出典 : @cminamide 【おうちごはん特別企画】ご当地のお正月料理・第6弾~三重県~

【おうちごはん特別企画】ご当地のお正月料理・第6弾~三重県~

おうちごはん編集部スタッフの出身地にまつわるお正月料理を、リレー形式でつづる特別企画。最終回である第6回目は編集長・やんが、三重県のお正月に関するあれこれを紹介します。東と西の文化が入り混じっており、境目でもある三重県の食文化は不思議がいっぱい!三重のお正月の楽しみ方を教えます。

三重県ってこんなところ!

日本の真ん中あたりに位置する三重県。「三重県って何地方に入るの?」という質問をよく受けますが、近畿、東海、中部、関西……といろんなカテゴリに入っていたり入っていなかったり。正直まったく気にしていません!

さらに三重県は縦に長い地形で、北部は名古屋、西部は大阪や奈良の影響、南部はまた独特の濃すぎる文化があり、いろんな文化が混ざり合っているので、同じ三重県民でも出身エリアによって食文化や方言が全然違っていたりします。

ちなみに私は三重県の中部エリア(三重の真ん中らへん)の出身なので、一番どっちつかずかも……。でもそんな、独特の文化を感じていただけたらうれしいです。

マスコットキャラクターは「う~まちゃん」

本題に入る前に、三重県のマスコットキャラクターも念のため調べてみたところ、人と人の絆をイメージした輪を頭にのせた「う~まちゃん」と判明。
2009年から2014年にわたって三重県全体で取り組まれてきたプロジェクト「美(うま)し国おこし・三重」を盛り上げるべくうまれたキャラクターです。

三重県|地域づくり総合:シンボルマーク、マスコットキャラクターなど

三重県のお正月といえば!

お伊勢参り

伊勢神宮はやはり外せない! いろんな文化が混ざり合っていても、三重県民がみんな共通して誇りをもっているのは「三重には伊勢神宮がある」ことではないかと思っています。

ここでちょっと豆知識。「伊勢神宮」とは通称で、正式名は「神宮」。そのため、伊勢神宮内のマップやお守りなどに「伊勢神宮」という表記は見当たりません。他の神宮と区別するために伊勢の神宮、伊勢神宮と呼ばれるようになりました。

ちなみに地元では伊勢神宮のことを「お伊勢さん」と呼びます。「お伊勢さんに行ってくるわ~」と言えたら、あなたも三重県民に一歩近けるはず!?

赤福と赤福ぜんざい

外宮と内宮での参拝をおえたら、赤福のお店にはやっぱり立ち寄りたい。赤福ぜんざいを食べて冷えた身体を温めるのは、我が家では初詣後の定番ルートです。
カリカリ梅と塩昆布が添えてあるのがこれまたいいんです。ぜんざいの甘さがより引き立ち、甘い、しょっぱい、甘い、……のエンドレスループ!
赤福ぜんざいは冬季限定。夏場は赤福氷がおすすめです!

赤福はお店でももちろん食べられますが、お土産にもどうぞ。
ひそかに私は赤福の箱の中に入っている『伊勢だより』というお便りを見るのが、包みを開けるときの楽しみでもあります。

『伊勢だより』の表面は版画のイラスト、裏面はその季節に関するお話と、その日の日付が記載されており、毎日違うのです! 伊勢神宮にまつわるお話や、伊勢の風習など内容もいろいろ。赤福を手にした際はぜひ見てほしいなぁと思います。

今日の伊勢便り | 伊勢名物 赤福

へんば餅

お伊勢参りに訪れた旅人の休憩処として、伊勢へ向かう街道には多くの茶所ができ、赤福以外にも多くの名物餅が生まれました。餅街道とも言われたそうです。
そう、三重県にはおいしい餅菓子が非常に多い! 私が知る限りでも17軒ほどあります。

中でも私のお気に入りは「へんば餅」。米粉を使用したやわらかいお餅の中になめらかなこしあんが入っています。温かいほうじ茶とともに味わいたいお餅です。
近年では、外宮近くに伊勢市駅前店、内宮の近くにおはらい町店ができたので、伊勢神宮への参拝ついでにいかがでしょう?

名物 へんば餅
伝統を受け継ぐ食づくり | 三重の食結び

三重県のお正月料理

さて、大変お待たせしました! 三重県ではお正月にどんな料理を食べるのでしょうか。
伊勢海老、あわび、桑名の天然はまぐり、松阪牛といった高級食材が特産品として有名なので、それらが食卓に並ぶ家庭もあるようです。

また、おせち料理の具材や味付けにおいては特に目立った特徴はないようですが、特有の文化を発見しました! それでは見てみましょう。

あらめ巻

あらめ巻きという昆布巻きのようなものが三重風のお正月料理のひとつ。「あらめ」とは昆布科の海藻で、昆布に比べてやわらかい食感が特徴。
三重ではイワシやさんま等をあらめで巻き、だししょう油で煮つけたものが定番です。

贅沢品だから。松阪牛ですき焼き

三重県の人がお正月に食べるものと言えば、「すき焼き」
三重全域というよりはおそらく中南勢エリア(津市や松阪市周辺)で顕著な文化と思われますが、その理由はやはり松阪牛というブランド牛があるからでしょう。

しかし、松阪牛は高級品! 三重県人だからといって毎日口にできるものではないので、「年に一度の贅沢」として年末に松阪牛を買い込み、家族や親族と一緒に鍋を囲みます。

お肉屋さんの行列は年末の風物詩

お正月はすき焼き! というわけで、年末になると三重県津市で有名な松阪肉の専門店「朝日屋」の店の外に長蛇の列ができるのは冬の風物詩。私も小さいときからよくこの光景を目にしたものです。

さらに、この行列の理由はもうひとつあります。
朝日屋では毎年、12月中旬から大みそかまでの間、「松阪肉牛共進会」にて競り落とされた松阪牛を通常価格で販売する「名牛まつり」が開催されているんです。松阪肉牛共進会とは松阪牛の女王を決める大会。そこで落札されたお肉が通常価格で買えるとなったら、行列ができるのも納得です。

三重のお雑煮事情

三重県のお雑煮文化についても調べてみたところ、県内でもエリアによって異なる特徴があり、なんと9種類に分類されることが判明!

北勢地域…すまし汁に角餅。具材は正月菜。
名張地域…赤味噌仕立てに丸餅。
伊賀地域…すまし汁に花びら餅。具材は豆腐が必須。
中勢地域…大根と里芋の味噌汁に角餅。
南勢地域…すまし汁に角餅。具材の種類は多い。
伊勢市地域…すまし汁に丸餅。具材は正月菜のみ。
志摩地域…小豆汁仕立て。
南島南勢地域…すまし汁に角餅。主な具材は白菜。
東紀州地域…すまし汁にねこ餅。

思えば、私の実家では「味噌汁に角餅のお雑煮」(中勢地域)をよく食べていたのですが、遊びに行った友人宅で出てきたのは「すまし汁に角餅のお雑煮」(南勢地域)だったことがありました。どちらもおいしかったので当時は何の疑問も抱かなかったんですよね(笑)。

一般的に、関東はすまし汁仕立てで角餅、関西は味噌仕立てで丸餅という傾向がありますが、三重県はまさに東と西の双方の影響を受けてきた場所だということがお分りいただけたかなと思います。

三重のお雑煮、丸と四角の交錯

うちではお正月にこれも食べます

たこ焼き

さて最後に、お正月の我が家で必ずすることというと「たこ焼き」
三重は大阪ほどコナモン文化が強いわけではありませんが、家族みんなでくるくるとたこ焼きを回しながらおしゃべりしたり、お酒を飲んだりしてだらだらと気ままに楽しむのが好きな時間だったりします。

でも今思えば、お弁当の上段に焼きそば、下段に白米なんてことがたまにあり(お母さん!!)、焼きそばやお好み焼きをおかずに白米を食べることに抵抗なく育ちました。

三重県は超ハイブリッド文化!

東と西の文化が入り混ざっており、境目にもなっている三重県は、食文化だけでなく言葉もその色が出ています。
例えば、接続詞「だから~」は、関西弁が「せやから」、名古屋弁が「だもんで」、三重では「せやもんで」と話すんですよね……(笑)。
今回ご紹介した三重の食文化はほんの一部。三重出身である私にとっても、まだまだ不思議がいっぱいです!

全6回にわたって、おうちごはん編集部スタッフが自身の地元のお正月料理について綴ってきたコラムはいかがだったでしょうか?
各都道府県ごとの違いはもちろん、各県内でもエリアによってまた違いがあったり……。私たちも調べていく中で、これまで知らなかった自分の故郷に出合い、多くの発見がありました。
みなさんが故郷に帰省した際や旅行の時にその土地の食べ物や文化にちょっと目を向けてみる、本連載コラムがそのきっかけになれれば幸いです。

2018年もおうちごはんをご覧いただきありがとうございました。
よいお年をお迎えくださいね。

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