
ダイエットシーズン到来です
桜の便りも聞こえ、いよいよ春本番ですね。
ですがこの時期は、「木の芽時(このめどき)」という言葉があるように、不調を感じるひとが多い時期でもあります。春ならではの不調に関しては、ぜひ先月のコラムを参考にして養生してください。
さて、春という季節のトピックはもう一つ。「デトックス」です。
冬眠前に蓄えたもので越冬し、春になって目覚めると活発に動き出す動物たち。このタイミングでからだに溜め込んでいた不要な老廃物を出していきます。
人間も同じように冬には自然とからだが溜め込もうとしますし、春になると老廃物を排出しようとします。この時期に合わせてダイエットを始めると成功しやすいと言われています。
今回はとっても簡単でシンプルなスープをご紹介します。ダイエット中のひとにもよいですし、そうでないひとにもからだの中が浄化されるかのようにすっきりと感じられるのではないかと思います。

この時期のデトックスを考えるとき、いわゆる「解毒」の効能を持つものの他、「化痰」という痰を排出する働きのものや、便通をよくするもの、そして解毒の働きがあるとされる苦みのあるものなどを合わせます。
みなさんが痰と聞いて想像するものは咳をするときに絡む痰、ですよね?
中医学で痰は粘り気のある老廃物をさすため、肺や気道だけでなくからだのどこにでもできうるもの。メタボ治療に「化痰」の生薬を使うこともあるので、中性脂肪のようなものも含まれると言われています。そのためデトックス(ダイエット)にもよいのです。
ではそれぞれの食材を少し上げてみますね。
【解毒】
こんにゃく、里芋、小豆、黒豆、大豆、納豆、緑豆(もやし)、えのきだけ、しそ、しょうが、せり、セロリ、たけのこ、豆苗、菜の花、苦瓜、冬瓜、にら、バジル、ふき、ふきのとう、みつば、バナナ、寒天、緑茶、ウーロン茶ほか
【化痰】
こんにゃく、里芋、豆乳、えのきだけ、春菊、しょうが、大根、たけのこ、たまねぎ、なめこ、にんにく、ふき、ふきのとう、水菜、みつば、梅、レモン、アーモンド、カシューナッツ、あおさ、寒天、こんぶ、のり、もずく、わかめししゃも、あさり、はまぐり、ウーロン茶ほか
【通便】
菊芋、こんにゃく、さつまいも、ナット、えのきだけ、おくら、ごぼう、小松菜、しめじ、たけのこ、菜の花、白菜、ほうれん草、まいたけ、水菜、モロヘイヤ、レタス、アボカド、いちじく、パイナップル、バナナ、アーモンド、くるみ、黒ごま、ピーナツ、寒天、もずく、牛乳、チーズ、ヨーグルト、甘酒、はちみつ、メープルシロップ、オリーブオイルほか
同じものが何回も出てきていますよね。効果的な食材なので、日々のおうちごはんにも摂り入れてみてください。
その中から今回はほろ苦さがおいしい菜の花をチョイス、旬のわかめやしらすと合わせました。

菜の花には解毒と通便の作用、わかめには化痰の働きがありますが、余分な水分が溜まってむくみがあるひとにうれしい利尿作用も。
タンパク源としても加えたしらすは胃腸の働きを整えます。デトックスとダイエット、どちらも食べたものをきちんと消化できる胃腸の働きがあってのこと。これを機に胃腸の調子も一度振り返ってみてください。
そして良質なオイルも便通をよくします。オリーブオイルはお好みでたっぷりとかけて召し上がってください。献立内容に合わせてごま油に変えると解毒の働きも期待できます。
菜の花とわかめ、しらすのシンプルスープ

材料(2人分)
・菜の花……50g
・わかめ(生、もしくは塩蔵)……20g
【A】
・しらす干し……40g
・水……500ml
・酒……大さじ1
・塩……1~2つまみ
・こしょう……少々
・エクストラバージンオリーブオイル……適宜
作り方
1. 菜の花は根元の硬い部分を落としてざく切りする。わかめは(塩蔵わかめの場合は塩抜きしてから)食べやすい大きさに切る。

2. Aを鍋に入れて沸かす。


3. 1を加え、塩、こしょうで味を調える。

器に盛り、オリーブオイルをかける。

簡単すぎて申し訳ないくらいのレシピ。さらにえのきだけやたけのこなどを加えてもよいですね。
菜の花の苦みが強く感じられるときは、チーズをふるのもおすすめ。熱々にピザ用チーズをトッピングしてもよいですし、粉チーズでも。ただし、しっかりとダイエットしたいひとは入れすぎ注意です。
またせっかくのわかめの旬。効能的には乾燥わかめでもOKですが、今の時期ならぜひ生わかめを使ってみて! お刺身コーナーで売られているものがお手軽。茎まで柔らかくておいしいです。
若竹汁は素晴らしかった!
春の味覚を味わえる若竹汁。たけのこのシーズンには毎年作るというひとも多いのでは?
たけのこは化痰、通便、解毒といういま摂りたい効能を3つも備えています。わかめと合わせれば最強のデトックススープ。
しみじみおいしいお汁ですが、だしをひくのが面倒というときはぜひこのスープを。私は時間のないランチにこのスープにパンを添えていただくことが多いです。もちろん朝食にもおすすめです。