
冬は寒さ対策以外にも巡りと“腎”のケアを心がけて!
立冬もとっくに過ぎているというのに、今年は温かいですよね。そうは言ってもさすがにそろそろ寒くなってくるでしょうから、今回は冬の食養生のお話を。早めに始めておくとよいので、ぜひ今から始めてください。
冬の気候の特徴はもちろん寒さ。温め食材を温かいお料理に仕上げて食べるのが基本です。
そして「気を補うこと」「気血の巡りをよくすること」「“腎”をケアすること」が必要になります。
気を補う
気には、からだを温める作用や風邪などからからだを守る作用があるため、必要となります。しかも寒いと余分な力を使うので、いつもより気を多く消耗します。そのためきちんと補う必要があるのですが、穀物、芋類、肉や魚をしっかりと食べていればたいてい補うことはできています。
からだも寒さに備えて溜め込もうとする時期なので、この時期のダイエットは諦めてしっかりと食べてくださいね。
気血の巡りをよくする
寒いと肩こりなどの症状もでてくるので、血行不良はわかりやすいですよね。適度にからだを動かすなどして対策するのもよいですし、食材では血にはたまねぎ、ニラ、青梗菜、青魚、酢など、気にはピーマン、柑橘、ハーブなどがおすすめです。
“腎”をケアする
「“腎”のケア」って何……? と思われる方がほとんどでしょうか。
腎とは、現代医学でいう腎臓の働きの他に成長、発育、老化にも関わるところで、生命の元となるエネルギー、“精”を蓄えるところです。
胃腸や肺と協調して水分代謝も担いますが、寒くなると汗をかかなくなるため水分代謝は腎の働きに頼ることが多くなります。このため酷使される腎を傷めやすくなり、この時期はケアが必要なのです。
ちなみに腎を傷めると手足やお腹の冷え、足腰の痛み、ぎっくり腰、尿もれ、難聴、物忘れがひどくなる、などの症状がでます。腎は生殖にも関わるので、妊活中のかたも要注意です。
腎をケアする食材はどういったものかというと、日本でも「〇〇は精がつく」などといわれているような食材。うなぎやスッポン、山芋などが思い浮かびますよね。他には鶏肉、豚肉、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、ゴボウ、ニラ、栗、くるみ、黒ごま、エビ、ホタテ、鯛などがあります。

そこで今回は、腎ケア食材を使った「鶏肉、長芋、ブロッコリーのバジル黒酢炒め」をご紹介します。
鶏肉と長芋は気も補います。そしてバジルや黒酢が巡りをサポート。鶏肉と黒酢に温め作用があります。
【12月のからだケアレシピ】鶏肉、長芋、ブロッコリーのバジル黒酢炒め

材料(2人分)
・鶏もも肉……大1枚
・長芋……200g
・ブロッコリー……100g
【A】
・黒酢……50ml
・きび砂糖……大さじ1と1/2
・しょうゆ……小さじ2
・塩……1つまみ
・鶏ガラスープ……50ml
・片栗粉……小さじ1/2
・エクストラバージンオリーブオイル……大さじ1/2
・バジル……1cup
作り方
1. 鶏肉は大きめの一口大に切り、分量外の塩少々をふる。長芋は皮ごと厚さ1cmの輪切りにする。ブロッコリーは一口大に切り、水で濡らして耐熱容器に入れ、600Wの電子レンジで2分ほど加熱して水分を切る。Aを混ぜ合わせる。

2. フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、鶏肉を皮目から入れて焼く。鶏肉が縮んでスペースができたら軽く脂を拭ってから長芋を加え、両面焼けたらブロッコリーとAを加え、同量の水で溶いた片栗粉を加えてとろみをつける。最後にバジルを加え、さっと混ぜる。


バジルはたっぷり使って

バジル無しでもおいしくいただけますが、先ほどもご紹介したとおり、バジルには気と血の巡りをよくする働きがあるので、ぜひたっぷりと使ってみてください。
炒めすぎるとせっかくの香りが飛んでしまいますし色も変わりやすいので、火入れには注意してくださいね。火を止めてからさっと混ぜるくらいでも十分です。
また黒酢のせいでブロッコリーもすぐに色が変わってしまうので、気になるかたはカリフラワーに変えてくださっても結構です。
腎ケア食材は年中たっぷりと!
特に寒い時期に傷めやすい腎ですが、アンチエイジングや妊活の意味からすると腎ケア食材は一年中取り入れたい食材。同じ食材ばかり食べるのは避けたいですが、腎ケア食材はたっぷり摂っても摂りすぎるということがありません。
お子さんには成長のために、おとなには生理不順対策、妊活、エイジング対策のためにこまめに取り入れていきましょう。