【クリスマス特別編】ヨーロッパのクリスマスマーケット
気ままに自分のペースで暮らすように旅をしながら、世界各地で出会ったおいしいものや暮らしのスタイル、そしてとっておきのごはんについてご紹介する、おうちごはん編集部micoのコラム。
今回はクリスマス特別編ということで、ヨーロッパの冬の風物詩「クリスマスマーケット」へご案内! スイス・バーゼル&チューリッヒ、フランス・コルマールを旅します。
空港の真ん中に国境がある「ユーロポート・バーゼル・ミュールーズ・フライブルグ空港」
旅のはじまりは、ドイツとフランスに近いスイス第3の都市・バーゼルから。2017年の12月、初めて降り立った「EuroAirport Basel-Mulhouse-Freiburg(ユーロポート・バーゼル・ミュールーズ・フライブルグ空港)」 。
到着後、空港スタッフに「ここはフランスに位置するんだよね⁉」と尋ねてみると、“ A little complicated ” との返事が。気になって調べてみると、なんと空港の真ん中に国境がある世界でも極めて稀な空港で、スイス側とフランス側で同じ空港内なのに物価が違うんです! なんだかわくわくしてしまって、空港の中にある国境を行ったり来たり(笑)。
スイス・バーゼルのクリスマスマーケット
スイス最大級を誇るバーゼル(Basel)のクリスマスマーケット。歴史博物館前のバルフュッサー広場(Barfüsserplatz)と大聖堂前のミュンスター広場(Münsterplatz)を中心としたエリアに180もの小屋が並び、クリスマスならではのグッズや食べ物などが数多く販売されています。
クリスマスマーケットの定番「グリューワイン(Glühwein)」
シナモンやクローブなどのスパイスが香る、あたたかくてほんのり甘いグリューワインは、クリスマスマーケットには欠かせないホットドリンク。
訪れる地域やお店によって、味はもちろんのことグリューワインが提供されるカップも異なり、デザインも毎年違うとのこと。バーゼルのクリスマスマーケットでグリューワインを楽しんだブーツ型のかわいいカップは、記念に日本へ持ち帰りました。
(FYI:購入時にカップ代も加算されているので自由に持ち帰ることができ、お店にカップを返すと返金してもらえます)
「Pilz-Hüsli」
クリスマスマーケットを散策している時に見つけた、様々な種類のきのこや雑穀類、こだわりの調味料などを販売している「Pilz-Hüsli」。お店のまわりには、湯気とともにきのこのいい香りが。
大きな鍋から立ち込める香りにつられてオーダーしたきのこのクリームリゾットが、本当においしくておいしくて……。歩きすぎておなかが減っていたのと寒さで体が冷え切っていたこともあり、一口ごとに生き返るような気持ちになったのを今でも覚えています。
大きなクリスマスピラミッド
バルフュッサー広場の名物、クリスマスピラミッド。1階がグリューワイン屋台になっていて、グリューワインを楽しんでいる人で昼も夜も賑わっています。
フランス・コルマールのクリスマスマーケット
スイス北西部のバーゼルから電車で約50分、ドイツとの国境に位置するフランス最東端アルザス地方・コルマール(Colmar)のクリスマスマーケットへ。
(FYI:私が訪れた時期(2017年12月中旬当時)は、クリスマス前だからということで電車(SNCF)のチケットが通常よりも安く購入できました)
まるで絵本の世界のような美しい街並み
クリスマスマーケットの聖地として有名なストラスブールや、今回ご紹介するコルマールがあるフランス・アルザス地方はクリスマスツリー発祥の地と言われており、またコルマールは宮崎駿監督の映画『ハウルと動く城』のモデルとなった街としても有名です。
フランスでは、「ヴァン・ショ(vin chaud)」
スイス・バーゼルで出会ったクリスマスマーケットの定番「グリューワイン(独: Glühwein)」、フランスにあるコルマールでは「ヴァン・ショ(仏: vin chaud)」として親しまれています。ちなみに英語では「マルドワイン(mulled wine)」で、ホットワインは和製英語です。
小さなヴェニス
コルマールの街を流れる運河沿いは、「La Petite Venise(小さなヴェニス)」と呼ばれており、カラフルで美しいこの風景を一目見るために世界各地から多くの観光客が訪れます。
「Le Comptoir de Georges」
お昼ごはんは、運河沿いにあるアルザス料理のお店「Le Comptoir de Georges」へ。
どれにしようか迷いに迷って、今日のおすすめ料理を意味する Plat Du Jour(10.20ユーロ:2017年12月時点)とアルザスワインをオーダー。お肉屋さんも併設していることもあり、パリッとジューシーな手作りソーセージが絶品でした。
※1ユーロ ≒ 120円(2019年12月現在)
パンやさんには、たくさんのマナラ(Manala)が
マナラ(Manala)は「小さな坊や」を意味する、ブリオッシュ生地で作られた人形型のお菓子。アルザス地方では子どもの守護聖人であるサン・ニコラの日(12月6日)にマナラを食べてお祝いする習慣があり、この季節にはパンやさんやお菓子やさんなどにたくさんのマナラが並んでいます。
メルヘンチックな街を彩る、幻想的なイルミネーション
おとぎ話に出てくるような、かわいらしい建物が印象的なコルマール。夜になるとイルミネーションが街を彩り、昼とはまた違う幻想的な雰囲気に。歩いているだけで幸せな気持ちになれるような素敵な街です。
スイス・チューリッヒのクリスマスマーケット
スイス最大の都市、チューリッヒ(Zürich)の中央駅構内で開催されている Christkindlimarkt Zürichは、ヨーロッパ最大級の屋内クリスマス・マーケット。
たくさんのクリスタルオーナメントが飾りつけられた、高さ15mを超えるスワロフスキーの巨大クリスマスツリーがひときわ輝きを放っています。
クリスマスの雑貨やスイスならではの食べ物など多くの出店が並ぶこちらのマーケットは、電車を降りてすぐにクリスマス気分を楽しめる立地のよさも魅力で、地元の方や観光客などたくさんの人で賑わっています。
スイスといえば、ラクレット!
スイスの伝統的なチーズ料理、ラクレット(Raclette)。おうちごはんでも以前ご紹介しましたが、溶かしたチーズをじゃがいもやパンなどに絡めて味わう一品は、クリスマスマーケットでも大人気!
蒸したじゃがいもに、とろ~りとろけるラクレットチーズ。あつあつをほおばるのが最高においしくて、寒さで冷えた体を芯から温めてくれます。
サンタが運転する、クリスマス限定のトラム
毎年クリスマスの季節に運行されている、メルリトラム(Märlitram)。サンタ役の男性運転士が運転するこの路面電車に乗車できるのは4~10歳までの子どもたちだけ。トラムの中では天使たちが絵本を読み聞かせてくれたり、みんなで歌を歌ったり、子どもたちの笑顔と夢があふれています。
夜空に星が降り注ぐ、チューリッヒのクリスマス
まるで夜空から星が降ってきたような、なんともいえない神秘的な美しさ。毎年11月下旬に点灯されるチューリッヒのクリスマス・イルミネーションは、ビートルズの楽曲にちなんで名付けれられた「ルーシー(LUCY)」の愛称で親しまれています。
▲光の雨のような無数のLEDライトで彩られて、街全体がクリスマスムード一色になるチューリッヒ。
ヨーロッパ各地で開催されているクリスマスマーケットですが、ヨーロッパの人気クリスマスマーケットのランキング『ベスト・クリスマスマーケット2020』では、116ヶ国からの旅行者約29万人による投票で、ハンガリーのブダペストが第1位に選ばれたそう。
ブタペスト(~2020年1月1日)やベルギーのブリュッセル(~2020年1月5日)など、場所によっては1月初旬までクリスマスマーケットが楽しめます。今ならまだ間に合う!? 2年前のことを振り返りながら記事を執筆していたら、またヨーロッパのクリスマスマーケットに行きたくなってきました。