼も夜も様々な景観が楽しめるポルトの街並みは本当に美しくて魅力的なスポットがたくさんありますが、急な坂道や階段を上がらないと辿り着けないところも多いので、スニーカーなど歩きやすい靴で散策するのがおすすめです。
人気の観光スポット「Livraria Lello」

1869年に創業の「Livraria Lello(レロ・イ・イルマオン)」は、世界で最も美しい書店のひとつに数えられており、またハリーポッターの世界観に影響を与えたともいわれていて、行列の絶えない人気の観光スポットとなっています。
荘厳な雰囲気を醸し出すネオゴシック調の内装と中央の赤い螺旋階段、そして2階の天井を飾る美しいステンドグラス。ぜひ予約してから訪れてみてください。
ポルトのおいしいお店とワイナリー
O Buraco

オープンと同時に地元の方々で賑わいを見せる「O Buraco(ブラコ)」は、事前に調べてポルトで必ず訪れたいと思っていたポルトガル家庭料理をリーズナブルに楽しめるお店。
サクッと軽くて全く臭みがなく、あまりのおいしさにパクパクどれだけでも食べられそうなSardinhas Fritas(小鰯のフリット)。一緒に提供されるArroz de tomate(トマトのリゾット)も塩気と酸味が程よくて、どちらもポルト滞在中にまた食べに行きたくなるほどおいしかったです!

Arroz de Pato(鴨の炊き込みごはん)もポルトガルの定番料理で、肉の旨味がお米に染みわたっていて、ほっとする味わい。ワインとの相性も抜群でした。
Manteigaria

「Manteigaria(マンテイガリア)」は、ポルトガルの伝統菓子であるpastel de nata(パステル・デ・ナタ)の名店。店内の工房で職人さんによってひとつひとつ丁寧に作られています。

とろーりなめらかなクリームとパリパリとした食感のパイ生地が絶妙で、シナモンパウダーを振りかけるとスパイシーな香りがプラスされて風味豊かに。焼きたてのパステル・デ・ナタを本場でぜひ。
Poças

ポートワインの生産地として有名なポルト市とその周辺のドウロ川流域にはワイナリーがたくさんあり、見学や試飲を楽しむことができます。
今回はウォーキングツアーのガイドさんおすすめの「Poças(ポカス)」へ。

100年以上の歴史を持つPocasのこれまでの歩みやワインの製造過程など、ワイナリースタッフに貴重なお話を伺いながらゆっくり見学し、最後に4種類のワインを試飲させていただきました。

この日の参加者はドイツとアメリカでそれぞれ暮らしている姉妹と私の3人でしたが、アットホームな雰囲気の中で見学も試飲も楽しむことができ、予約なしでの訪問にもかかわらず快く受け入れてくださったワイナリースタッフのおかげで素敵な思い出になりました。
おいしいものを探して、てくてくと

初めて訪れたポルトの街では坂と階段の多さに驚きましたが、ドン・ルイス1世橋からの眺めやドウロ川の夕日など数多くの絶景スポットがあり、街にはたくさんの紫陽花が。街並みも風景も私の記憶の中にある長崎の景色とどことなく似ていてなつかしい気持ちに。
おいしいものを探して、てくてくと。またお会いする日まで。