
精進料理とは?
▲@kennybantamさんの「精進料理」は、精進煮、菜の花のおひたし、豆腐と豆苗のみそ汁、たくあん・糖しぼり大根、ご飯という一汁三菜。仏前に供えるお彼岸料理も一汁三菜が基本です
精進料理とは殺生を戒める仏教の教えに基づき、肉類や魚類など動物性の食材を使わない料理のことです。卵はもちろん、バターやチーズ、牛乳といった乳製品も使わないのが基本。鰹節や煮干し、コンソメなど動物性の出汁も同様で、昆布や椎茸などの植物性だしを使用します。
食材は野菜や果物、穀類、山菜、海藻、大豆加工品などが中心です。ただ、野菜の中でも「五葷(ごくん)」と呼ばれる匂いが強い野菜はNG。ニンニク・ニラ・ネギ・ラッキョウ・ノビルなど、ネギの仲間がそれにあたり、「煩悩を刺激する」とされています。
肉も魚も使わないとなると物足りないように感じるかもしれませんが、四季折々の旬の食材を活かして調理される精進料理は地味深くて、お腹も心もしっかりと満たされます。
今回はお寺の副住職さんが教えてくれる精進料理をはじめ、野菜やお麩、豆腐を使った料理をご紹介。お彼岸の日だけでなく、毎日のごはんにぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
肉や魚を使わなくても大満足!おすすめレシピ
おでん
出汁が中までじゅわっと染みた「おでん」は、寒くなってくると食べたくなる料理の1つですよね。大根、こんにゃく、がんもなど植物性食材だけで作れば、れっきとした精進料理になります。
こちらは、新潟県十日町市室野にある「曹洞宗 鶏足山 洞泉寺」の副住職さんのレシピ。おでんの素がなくても、白だしなどおうちにある調味料を合わせるだけで作れます。
弱火で2時間程コトコト煮ると、味が染み込んでおいしく仕上がりますよ。
お麩じゃが
肉の代わりにお麩を使った「肉じゃが」ならぬ「お麩じゃが」。こちらも「曹洞宗 鶏足山 洞泉寺」の副住職さんのレシピです。
お麩は、油で揚げた濃厚な味わいが魅力の「仙台麩」を使用。もちもちとした食感で出汁の旨味を吸ってくれるので、お肉の代用にぴったりです!
がんもどき
がんもどきは関西では「飛龍頭(ひりょうず)」と呼ばれ、精進料理の定番メニューの1つ。すりつぶした豆腐に野菜を加えて揚げて作ります。
こちらは、@calasumiさんが姪御さんから「カレーにがんもどきを入れて欲しい」とリクエストされて作った一品。豆腐と本葛で作った生地の中には、カレーに合うよう細切りにしてから塩炒めにしたにんじん、しめじ、モロッコいんげんが入っています。
具材はほかに、キクラゲやゴボウ、ひじき、長芋などお好みのものでOKなので、アレンジを楽しんでみてはいかがでしょう。揚げたてのおいしさは格別ですよ。
ごま豆腐
「ごま豆腐」は、弘法大師(空海)が約1200年前に開いた高野山で、厳しい修行の中で食べる精進料理の1つとして生まれたといわれています。
こちらは、無調整豆乳、片栗粉(葛粉)、すりごま(ねりごま)などを使って作る、ごま豆腐のお手軽レシピ。途中で枝豆をすりつぶしたものと刻んだものを加えると「えだまめ豆腐」になります。
わさび醤油やゆず胡椒をのせて食べるほか、揚げだし豆腐にするのもおすすめです。
れんこん団子の生姜揚げだし
外側はカリッと、中はもっちりやわらかな「れんこん団子」。
すりおろしたれんこんをザルにあげて水気を切り、塩と片栗粉を加えてスプーンで丸めたら揚げて作ります。
揚げたてをそのまま食べても間違いなくおいしいけれど、昆布と椎茸の出汁を使ったあんかけをとろ~りとかければさらに旨味がアップ。これは作らなきゃ損かもしれません!
車麩のトンポーロー風
トンポーローとは、皮付き豚バラ肉を使った角煮のことで中国の定番料理。豚肉の代わりに車麩を使ったのが、こちらの「車麩のトンポーロー風」です。
車麩はもっちりとした食感で食べ応えがあるので、まるでお肉のようなごちそう感があります。
豚肉で作ると時間がかかるけれど、車麩なら時短にも。中までしっかりと味が染みるので、ごはんが進みますよ。精進料理としては、トッピングの小ネギは控えると◎です。
なすの蒲焼き
精進料理には、植物性の食材を動物性の食材に似せて作った「もどき料理」があります。
こちらは、なすをうなぎに見立てて蒲焼きにした“うなぎ蒲焼もどき”。味はうなぎではないけれど、トロトロになったなすがたまらないおいしさです。トッピングの小ネギはなくても大丈夫。
「うなぎの蒲焼が食べたいな…。」というときに、手軽に身近な食材で作れるのもうれしいポイントです!
お彼岸に欠かせない「おはぎ」も手作りしよう
お彼岸のお供え物といえば、お餅をあんこで包んだ「おはぎ」も欠かせないですよね。おはぎは、ご先祖様への感謝の気持ちを表し、邪気を払うために供えます。
こちらは、大阪府富田林市にて和菓子教室を主宰する@29.sakuraさんのおはぎで、粒餡、こし餡、きな粉の3種類があります。
意外と簡単に作れるので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。