暗殺者のパスタって?
近ごろ、SNSで人気なのが「暗殺者のパスタ」というなんとも刺激的なネーミングのパスタ。
発祥は南イタリアのプーリア州で、最大の特徴は乾燥パスタを茹でずにそのままフライパンに入れてトマトソースを吸わせ、焦げめをつけながら煮込んでいくこと。
そうすることで香ばしい麺に濃厚なトマトソースが絡んで、深い味わいに仕上がるのだとか。
上のお写真は、麺類が大好きという@mituny0913さんによる「暗殺者のパスタ」。この真っ赤な色には、いかにも旨みが詰まっていそうな感じがしますよね!
レシピは、東京・白金台の裏通りにある小さなカウンターフレンチ「CIRPAS(サーパス)」のシェフ・ジョージさん(@chef_johjiro)のYouTubeをお手本にしたそう。
フレンチのシェフが作る「暗殺者のパスタ」も気になりますよね。こちらのトマトソースは、ケチャップやトマトジュースといった身近な食材を使っているので、作りやすさも抜群ですよ。
本場イタリアではどう作る?
イタリア・ミラノ在住の@bacchette_e_pomodoroさんいわく、イタリアでは、トマトをペースト状になるまで煮詰めたトマトペーストを使うのだそう。
ただ、トマトピューレやトマト缶、生のトマトから作る人もいるので、必ずしもトマトペーストで作らなければいけないというわけではないのだとか。
@bacchette_e_pomodoroさんのレシピサイトでは、本場イタリアのレシピのほか、歴史や由来など「暗殺者のパスタ」にまつわる情報が紹介されています。
気になる由来は「殺人級においしかったから」など、諸説あるよう。詳しくは、@bacchette_e_pomodoroさんのレシピサイトをチェックしてみてくださいね。
チーズをのせるアレンジも!
トマトとチーズは相性抜群。「暗殺者のパスタ」にもチーズをのせて食べる人が増えています。
MOMOさん(@lipmomo230)は、フレッシュタイプのチーズ“ブッラータ”をのせて。濃厚なトマトソースとブッラータのクリーミーな味わいがたまらないおいしさです。
実際にイタリアでも、ブッラータの中身のストラッチャテッラチーズをのせた食べ方があるそう。
真っ白な丸いチーズがちょこんとのったかわいい見た目もテンションが上がりますね。
まだある!ユニークな名前の絶品パスタ
貧乏人のパスタ
「貧乏人のパスタ」だなんてずいぶんなネーミングですが、イタリアに実在するメニューで、卵とチーズだけで作るシンプルなパスタです。
イタリアでは、お店で食べるというより、おうちでちゃっちゃと作って食べることが多いよう。日本でいえば「卵がけごはん」のような感じでしょうか。
@glitter__recipeさんは、高級珍味からすみ(ボッタルガ)を使いやすく粉状にした「ボッタルガパウダー」を加えてアレンジ。ブラックペッパーの代わりに黒七味を使っているのもポイントです。
目玉焼きの半熟の黄身を絡めたら、これはもう立派なごちそうです!
材料(1人分)
・卵……2個
・にんにく……1片
・パスタの茹で汁……大さじ2
・ボッタルガパウダー……大さじ1〜2
・オリーブオイル……適量
・パルミジャーノ……適量
・黒七味……適量
作り方
1. 目玉焼きを2つ作っておく。
2. フライパンにオリーブオイルとみじん切りにしたにんにくを入れて弱火で熱し、香りが立ったら目玉焼きを1つ加えて軽くほぐす。
3. 2に茹でたパスタ、茹で汁を加えてあえる。
4. 器に盛り付け、もう1つの目玉焼きをのせてパルミジャーノとと黒七味をかける。
レシピ出典:Instagram(@glitter__recipe)
娼婦風パスタ
イタリア・ナポリの名物「プッタネスカ」は、日本語にすると「娼婦風」という意味。
アンチョビ、ケイパー(ケッパー)、ブラックオリーブなど、イタリアの家庭で常備していることが多い食材で作れるトマトベースのパスタです。ソースは塩気と酸味が効いていて、少し太めのスパゲッティかよく合います。
気になる由来は、「忙しい娼婦がおうちに常備してあった食材で作ったから」「娼婦が客引きに利用するほどおいしい」など、諸説あります。
好物で普段から作っているという@shuichi1137さんの「娼婦風パスタ」は、盛り付けもおしゃれ。ツナや魚介を加えてアレンジすることもあるのだとか。
お好みでお肉や野菜を加えてみても良さそうですね。
材料(2人分)
・パスタ……200g
・トマトの水煮(ホール)……1/2缶
・アンチョビ……小4切れ(みじん切り)※大なら2切れ
・ブラックオリーブ……15~20粒(半分はスライスし、もう半分はみじん切りにする)
・ケイパー……大さじ1(みじん切り)
・にんにく……ひとかけ(みじん切り)
・鷹の爪……1本(種は除く)
・オリーブオイル……大さじ2
・塩、黒胡椒……各適量
作り方
1. フライパンにオイルをひき、弱火でにんにくと鷹の爪を炒める。香りが立ってきたらアンチョビ、ケイパー、オリーブを入れて炒める。
2. トマトを加え、潰しながら5分ほど煮込み、味見をして塩、黒胡椒で調味する。
3. 1分半早く茹で上がったパスタを加えてフライパンをふってよくあえる。
4. あれば好みで黒胡椒、パルメザンチーズ、パセリなどをかける。
レシピ出典:Instagram(@shuichi1137)
怒りんぼ風パスタ
「怒りんぼ風パスタ」は、日本でもおなじみの人気メニュー「アラビアータ」のこと。
アラビアータとは、イタリア語で「怒っている」という形容詞の「arrabiato」に「○○風」という意味に変化する「all’」をつけて「all’arrabiata」と書きます。
なぜこの名前がついたのかというと、アラビアータのベースとなるトマトソースには唐辛子が使われていますよね。このソースの辛さで怒ったように顔が赤くなることが由来なのだとか。
アラビアータは市販のソースもたくさん販売されていますが、時間があるときはソースから作っておうちでレストラン気分を楽しんでみませんか?
今回は、簡単なのにお店風なレシピを得意とする藤原愛さん(@honkeaipanman)のレシピをご紹介。おしゃれなスタイリングもぜひ参考にしてみてくださいね。
材料
・パスタ(1.5mm)……70g
・トマト水煮(缶)…… 1/3(80g)
・玉ねぎ(微塵切り)……1/4個分
・にんにく(微塵切り)……3片分
・鷹の爪……適量
・オリーブオイル……適量
・砂糖……少々
・パルメザンチーズ……適量
・イタリアンパセリ……適量
作り方
1. トマトソースを作る。オリーブオイルを熱したフライパンでにんにく(2片分)を炒める。そこへトマトの水煮と砂糖を加えて煮る。
2. パスタを茹でる。
3. オリーブオイルを熱したフライパンで、にんにくのみじん切り(1片分)と、輪切りにした唐辛子を炒める。
4. 3に1のトマトソースを適量加えふつふつしてきたら、2のパスタ(湯切りをする)を入れて一混ぜする。
5. 皿に盛り付け、パルメザンチーズと、イタリアンパセリをトッピングする。
※残ったトマトソースは冷蔵庫か冷凍庫で保存してください。
レシピ出典:Instagram(@honkeaipanman)
絶望のパスタ
香ばしいにんにくの香りとピリ辛の味わいが魅力の「ペペロンチーノ」。
正式名称は「アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ」で、直訳すると、アーリオ=にんにく、オーリオ=オリーブオイル、ペペロンチーノ=唐辛子という意味です。
素材名を並べただけという珍しい名前で、このほかに使うのは塩とパスタぐらい。シンプルかつ、安価な食材しか使っていないことから、イタリアでは、たとえ絶望の淵にいても作ることができるという意味で「絶望のパスタ」(または貧乏人のパスタ)と呼ばれているそう。
でも、アレンジ次第では、絶望が希望に変わるはず!
パスタ専門のレシピサイト「BINANPASTA」を運営するRyogoさん(@binanpasta)の「ブロッコリーのペペロンチーノ」は、まさにそんな一品。
ブロッコリーはパスタと同じお鍋でまとめて塩茹でしてからフライパンへ。クタクタ食感になったブロッコリーをヘラやトングで細かく崩してパスタとあえれば出来上がりです。
ちょうどブロッコリーは冬から春先にかけてが旬。Ryogoさんのレシピサイトを参考にぜひ作ってみてくださいね。
さまざまなパスタを楽しもう!
今回ご紹介したパスタはいくつ、知っているものがありましたか?
ちなみに現在、パスタの種類は500種類以上あるといわれています。ソースや味付け、具材によってバリエーションも豊富なので、まだまだ知らないメニューがたくさんあるはず。
気になったものがあったら、ぜひおうちで作って楽しんでみてくださいね!