おうちで乾杯!スパークリングワインを楽しむために知っておきたい5つの基礎知識

グラスに注ぐとシュワシュワと泡がはじけるスパークリングワイン。パーティーでの乾杯時はもちろん、普段のごはんと合わせてスパークリングワインを楽しむ方が急増しており、今人気がじわじわと高まってきています。今回は、食事の時間をより盛り上げてくれるスパークリンワインを、おうちでより楽しむために知っておきたい知識をまとめました。

スパークリングワインの人気がじわじわ上昇中

海外では乾杯の定番ドリンクとして定着しているスパークリングワイン。

日本でも、クリスマスやパーティー、お祝いのシーンでスパークリングワインを楽しむ人も増えてきており、一年を通して日常的に楽しむドリンクとして定着してきています。

そう、今、スパークリングワインの人気がじわじわと高まってきているんです。

一般的に炭酸ガスを含んだワインのことをスパークリングワインといいます

微発泡で口当たりのよいものから、しっかりとガスが入ったものまで、その種類はたくさんあります。

スパークリングワインというと“乾杯のお酒”というイメージがあるという方も多いのではないでしょうか。レストランのお食事プランでも、乾杯酒としてスパークリングワインが用意されているなんて場合も多いですよね。

でも実は、スパークリングワインはどんな食事とも相性が良く、様々な料理と合わせやすいので、乾杯だけではなく前菜からメイン料理まで、お食事に合わせて楽しむことができちゃうという優秀で素敵すぎるお酒なんです。

食事の時間をより楽しく盛り上げてくれる

フルーティーで飲みやすく、ワインの入り口のような感じでスパークリングワインを楽しむ方も急増中。合わせる料理を選ばないだけではなく、食事と一緒に楽しむことで、自然とみんなの食欲とテンションがアップするから不思議……。

スパークリングワインをグラスに注ぎ、シュワシュワと泡がはじけると、ちょっとした非日常感を味わうことができ、自然と気分が盛り上がってきますよね。

さて、そんなじわじわと人気急上昇中のスパークリングワインですが、みなさんはスパークリングワインを選ぶとき、どんな基準で選んでいますか? また、どんなスパークリングワインが好きですか?

スパークリングワインを飲む機会は増えてきたものの、実は詳しいことはわからない、その知識は持ち合わせていないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、自分好みのスパークリングワインに出会うために知っておきたい基礎知識についてまとめます。

これさえ押さえておけば、おうちスパークリングワインがもっと楽しくなること間違いなしです。

おうちでスパークリングワインを楽しむための5つのコツ

美味しいごはんとともに、さまざまなシーンで身近に楽しむためには、何に気を付けたらいいんだろう?

今回は、メルシャン株式会社マーケティング部の輸入ワイングループリーダーである山田一幸さんに、スパークリングワインをおうちで楽しむためのコツを教えていただきました。

【その1】好みのスパークリングワインを選ぼう

スパークリングワインは、国、産地、製造方法などによって分類されます。

どんな種類があるのか、それぞれの特徴を知っておくと、自分好みのワインを選びやすいんだそうです。

【国による分類】

スパークリングワインは、国によって呼び方(名称)が異なります。

<スパークリングワインの名称>
フランス:ヴァン・ムスー
イタリア:スプマンテ
ドイツ:シャウムヴァイン
スぺイン:エスプモーソ

なんだか難しく感じるかもしれませんが、フランス語でいうと「ヴァン・ムスー」、イタリア語でいうと「スプマンテ」というような、いわゆる呼び方のことです。ちなみに、アメリカとオーストラリアは、日本と同じくスパークリングワインと呼びます。

<代表的なスパークリングワイン>
フランス:シャンパーニュ、クレマン
イタリア:アスティ・スプマンテ、フランチャコルタ
ドイツ:ゼクト
スペイン:カバ

フランスのシャンパーニュ地方で決まった製法で造られたスパークリングワインのことを「シャンパーニュ(シャンパン)」というように、スパークリングワインには、産地や製法によってもいろいろな呼び方があります。全てがシャンパンではないので要注意!

さらに、同じ地域で造られているものの中でも、いろいろなブランドがあります。例えば、シャンパンだとよく知られているのはドンペリといわれる「ドン・ペリニヨン」や「モエ・エ・シャンドン」など。選択肢の一つとして、代表的なものをいくつか覚えておくといいかもしれませんね。

【製造方法による分類】

スパークリングワインの造り方は、大きくわけて2種類あります。この造り方の違いで、色味や味わいも大きく変わってくるんです。

瓶内二次発酵
瓶の中で発酵させて造る方法を瓶内二次発酵といい、「トラディショナル方式」「シャンパーニュ方式」などがあります。ワインそれぞれの個性を際立たせるのに適した伝統的な造り方で、ボトルを1本ずつ手間暇かけて管理している分生産コストがかかります。凝縮感と厚みのある複雑でしっかりとした味わいと、上品できめ細かい泡が特徴です。
(代表的なスパークリングワイン:シャンパーニュ、カバなど)

シャルマ
タンクで製造する方法をタンク内二次発酵といい、現在は「シャルマ方式」が主流です。大きなタンクで造るので、味が安定していてバランスが良いのが特徴。フレッシュでキレがあり、飲みやすい味わいです。
日本国内で造られているワインはほとんどがシャルマ方式。味が安定していて製造コストも抑えられることから、一般的には手に入りやすい価格帯のものからラインナップが充実しています。
(代表的なスパークリングワイン:アスティ・スプマンテ)

▲異なる種類のスパークリングワインを並べてみると、同じ白のスパークリングワインでも色味が異なります。色の濃い真ん中が、瓶内二次発酵のスパークリングワインです

製造方法による種類の違いは、お店で選ぶときの参考になるので、ぜひ覚えておきたいところ。しかし、たくさんある種類を全部覚えるのは大変なので、いくつか代表的なものを覚えておき、シーンによって好みのものを選び分けられるとより楽しみ方が広がります。

【色による分類】

スパークリングワインというと白が定番。赤やロゼのスパークリングワインを造っているワイナリーはまだ少ないのですが、それはよりブドウのポテンシャルを引き出すことができるスティルワインとして赤ワインを造ることが多いからだそうです。

色の違いは、使われるブドウの種類の違いによるものです。白は白ブドウ、赤は黒ブドウを使って造ります。ロゼは、白ブドウを使う場合も黒ブドウを使う場合もあり、白ブドウと黒ブドウを両方使う場合もあります。

最近はロゼや赤のスパークリングワインを見かける機会も増えてきたので、料理やシーンに合わせて、ぜひお好みのものを選んでみてください。

【甘辛度による分類】

スパークリングワインは、全体の8~9割が「brut(ブルット)」か「dry(ドライ)」といういわゆる辛口に分類されます。

瓶にもしっかりと「brut」「dry」と書かれているんです。

逆に、甘みの表記というのはとても難しいため、甘口の瓶には何も書いていないことも多いんだとか。

少し甘みがあって、フルーティーなものを選びたいという方におすすめなのは、「アスティ・スプマンテ」というイタリアのスパークリングワイン。マスカット系の味わいで飲みやすく、スーパーでも手に入りやすいので人気なんだとか。甘口をお好みの方は、ぜひ覚えておきましょう。

【その2】飲み頃の温度を知ろう

スパークリングワインの飲み頃の温度は約5~7℃。
これは、冷蔵庫でキンキンに冷やしたくらいの温度感です。

通常のワインは冷やしすぎると香りが立ちにくかったり、苦味を強く感じてしまったりしますが、スパークリングワインは冷やした方が美味しいとのこと。発泡性のあるスパークリングワインは、炭酸ガスがあるおかげで、冷やすとより香りが立って美味しいんだそうです!

ちなみに、冷えていないスパークリングワインは、栓を開けるときに泡が噴き出してしまうので要注意。「氷を入れて飲もう!」と冷えてないスパークリングワインを開けようとして噴き出してしまった……なんて失敗談もあるので、気を付けてくださいね。

夕方買ってきたスパークリングワインを、晩ごはんのタイミングですぐに飲みたいときなんかは、山田さんはボトルごと冷凍室に入れて冷やすそうです。
また、まだしばらく栓を開けるまで時間がある場合には、温度変化が少なく、日があたらない涼しいところで保存するといいそうです。

【その3】栓を上手に開けよう

スパークリングワインを開けるときには、オープナーは不要です。

<STEP1>
栓の周りを覆っているキャップシールをはずす。

<STEP2>
クロスやタオルをかぶせ、コルク栓の頭をきき手と逆の親指でしっかりと押さえながら、もう片方の手でコルク栓についているワイヤー(針金)をゆるめる。

<STEP3>
ボトルの下の方をきき手で持ち、反対の手でコルクを押さえながらきき手の方(瓶)を回し、コルク栓を徐々に上に持ち上げる。
※机に置いたままボトルを回すと安定します。

<STEP4>
最後にコルク栓を傾けるようにしてボトルとコルク栓の隙間から炭酸ガスをにがす。十分に炭酸ガスが抜けたら静かにコルク栓を抜きます。

いつも人任せにしていた私は、スパークリングワインの栓を自分で開けたことが一度もなかったのですが、教えていただいた方法でチャレンジしてみたところ、とてもスムーズに開けることができました。

上手な人は、「ポンッ」という音をほとんど立てずに開けるんだそうですよ!

【その4】相性の良いグラスにおいしく注ごう

グラスは、クープ型(ソーサ型)と呼ばれる飲み口が広いタイプと、フルート型と呼ばれる飲み口が細いタイプの大きく2種類の形状があります。どちらも脚付きのグラスで、手に持っても中身の温度に影響を与えないようになっています。

スパークリングワインを飲むときにおすすめなのはフルート型。泡や香りが逃げにくく、泡の立ち昇る様子を楽しみやすいのが特徴です。

シャンパンを味わうのに適した形状で作られたグラスが、いわゆる「シャンパン・グラス」です。こちらも細長く美しい形状ですよね。

スパークリングワインをおいしく飲むには、「泡・味・香り」を長持ちさせる形状のグラスを選び、泡が立ちすぎないようにゆっくりめに注ぐようにしましょう。

一度開けたスパークリングワインは……?

開けたら全部飲み切らなきゃいけないから……と、スパークリングワインを開けることをためらってしまうことってありますよね。

飲み切れなかったスパークリングワインは、しっかりと栓をしてもどうしても炭酸具合や香りの立ち方は多少落ちてしまいます。そんなときにおすすめなのが、フルーツジュースやカットフルーツなどを加えたカクテルアレンジ

スパークリングワインは、炭酸ガスが抜けても基本はスティルワインと同じなので、よく冷やして飲めば普通のワインとしておいしく飲むことができます。

自分のライフスタイルに合わせてアレンジしながら楽しんでみてくださいね。

【その5】料理と一緒に楽しもう

乾杯酒のイメージがあるスパークリングワインですが、実は前菜からメイン料理まで基本的にどんな料理とも相性抜群。料理によって選択するスティルワインよりも、とっても万能なんです。

料理と相性の良い組み合わせで味わいの重なりを楽しむスティルワインに対し、スパークリングワインは乾杯の一杯としてはもちろん、炭酸が料理との味わいのバランスをうまくとってくれるので、肉料理にも魚料理にもしっかりとマッチ。料理を選ばずに美味しく楽しめるので、料理と合うワイン選びに悩んだときには、スパークワインを選ぶのがおすすめです。

おうちでスパークリングワインを楽しもう!

知れば知るほど奥深いスパークリングワイン。
難しく考える必要はありませんが、より美味しく楽しむためのコツを知っておくと、お店でのワイン選びがより楽しくなり、楽しみ方の幅がより広がります。

ぜひみなさんも自分好みのスパークリングワインを見つけて、おうちでもスパークリングワインを楽しんでみてくださいね。

<取材協力:メルシャン株式会社>

ワイン|メルシャン|商品情報|キリン

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