
知っているようで知らない「塩の種類」
みなさん「塩」と言うとどんなものを思い浮かべますか?
食卓に置いてあるものや、ピンク色のものやゴロッと粗い塩まで、様々な塩をご存知だとは思いますが、それぞれの違いって知っていますか?
塩とひと言でいっても種類は様々。製法や味まで結構違うのです。
今回は、知っておくとちょっと便利な「塩の種類」をご紹介します。
・精製塩

スーパーで並んでいる最もポピュラーな塩がこの「精製塩」。
大量生産が可能で「食塩」「食卓塩」と言われるとイメージしやすいのではないでしょうか?
比較的溶けやすくサラサラしており、クセが少なく、使い勝手の良い塩です。
・天日塩

天日塩は、海水を太陽や風など、自然の力で蒸発させて製造された塩です(いわゆる自然塩)。
精製塩との大きな違いは、その製造方法と生産国。
日本は雨と湿気が多いため天日塩の製法は難しいと言われています。なので、日本で販売されている天日塩の多くが輸入品です。
・岩塩

岩の塩と書きますが、岩塩のもとは海水。大昔に地殻変動で陸地に閉じ込められた海水が結晶化したもので、その上に土砂が堆積したと考えられているそうです。
アンデスのピンク色をした「ローズソルト」やヒマラヤ山脈の「ルビーソルト」が日本では有名ですね。
世界の塩の生産量の約3分の2は岩塩から作られているのですが、実は、日本で岩塩は見つかっていません。
つまり日本で販売されている岩塩のほとんどは輸入品なんです。
また、食用だけでなく、バスソルトやランプ、小物としても使われます。
ストレートでパンチのある塩味が特徴のため、ステーキや焼き魚などにひと振りしたり、重めのソースや強めの味に仕上げたい時におすすめです。
また、ゆっくり溶けてしみ込んでいくので、マリネや塩豚などの漬け込む料理に使うと、全体に味がしみ込んでおいしくなりますよ。
・藻塩

海水に海藻の成分を混ぜて作られる「藻塩」。
ほんのり茶色のものやピンクがかった色のものがあるのが特徴です。
塩分濃度が低くまろやかで舌触りが良いので、料理人にも人気の塩です。
海水と海藻からできているため、お魚との相性がばっちりですよ。
また、まろやかな口当たりなので、おにぎりや天ぷらなどに使うのもおすすめです。
・湖塩

塩湖と呼ばれる塩水の湖で採取、製塩される「湖塩」。
カスピ海やバルハシ湖、死海などが有名な塩湖です。
生産量が少なく高価なのも特徴です。
ミネラルが豊富でやわらかな苦味と甘味があるため、サラダなど素材の味を引き立たせたい時や、煮込み料理でじっくり火を通してまろやかな味に仕上げたい時におすすめです。
様々な塩の製造方法
塩の種類を見ていると「あれ?原料ほとんど海水なのに種類が違うの?」というところに気付きますよね。
実は塩は、その製造方法によっても種類や風味が変わってくるのです。
次は、もう少し詳しい「塩のヒミツ・製造方法」についてご説明します。

雨が多く湿度の高い日本で生産される塩の多くは「精製塩」か「再製加工塩」です。
海に囲まれている日本ですが、実は塩の自給率は15%ほどで、多くは海外から輸入しており、輸入量は世界で一位なんだとか。
しかし、塩の製造に不向きな土地だからこそ、長い歴史の中で苦労を重ね、現在では日本の塩は安全性も質も高いと世界で評価されるものとなりました。
塩の種類で味が違う?!
■ミネラルによる味の傾向

実は、“塩の味”は塩辛さだけではありません。
一般的には、「にがり」の量が多いほどミネラル成分が多く、塩味から遠ざかると言われています。
確かにミネラルが豊富な塩はコクがありますが、多すぎるとそれを「クセ」と感じる方もいます。
また、食材や調理方法との兼ね合いもあるので、ぜひおうちで様々な塩を揃えて味わってみてください。
■粒の粗さよる味の傾向

塩の味を左右するもう一つの要因は「粒の粗さ」です。
一般的に、粒が大きい方がまろやかな味わい、細かい粒は口の中ですっと溶けるので塩味を強く感じます。
特に日本では、天日塩を外国から輸入し、国産のにがりを添加した商品がたくさん販売されているので、にがりの含有量と製法の関係はあいまいです。
実は塩の味を決めるのは、原料や製法というのはほとんど関係なく、実際は「にがりの量」と「粒の粗さ」だと言われています。
粗さを選べる電動ミルなどを使って、その違いを楽しんでみるのもいいかもしれません。
使い方に合わせて種類を選んでみよう
製造方法や粒の粗さの違いによって、様々な種類がある塩。
毎日の料理や食卓で活躍する馴染みのある調味料だからこそ、種類の違いを知っておくと味の違いや用途によって使い分けることができます。ぜひ、種類による違いを楽しみながら、ご自分の好みの塩を選んで使ってみてくださいね。
今回ご紹介した「塩の種類」の内容をふまえて、次回は様々な種類の「おすすめの塩」をご紹介したいと思います! お楽しみに。